ヤングスキニー Road to 日本武道館 Vol.1:かやゆー「どこまでもモテたい」 一貫した原動力、飾らない“リアル”の正体

ヤングスキニー連載取材:かやゆー

炎上で見えたヤングスキニーの色、バンドを続ける理由

――2020年の春に大学に入って、8月にSNSを通して募ったメンバーとともにヤングスキニーを結成しました。この約5年を振り返って、ご自身にとって最も大きなターニングポイントとなった出来事は何でしょうか? バンドにとってのターニングポイントでもいいですし、一個人としてのターニングポイントでもいいです。

かやゆー:バンドを組んだことが人生にとって一番のターニングポイントなんですけど、それを除いて考えたら、良くも悪くも、最初に配信者に晒されたことじゃないですかね。それがあったから、逆にヤングスキニーとしての色がついたかなとは思います。でも、僕自身、別に純粋な曲とかを歌ってるつもりはないし、自分自身が遊んでることを隠してるつもりもない。遊んでないふりして遊んでるほうがダサいし、信憑性ないと思いますから。それまでも隠してるつもりはなかったけど、1回そんだけ晒されちゃったら、こっちも別に隠すこともないから。そういうのもあって、ヤングスキニーとしての色が確立されたかなと思います。

 でも、さすがに最初の時は病みましたよ。めっちゃエゴサするんですけど、さすがにアンチとかきすぎて病んで、2〜3週間ぐらいメンバーのLINEをずっと無視してました。江の島に逃げてる間に、ゴンちゃん(ゴンザレス/Gt)が俺の家に来てて。で、俺、家の鍵かけてなかったからゴンちゃんが家の中入ってて、家帰ったらめっちゃ家が綺麗になってたっていう。ゴンちゃんがただ俺の家を掃除して帰ってたんですよ、そんなこともありました。

かやゆー(撮影=はぎひさこ)

――何回も炎上したら、そのまま活動を止めたり、ペースを落としたりする人が多いと思いますが、逆にかやゆーさんの場合はそうした状況をしなやかにヤングスキニーのブランディングに繋げていったように見えます。もちろん、大変なこともたくさんあったと思いますが、渦中ではどのような未来を見据えていたのでしょうか。

かやゆー:いや、なんも考えてないです。やっぱ、女の子が好きでバンドやってますから。

――モテたい、みたいな。

かやゆー:うん。それでバンド辞めたら、結局女の子にモテないっていう。別に、そのまま何も考えずに続けてたら、こうなりました。

――過去のほかのインタビューなどでも繰り返し語られていますが、やはり「モテたい」という想いが恐ろしいまでに一貫している、ということなんですね。

かやゆー:そうですね。彼女も、マジで数カ月前ぐらいに別れて。

――4月リリースの「関白宣言」のMVに出演されていた方ですよね。

かやゆー:はい。付き合ってる間って、何もやる気がわかないんすよね。その時期も、なんとか頑張ってSNSを動かそうと思ってたんですけど、あくまでも「頑張って」っていう気持ちでしか動かすことができなくて。なんでかって言うと、その時期はあんまり「女の子にモテたい」と思わなかったから。やっぱり、「女の子にモテたい」と思わないと何もできない。別れてから、TikTokとかも頑張ろうと思わずとも自然と毎日更新してますし。それからInstagramのフォロワーが、付き合う前に11万ぐらいだったのが、付き合ってから更新しなくなって9.9ぐらいまで減っていて、でも別れてから毎日載せるようになったら一気に12.4万ぐらいまで増えて。「モテたい」っていうのが巡り巡って、今こんな感じになってますね。

@kayayuuuuuuu

 

♬ オリジナル楽曲 - かやゆー

――「モテたい」のが原動力というか。

かやゆー:そうですね。モテたいと思えないと、終わっちゃうなと思いました。彼女がいて、そのこともちゃんと伝えて、なんならMVまで出して、別れたら、逆に遊んでる歌とか出して、みたいな感じになったら聴いてる側もリアルっていうか、信憑性が増しますよね。逆に、付き合ってるのに遊んでる曲を出してたら「どういうこと?」みたいになるし。逆に、遊んでんのにすっげえ純粋な曲出したら、それもそれで「どういうこと!」ってなるから。そういう意味で、僕は狙ってるとかじゃなく、リアル、現実のことしか書けない。第三者的に見れば、こういう生き方してるがゆえに曲のリアリティが増すのかなとは思います。

――いつも思いますが、かやゆーさんは自分のことを俯瞰して見ているというか、客観視している感じがします。

かやゆー:なんも考えてないですよ。もう本当に、今しか見てないから。今も、犬の散歩しながら思ったんすよ。犬も、前しか見てなくて。うちの犬ってずっと走ってるんですけど、犬と一緒で、俺も前しか見てないなと思いました。前っていうか、本当に目の前。ジョッキーが、馬の鼻先にぶら下げる人参みたいな。こんだけしたらもうモテきった、とかないから。どこまでもモテたいです。

ミミ(撮影=はぎひさこ)

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