Devil ANTHEM.、新メンバー加入で見えた変化の肯定と“今”を超える力 『a story beyond』制作の想いに迫る

デビアン、メンバー加入で見えた変化の肯定

「from again」が導いたそれぞれの再出発、進化を刻む11周年ツアーへ

ーーアルバムに先駆けて配信された4曲目「from again」は、PassCoceでお馴染みの平地孝次さんの提供楽曲です。

竹越:私がアイドルになりたての頃から、PassCodeさんは本当にすごい存在で。同じライブに出たら、フロアではお客さんの上を人が転がっているし、アイドルなのに大きく足を開いてワーってシャウトしたりしていて、「なんだこの世界は!?」って超感動したんです。PassCodeさんの楽曲はデビアンの中でめちゃくちゃ流行ったし、みんなでシャウトの真似をするくらい青春だったので、そのPassCodeさんの楽曲を作られている平地さんから楽曲提供していただけたのは本当に嬉しかったです。私、PassCodeさんの「オレンジ」という曲が本当に好きで、よくレッスンやライブが終わってひとりになった時にこの曲を聴いて、しんみりモードに浸ったりしていたんですけど、初めて「from again」を聴いたときに「オレンジ」と似たようなエモさを感じて。自分のアイドルの歴史とか「こういう気持ちで今まで頑張ってきた」という思いまで含めて、平地さんの音楽で自分の初心を呼び戻してもらったような気がしています。

ーーそれくらい刺さったと。

竹越:はい! ちょっと自意識過剰なんですけど、この曲を最初に聴いた時からイントロのところと落ちサビを自分がソロでスポットライトを浴びて歌っている光景を勝手に想像しちゃって(笑)。それを絶対に叶えたいと思って、めちゃくちゃ意気込んでレコーディングに臨みました。デビアンの歌割りって曲が完成してからメンバーに知らされるんですけど、イントロと落ちサビに誰の歌が採用されるかわからないまま歌って、あとで完成した音源を歌割りを確認せずに聴いたら……「私だ! 超大切にしよう!」と思ったし、平地さんの音楽で自分の歌が認められた気がして心の底から嬉しかったです。

Devil ANTHEM./「from again」2025.9.21 LIVE ver.

ーー塩崎さん、矢吹さんはいかがでしたか?

塩崎:歌ってみるとすごく難しくて、サビもキーが高いし「自分に出せるかな?」と心配だったんですけど、練習を重ねていく中で〈弱い自分も認めてから/わかることもあるの/それが真実だよ〉という歌詞がすごく響くようになりました。アイドルになってからは自分の弱いところとか今まで避けてきた自分とも対峙して、そういうコンプレックスを直すというよりは「こういう自分がいるから、こうするほうがいいよね」っていう感じで打開してきたから、「この歌詞は自分なら伝えられるかも」と思ったらレコーディングの時もすごく感情が乗っていたみたいで。実際、自分のパートに決まったことで「これからライブを通じて、私が誰かの背中を押すように届けるんだ。そのためにも、もっと自分はしっかりしなきゃ!」と思いましたし、この曲のイントロが流れたらきっと急に背筋が伸びて、「音に負けないように魂で歌うぞ!」と歌うんだろうなっていう、大切な曲になりました。

矢吹:私、歌に対して苦手意識が強くて、レコーディングでも緊張して声を震わせながら歌って自分が思うようにできないまま終わってしまったんです。でも、完成した曲を聴くとそのできなかったときのことを思い出して、「もっと頑張らなくちゃ」っていつも思うんです。特に、めいさちゃんが歌っている〈弱い自分も認めてから/わかることもあるの/それが真実だよ〉っていうフレーズがすごく好きで、ライブでそこをめいさちゃんが歌っていると、いつもジーンとします。

竹越:あと、「from again」の歌詞はプロデューサーの佐藤さんが書いているんですけど、昔はよく「佐藤さんの書く歌詞って、意味がよくわかんないよね」って言ってたんですよ(笑)。でも、私たちが大人になってから書いてくれる歌詞は、どんどんストレートな表現になっている。私たちも思春期とか反抗期を経て、トゲがどんどんなくなって丸くなっていっていると思うんですけど、佐藤さんも一緒に丸くなっている感じが、特にこの歌詞から伝わってきて、佐藤さんの歌詞を歌える私たちでよかったなって思います。

ーーそして、11月2日からはこのアルバムを携えた全国ツアー『Devil ANTHEM. 11th Anniversary TOUR 2025 「a story beyond」』もスタート。この1年いかにして頑張ってきたのか、その成果を見せる場になるのかなと思います。

竹越:アイドルって完成された完璧な姿じゃなくて、完璧になろうとする姿がむしろ完璧というか、それこそが応援しがいのあるものだと思うんです。2人は今も、私たちと比べて足りないものばかり気にして頑張ってくれているんですけど、むしろそうあってくれることが“2人の正解”という気がしていて。この1年、本当にみんなすごく頑張ったと思うので、そういう覚悟とか決意を持った、成長した姿を見せられたらいいなと思います。

Devil ANTHEM.(撮影=三橋優美子)

■リリース情報
フルアルバム『a story beyond』
2025年10月22日(水)リリース
価格:3,000円(税込)/NCS-10323

<収録曲/クレジット>
M1.a story beyond
作詞・作曲:IMAKISASA 編曲:AILI
M2.雷鳴
作詞・作曲:IMAKISASA 編曲:小川裕太郎(Wee's)
M3.Unleash
作詞・作曲・編曲:阿坂亮平
M4.from again
作詞:Kaito Satoh 作曲・編曲:Koji Hirachi
M5.Dive to Summer
作詞・作曲:山下智輝 編曲:蜜柑拉麺
M6.Bang! Bang! Galaxy
作詞・作曲:IMAKISASA 編曲:ツカダタカシゲ(Wee's)
M7.Singin'
作詞・作曲:IMAKISASA 編曲:Relect
M8.DCB
作詞・作曲・編曲:ヤマモトショウ
M9.REBUILD
作詞・作曲:山下智輝 編曲:蜜柑拉麺
M10.手紙
作詞・作曲・編曲:山下智輝

■ツアー情報
『Devil ANTHEM. 11th Anniversary TOUR 2025 a story beyond』
・2025年11月2日(日)
名古屋DIAMOND HALL
・2025年11月3日(月・祝)
山口RISING HALL
・2025年11月9日(日)
北海道小樽GOLD STONE
・2025年12月7日(日)
大阪GORILLA HALL
・2025年12月14日(日)
仙台MACANA
・2025年12月29日(月)
KT Zepp Yokohama

■関連リンク
オフィシャルHP:https://devilanthem.net/
オフィシャルYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/DevilANTHEM
オフィシャルX(旧Twitter):https://x.com/devilanthem
オフィシャルTikTok:https://www.tiktok.com/@devilanthem._official

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