ZIPANG OPERA、メンバー卒業乗り越えた先で見せる“成熟と挑戦” 新たな一歩を踏み出す新体制初EPを語る

ZIPANG OPERAが約1年ぶりとなる新作EP『Ambition』を11月5日にリリースする。デビューから4年、そして5月に3人体制となってから初めての作品だ。それぞれが俳優・シンガー・表現者として活動を重ねてきた佐藤流司、福澤侑、spiの3人が新たなフェーズで見せるのは“成熟と挑戦”の姿。
これまで「和(ZIPANG)」を意識して曲作りを行ってきたが、新作は「OPERA」にフォーカスし、艶やかで大人の色気に満ちた一枚に仕上がっている。さらに新体制初のライブ『、ZIPANG OPERA Live 2025 ~Ambition~』も控える彼らに、EP発売と5年目の心境について語りあってもらった。
個人の活動が多い中で感じる、心之介卒業の実感


――早いものでデビューから4年が経過しました。今のご心境はいかがですか。
福澤侑(以下、福澤):最近でいうと3人体制になったのは大きな変化でしたね。
佐藤流司(以下、佐藤):今の形になってから、まだ『ACTORS☆LEAGUE in Dance 2025』の1回しかライブできてないんですよ。だから正直まだ実感できてない部分もあるのかも。
spi:あの時は今までよりもステージを広く使えるようになって、実感を伴って「違うな」と感じたね。
福澤:僕はちょうど今、過去音源3人バージョンをレコーディングしているので、その作業のなかで実感が湧いてきました。

――制作面でも心之介さんが卒業して変わった部分があったのでは?
佐藤:制作に関してはspiくんと心(之介)が担ってくれていた部分が多かったので、新作ではspiくんの比重が大きくなっていて……。
spi:そこに関してはね、若干クレームを入れましたけど(笑)。
福澤:ただ、もともとZIPANG OPERAは毎日メンバーと一緒にいるというよりも各自で動いているグループですから。これまでと大きく変わったという感じでもない気がします。
「Ambition」に重なる今の3人の姿
――そんな新しい流れのなかで、新作EP『Ambition』はどのように制作されたのでしょう?
佐藤:メンバーが全員30代になったということで、最初は「若々しい雰囲気より大人の色気を出そう」というイメージがありました。
福澤:僕らが持っているセクシーな面を発揮できる楽曲が揃ったのかなと思います。特に「Magnetic Eyes」と「Itʼs All Mine」についてはメンバー主導で作らせてもらったこともあり、より気合が入った内容です。

――「Get Over」でもプロデュースを担当された、YU-GさんとSHIBUさんによるタイトル曲に関してはいかがですか。
spi:これまでは「日本のカルチャー尊び、唯一無二のパフォーマンスを創造する」というテーマのもと、グループ名の「ZIPANG」という和の部分にフォーカスした活動をしてきました。
でも本作では「OPERA」の部分を強調しているので、この曲ではピアノやストリングスを主体に新しめのシンセの音を混ぜてます。あとはAメロ→Bメロ→サビではなく、同じセクションが二度と来ない構成になっているのもポイント。今っぽさを感じてもらえるはずです。
佐藤:音が繊細に作りこまれているので、こちらは全力でぶつかるだけでした。
福澤:個人的にはspi兄の“語り”が入る冒頭が気に入ってます。
spi:「大事な今を捨ててでも前に進まなくちゃいけない時がくる。人生はその連続だ」という内容の歌詞が僕たちに重なるんですよ。
佐藤:歌劇っぽいニュアンスはありつつ、我々の強みであるラップや力強さが入ることで自分たちらしい曲に仕上がった気がしますね。強いて言えば〈磨いてダイヤ光るかの Gamble〉は難しかったです。
――シックで辛口な仕上がりになっているMVについてはいかがでしょう?
福澤:黒ベースにシルバーを散りばめた衣装で、大人な雰囲気の世界観がEPのテーマとハマってますよね。撮影は色々な所をロケしながら1日で全部録ったので大変でしたが、カメラが回る前から「どんな映像になるんだろう?」とワクワクでした。ただ、終わった人から順番に帰っていくなか、僕は最後まで残っていたので取り残された感がありましたけど(笑)。
spi:これまでライブの映像演出をお手掛けていた佐々木章介さんが、今回も初めてMV監督を務めてくれました。彼には信頼を置いてます。CGやクオリティ、カメラのピントが少しの怖さもありつつビビッド。さらに「過去を捨てて進む」という歌っている内容を階段やドアというメタファーをしっかり作品の世界観を踏まえてくれていました。
spiの背中を押した佐藤流司の言葉

――「大人のZIPANG OPERA」というテーマでいうと、「Itʼs All Mine」は遊び心もあって洒落ているなと思いました。
福澤:この曲は制作が楽しかったですね。トラックを作る段階からスタジオでメンバーと遊び感覚で、ノリで花火の音を入れたりしてます(笑)。ライブを想像しながら形にしたので、パーティなどでかけて盛り上がってもらえたら。

――女性目線のリリックはspiさんによるものですね。
spi:制作時間が全然なかったんですよ。さらに「自分の人生に基づいた歌詞」の書き方がわからなくて……。全然イメージが湧かなかったので、ずっと流司に相談してました。そうしたら「まず歌詞の視点を決めたらいい」とか「こういうアーティストの曲を参考にするといいよ」と色々アドバイスをくれて。助かりましたね。
佐藤:マキシマム ザ ホルモンの音源とかを送った記憶があります。彼らって英語と日本語のハメ方が天才的じゃないですか。それが参考になるかなと。
spi:「こうした方がいい」というようなことは一度も言わないんですよ。「いいんじゃない?」と背中を押してくれたんです。そんななかで理解できたのは「自分はフィクション作家なんだ」ということ。だからフィクションで作り上げたストーリーに、みんなの人生と共鳴する部分を散りばめたらいいのかもしれないと考えて作っていきました。
佐藤:結果ぶっ飛んだものができましたね。結構な量の英語を日本語に混ぜながら韻を踏む感じは真似できないなと思います。あと内容も味わい深い。語尾や内容は女性的ですけど、共感できる部分があってストレスなく歌えました。



















