ヤングスキニー Road to 日本武道館 Vol.2:ゴンザレス「より多くの人に届けたい」 就職ではなく“バンド”を選択をした覚悟

ヤングスキニー連載取材:ゴンザレス

 ヤングスキニーにとって初の日本武道館公演『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやる日本武道館』が、2026年2月17日に開催される。Real Soundでは、来たる日本武道館の当日に向けて、メンバー4人のパーソナルな一面に迫る計4本のソロインタビューを公開していく。

 第2弾となる今回は、ゴンザレス(Gt)のソロインタビュー。音楽のルーツや、ギターを始めたきっかけ、また、自身が思うバンド結成以降の最も大きなターニングポイントについて、作曲部屋のある自宅で語ってもらった。もしかしたら、「ヤングスキニー=かやゆー」というイメージを持つ人が多いかもしれないが、このインタビューを読めば、ヤングスキニーというバンドは、ゴンザレスをはじめとした各メンバーの奇跡的なバランスで成り立っていることがわかると思う。第1弾のかやゆー(Vo/Gt)のソロインタビューと合わせてぜひチェックしてほしい。(松本侃士)

アニメとVOCALOIDによる音楽原体験、バンド人生のはじまり

──はじめに、メンバー全員への共通の質問として、音楽のルーツから聞いていきたいと思います。意識して音楽を聴くようになったのは、いつ頃からでしたか?

ゴンザレス:僕、そもそもアニメとかVOCALOIDが好きで。それをきっかけに「音楽ってかっけえ」と思っていろいろ聴くようになったのが、中学2年生くらいですかね。最初は『<物語>シリーズ』にハマったんですけど、このシリーズの楽曲は基本的に全部好きですね。「恋愛サーキュレーション」とかは有名ですけど、僕が好きなのは「その声を覚えてる」(『<物語>シリーズセカンドシーズン』の「囮物語」「鬼物語」ED曲)とか。懐かしいなあ。

 で、その後に『ラブライブ!シリーズ』にハマって。当時のAKB48とかもそうですけど、アイドル楽曲ってすごいんですよね。キャッチーでテンション上がるし、かっこいい、みたいな。『ラブライブ!』に関しては初代の楽曲はほぼ全部わかります。当時、イントロの0.5秒で曲当てられてたんで。僕はAqoursまで追ってましたけど、μ'sが一番好きですね。マジで俺の青春だなって。VOCALOIDだと、入りはたぶん「千本桜」とかだと思うんですけど、一番最初に聴いたのってなんだろうな……確か「ハッピーシンセサイザ」とかですかね。僕、まったく踊れないんですけど、「踊ってみた」の動画を観るのが好きで。HoneyWorksっていう音楽ユニットも好きなんですけど、「金曜日のおはよう」とかも当時めっちゃ流行ってましたし。あと、『カゲロウプロジェクト』が流行ってたので、そこからどんどんVOCALOIDにハマってく、みたいな感じでしたね。

ヤングスキニー ゴンザレス(撮影=三橋優美子)

──ギターを始めたのは、どのような経緯からだったのでしょうか?

ゴンザレス:ヤングスキニーを結成する半年前ぐらいの、2020年の年明け頃からコロナが流行り出して、大学とかバイトに行けなくなっちゃったんですよね。親が昔バンドやっていてレスポールが家にあったので、「じゃあ、これをきっかけにちょっとやろうかな」っていう感じで始めたんですけど、身近にバンドを組める友達もいなくて。で、インターネットで探した時に、たまたまかやゆーのバンドメンバーの募集が出てきて、それで声をかけてみました。

──かやゆーさんと初めて対面で会った時のことは覚えていますか?

ゴンザレス:めっちゃイケメンだなって、それに尽きますよね。あと、気さくだなって。当時、僕はギターを始めたてだったんですけど、かやゆーは人間的に合うような楽しくバンドができる人材を探してたっていうところで、たまたまお互いの希望が噛み合って僕が入ったって感じだったと思います。

──ご自宅に、Guns N' RosesやFoo Fightersのグッズがたくさんありますが、洋楽のロックとの出会いはいつ頃だったのでしょうか?

