『デーモン・ハンターズ』が残した大きな足跡、新人グループの早期ヒット……“文化としての定着”が感じられた2025年のK-POP
Hearts2Hearts・CORTISら新人グループの早期ヒットも目立った1年
同時に、第5世代と言われる2023年以降にデビューしたグループの早期ブレイクも目立った。SM ENTERTAINMENTから5年ぶりのガールグループとなったHearts2Heartsのデビューシングル『The Chase』はガールグループデビュー作品の歴代初動販売枚数1位を記録。今年BTSやTOMORROW X TOGETHERを擁するBIGHIT MUSICからデビューしたボーイグループ・CORTISは、1st EP『COLOR OUTSIDE THE LINES』が累計セールス100万枚を突破するなど、デビューから早期の記録達成が増えてきている。その背後には、韓国でのファンダム文化の成熟とサバイバル番組出身の期間限定グループの定番化により、ファン層の中では以前は御法度のような空気もあった“掛け持ち”やファンダム移行サイクルの短期化が見られるようになっており、その影響で以前よりも早期に人気のピークが訪れやすくなっているとも考えられる。また、音盤/音源チャート順位とファンダム規模、グループの大衆認知度が必ずしもリンクしないという傾向が、男女グループ問わずやや顕著になってきており、“国内”と“グローバル”での相違という特殊性に加えて、アイドルの楽曲がヒットすることはあるが、バズがファンダム拡大に直結するとは限らず、さらに“ファンダムが市場を支える”という日本のアイドル市場の傾向にK-POPも近づいているように感じる。
2025年は突出した楽曲的なトレンドはあまり明確化されなかったが、バンドサウンドを取り入れる傾向と、数年前から続くイージーリスニングの楽曲傾向は継続しているようだ。ビジュアルやコンセプトイメージにおいてはY2Kやレトロが変わらず人気だが、NCT WISHが体現してきたような韓国的なエッジーなレトロフューチャーと、日本的な平成女児カワイイバイブスが融合したイメージが“WISHコア”と呼ばれ、ファンダムを超えて一般的なユースカルチャートレンドのひとつとなった。文化的制約がなくなり、アニメ、ゲーム、ファッションなどのキッズライクなカルチャートレンドが、韓国の若者世代が消費の中心になってきている現代ゆえのトレンドと言えるかもしれない。
2026年には、BTSのカムバックも予定されており、ベテラン、中堅、新人、それぞれの世代がそれぞれの立ち位置での活躍が期待される。K-POPが日本国内でもようやく文化の一部として位置づけられつつある中で、今後のよりグローバルで文化的な成熟が期待される。
※1https://koreawave.jp/%e6%b5%b7%e5%a4%96%e3%81%ae%e5%b7%a8%e4%ba%ba%e3%81%ab%e6%8f%ba%e3%82%8c%e3%82%8b%e9%9f%93%e5%9b%bd%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0/
※2:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/kr/daily/20250929


























