C&K、「相思相愛」が繋いだ『天文館探偵物語』と地元・鹿児島の縁 王道から外れてこそ近づく“夢”を語る

ライブマナーへのこだわり、大阪万博を経た“2人組フェス”開催の野望
――セットリストについては毎回違う部分があると思いますが、ハイライトのひとつとして、2024年のツアーから続けて披露されている「ひっちゃかめっちゃか」(未音源化)がありますね。メロディは民謡風だけれどどこの地方の民謡かわからない、日本全国に汎用性がありそうな、すごく面白い曲だなと思います。
KEEN :あの曲は初めて来た人でもなんとなく踊って参加できるでしょ。阿波踊りでもなんでも合いますからね。
CLIEVY:みんなの地元の踊りで盛り上がってもらえればいいなとは思ってますね。

――あの曲だけは基本的に、オーディエンスがステージに上がってもセーフという雰囲気があって。あの“踊らにゃ損”感のある演出も含めて、インパクトがありますよね。
KEEN:“祭り”がキーワードですかね。通りがかりの祭りに出くわして、自分もその輪に入っちゃったみたいな感じで、特に日本ならではのリズムであれば曲を全然知らなくてもみんながノれるじゃないですか。
CLIEVY:当初はDJ TAKEの誘導でお客さんが席を離れていいことにしてあったんですけど、何度か来たことがある人はあの曲のイントロで走ってきちゃう人もいたりして、その人の欲深さが出ちゃったりしますね。みんなが決められた席で見るというルールが一瞬甘くなる曲なんですが、自分たちを律しつつ暗黙のルールの範囲内で楽しんでもらえるのが理想的だなと思っていて。会場ごとに使用ルールが違う部分もあるのでそこは周知しながら、「皆さんだったらどういうふうに行動しますか?」っていうような問いを毎公演で投げかけていますね。僕らも客席に降りるんですけど、お客さんがマイクに触ってきて僕が怪我したことがあったので、お客さんが通路を塞いでしまっているところに関しては、僕はもう行かないって決めたんです。
KEEN:危ないですから、お互いに気をつけましょうと。
CLIEVY:そう。「遊び場を楽しくしたりそれをキープしていくには、一人ひとりの行動が試されるんだ」と僕はこれまでも口を酸っぱくして言ってきているので、ライブに参加する人たちの意識が育ったらいいなという曲でもありますね。
――お客さんがサークルを作って踊る「踊LOCCA~around the world 新たなる冒険~」もそうですが、ライブ参加のマナーやカルチャーを育てる、みたいな意図があるんですね。このツアーが12月の大阪・オリックス劇場で終わり、来年4月の初の大阪城ホール公演にストーリーが繋がっていきそうな予感もあります。ツアーの話からは逸れますが、今年各地のフェスを賑わせた中でも大阪万博での『OSAKA MUSIC LOVER EXPO ARENA 2025』はすごく評判が良くて、SNSでも反響の大きさを感じました。
KEEN:共演したコブクロさんが僕らをお気に召してくれたみたいで、僕らのキャッチフレーズ“期待の新人18年目”をステージで言ってくれたり、これからも一緒のフェスに出る予定があるんですよ。
CLIEVY:このフェスを経て、ツアーとはまた違った野望が生まれましてね、“2人組フェス”をやるっていう。一発目はやっぱりコブクロさんやゆずさんとC&Kでやりたいなと思ってて。スペシャルゲストでCHAGE and ASKAさんっていうのが理想なんですけど。
CLIEVY:誰が一番素敵な2人組かというのをお客さんに決めてもらおうっていうね。そのアイデアに乗ってもらえるかどうかが微妙なところなんですけど。それで、話に乗ってもらえなかったら「2人組として負けたという表明になりますけどいいですね?」って煽るように仕向けていこうかなとは思ってるんですけど(笑)。どうせやるなら、僕らを認識していなさそうな人たちに挑んでいくスタイルがいいかなと思いますね。
KEEN:(笑)。我らこそが最強の2人組だと。


――今は大人数のグループ全盛で、2人組のユニットは少ないですからね。万博のフェスでは主にコブクロさんのファンの方々がSNSですごく話題にしてくださっていた印象で「大阪城ホールでやるんだったら行こうかな」という方もいたようなので、最高のPRになっていたと思います。
KEEN:ありがたい機会でしたね。動員数もめちゃくちゃ多かったですから。僕らのことを知らない人だらけのアウェーな現場が、僕らにとっては一番嬉しい。
CLIEVY:いつも以上にフリースタイルの部分に時間をかけて丁寧にやったので、そういうところをたまたま面白がってくれる人が多かったのかな。コブクロのお二人の関係性と僕らの関係性に、近しいものを感じてくれたのかもしれないですよね。あと、まったく関係なく「万博に来たから、ついでにライブ見ていくか」と参加してくれた人も意外と多くて、「初めて知ったけどC&Kめっちゃ良かったわ!」みたいな反応も多くて、すごく良かったですね。



















