S.COUPSとMINGYU、スキルが積み上げた多彩な引き出し 進化の作品――CxM (SEVENTEEN)『HYPE VIBES』徹底解説

SEVENTEENのS.COUPSとMINGYUが新ユニット・CxM (SEVENTEEN)を結成し、9月29日に1stミニアルバム『HYPE VIBES』をリリースした。
SEVENTEENは、13人のメンバー全員での活動にとどまらず、各メンバーがそれぞれ有している高いパフォーマンススキルや多彩な個性、豊かな音楽性を活かしたユニット活動をここ最近は活発に行ってきた。VOCAL TEAM、HIPHOP TEAM、PERFORMANCE TEAMという3つのレギュラーユニットを軸としながら、13人で自由自在にスペシャルユニットを立ち上げ、さまざまな化学反応を起こしてリスナーを驚かせてきた。
代表的なユニットとしては、LEADERSやBSS、HxW (SEVENTEEN)、JxW (SEVENTEEN)が挙げられる。LEADERSは、先述のレギュラーユニットでリーダーを務めているメンバーが集まったユニット。総括リーダーとHIPHOP TEAMのリーダーであるS.COUPS、PERFORMANCE TEAMのリーダーであるHOSHI、VOCAL TEAMのリーダーであるWOOZIで結成され、「CHANGE UP」や「CHEERS」といった楽曲を発表してきた。
BSSはSEUNGKWAN、DK、HOSHIからなる、明るくポジティブなエネルギーに満ちたパフォーマンスが魅力的なユニット。HxW (SEVENTEEN)は、練習生の頃から切磋琢磨してきた同い年のメンバーであるHOSHIとWOOZIで結成されたスペシャルユニットで、太陽と月のように個性や魅力が対照的ながら、高い表現力とプロデュース力を持つふたりのクールかつパワフルな魅力に溢れている。JxW (SEVENTEEN)はJEONGHANとWONWOOによるスペシャルユニットで、2024年6月に1stシングルアルバム『THIS MAN』をリリース。ふたりの歌声が光る同作は、幻想的なコンセプトが印象的で、JEONGHANとWONWOOが楽曲の物語をパフォーマンスで見事に表現する姿には、強く惹きつけられる。
そして、新たに今回生まれたのが、HIPHOP TEAMのメンバーであるS.COUPSとMINGYUによるCxM (SEVENTEEN)である。S.COUPSは、一度聴いたら耳に残る太くて迫力のあるパワフルなラップと、あたたかみを宿す歌声のギャップが大きな魅力である。MINGYUは、少しハスキーな方向性の声が特徴で、甘い雰囲気の漂うボーカルと高い歌唱力を持つ。HIPHOP TEAMでありながらも歌唱パートを担当することも多いメンバーだ。

そんなふたりが初めてタッグを組むと聞き、筆者は重厚感ある攻撃的なHIPHOP曲やメロディアスなサウンドのなかで次々とラップが展開される楽曲が生まれることを予想していた。だが、その予想はいい意味で裏切られた。リリースされた『HYPE VIBES』は全6曲を通じて、S.COUPSとMINGYUの肩の力が抜けた自然体な表現を楽しめる作品に仕上がっているのだ。HIPHOPからロック、ディスコサウンド、イージーリスニング、EDMまで、さまざまなジャンルを行き来しながら、彼らのラップ、ボーカル、音楽的センス、楽曲制作力を存分に堪能できる作品に仕上がった。

タイトル曲「5, 4, 3 (Pretty woman)(feat.Lay Bankz)」は、誰もが一度は聴いたことのあるロイ・オービソン「Oh, Pretty Woman」をインターポレーションした楽曲。心が弾むようなポジティブなエネルギーを持った楽曲で、S.COUPSの鋭い切れ味のある声とMINGYUの甘い声が調和し、何度も聴きたくなる引力がある。ディスコやビーチで楽し気に踊るふたりの姿が収められたMVも極上の作品だ。
「Fiesta」は曲の随所に散りばめられたフルートの音色が印象的な、ダークなラテン調の楽曲。クールかつセクシーなラップと歌声が響く、中毒性の高い楽曲となっている。3曲目に収録された「Worth it」は、アンニュイな雰囲気の漂う都会的なHIPHOPチューン。音楽番組のステージでは、曲のリズムを軽やかに乗りこなしたクールなダンスパフォーマンスでも注目を集めた。
一方、メロディアスな楽曲もしっかり収められている。「Foy you」は「誰でも僕たちの友達(=homies)になれる」というメッセージをイージーリスニングサウンドで表現したポップソング。刻まれるリズムと穏やかに流れるメロディ、そこに乗るS.COUPSとMINGYUのボーカル、そしてラップが心地好く響き、思わず体が動いてしまう不思議な魅力を兼ね備えている。5曲目に収められた「Young again」は叙情的なギターの音色と背後で存在感を放つドラムサウンドが印象的なロックベースの楽曲だ。「二度と戻らない青春の瞬間を後悔することなく楽しもう」というメッセージが歌われる。少し切ない雰囲気も、そのノスタルジックさが込められた想いの意味を増幅させていく。
作品のラストを飾るのは、広い大地を駆け抜けているかのような壮大かつ疾走感のあるサウンドが広がる「Earth」。EDMサウンドを背景にふたりの伸びやかなボーカルが際立ち、心が洗われるような気高い雰囲気のある楽曲で『HYPE VIBES』は締め括られる。
今作の全曲を聴き通してみると、S.COUPSとMINGYUがいかに多彩なスキルと音楽的な引き出しを持ったアーティストなのかをあらためて実感する。現に、オリコン週間音楽ランキング「オリコン週間合算アルバムランキング」(2025/10/13付)で1位を獲得。CDアルバムも初週10.3万枚を売り上げ、ゴールドディスクに認定された。これによって同日付「オリコン週間アルバムランキング」の1位に初登場し、2冠を獲得している。Billboard JAPAN週間アルバムセールスチャート「Top Albums Sales」でも、10.7万枚以上を売り上げて首位に君臨。タイトル曲「5, 4, 3 (Pretty woman)(feat. Lay Bankz)」は急上昇ソングチャート「Hot Shot Songs」で5位にランクインするなど、日本のチャートでも躍動を見せている。彼らふたりの力が合わさることで、実現できる楽曲やパフォーマンスの可能性はさらに広がり、今後もジャンルの垣根を越えて、さまざまなカラーの楽曲が生み出されていく――。そんな予感をも覚える。
SEVENTEENは今年デビュー10周年を迎え、韓国・仁川での公演を皮切りにワールドツアーを開催中。現在はそのアメリカ公演が行われており、11月から12月にかけては日本公演『SEVENTEEN WORLD TOUR [NEW_] IN JAPAN』がバンテリンドーム ナゴヤと京セラドーム大阪、東京ドーム、みずほPayPayドーム福岡で開催される予定だ。ユニット活動を通じてさまざまな音楽表現に挑戦し、スキルや経験を高めながら、常に進化を続けているSEVENTEEN。2025年も残りわずかとなったが、その活躍はきっと2026年にも続いていくのだ。
■リリース情報
CxM 1st Mini Album『HYPE VIBES』
発売中
配信URL:https://seventeen.lnk.to/cxm_hypevibes_jWE
・buddy Ver.:HYBJ-05062/3,300円(税込)
・combi Ver.:HYBJ-05063/3,300円(税込)
・COMPACT Ver.(3種ランダム):HYBJ-05065/2,090円(税込)
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