ゴンザレス:大学の時にゲームセンターでバイトしてたんですけど、そこの店長が昔からめっちゃ洋楽好きで、超詳しいんですよね。今でも新曲のギターのフレーズを考える時に、「こういう感じの曲調なんですけど、洋楽で聴いておいたほうがいい曲ってないですかね?」って聞くと、プレイリストにして送ってくれるんですよ。その方にGuns N' RosesとかFoo Fightersを教えてもらって。この二組は、バンドを組んでギターを始めてからどんどんハマっていきました。

ヤングスキニー ゴンザレス(撮影=三橋優美子)

ヤングスキニー ゴンザレス(撮影=三橋優美子)

──バンドを始めてからの約5年間の中で、ご自身にとって一番大きなターニングポイントってどこだと思いますか?

ゴンザレス:一時期、バンドと就活を同時にやってたんですけど、内定をもらった状態でバンドをやってる時期があったんです。その時にはある程度バンドが軌道に乗ってはいたんですけど、じゃあこれを職にすることが自分の人生を長い目で見た時に、果たしてプラスになるのかどうかっていうのは、当時は判断できなくて。一応どちらの選択肢も取れるようにしていました。かやゆーは割と人生どうにかなるだろうってスタンスですけど、しおん君は結構考えるタイプではあるので、しおん君と話したりとかして。自分の気持ち的なところで、後悔しない選択をしたいなと……その時に、就職じゃなくて「バンドをやる」選択をした時は覚悟が入りましたし、何かひとつに踏み切ってやるっていう意味では、その判断がターニングポイントだったかなと。

 もちろん後悔はないですし、ターニングポイントとは言いつつ、別にそこまで考え込んで迷った感じでもないんですよね。長い目で見たら、ヤングスキニーとしてバンド活動をする経験のほうがプラスになると思って。普通の就職だったら、30代前半ぐらいまでだったらどうにかなるかなって僕は思ってますし。もしこのバンドがすぐに終わっちゃったとしても、こういう経験値を持ってる人ってあんまりいないじゃないですか。こっちを続けたほうが、どうなろうと絶対プラスになるなって。

──お話を聞いていると、ゴンザレスさんのロジカルな思考がすごく伝わってきます。

ゴンザレス:感情論があんまり好きじゃないんですよ。

──しおんさんも似たタイプですか?

ゴンザレス:しおん君は、ロジックもありますけど、割と感情と半々な感じ。かやゆーは、感情っていうか本能に従って生きてるタイプ。で、りょうと君もだいたいそんな感じです。僕がロジックな考え方に寄りすぎてる感じがあるので。

ヤングスキニー ゴンザレス(撮影=三橋優美子)

──かやゆーさんに一番大きなターニングポイントを聞いたら、まず「ヤングスキニーを結成したこと」自体が一番大きなターニングポイントとおっしゃっていました。あえて次のターニングポイントを挙げるとしたら、最初に炎上したことだと。

ゴンザレス:めっちゃ大変だったんですよ。今でこそ、それがブランディングになってますけど。そもそも一般的に、炎上ってめんどいしよくないんすよね。問題があって、世間が怒ってるわけじゃないですか。僕は基本的に自分の面倒は自分で見るほうがいいと思ってるし、そういうのって誰かにとやかく言われて治るもんじゃないじゃないですか。だから、自分は最終的な防衛ラインになれればいいなと思ってるんですけど。ただ、最初の炎上の時は、さすがにそろそろかやゆーと話したほうがいいんじゃねってことになって家に行ったんですけど、部屋にいなくて。その時、かやゆー、江ノ島に逃げてたんですよ、「いや、お前マジ逃げんなよ」っていうLINEを送りつつ、普通に鍵が開いてたんでそのまま家に入って、じゃあ部屋片付けとくかって……で、そのまま帰るみたいな。

──優しいですね。

ゴンザレス:まあでも、最近では炎上の仕方も一応エンタメでギリ昇華できるかなっていう範囲のものが多くなってきているんで。彼の中でも多分そこの線引きは昔よりできてるんじゃないかなと思いますね。

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