友希、i☆Risとソロの狭間で揺れた想い 一度諦めたシンガーソングライターの夢ーー念願の1stアルバムに詰め込んだ情熱

友希、ソロ活動にかける想い

友希としての“輪”をもっと広げていきたい

ーー海外でのコライトや黒木さんの起用が顕著ですけど、友希さんはシンガーソングライターでありつつも、他者のアイデアを積極的に取り入れていく柔軟さがありますよね。

友希:最初は他の方にかかわっていただくことに対して、「私1人じゃできないみたいだな」と思って躊躇していたところもあったんですよ。変なプライドがあったというか。でも、自分にはない他の方の良さをいただくことで、想像の何倍にもいい仕上がりになることを知って。その気づき以降は、いろんな方と一緒に楽曲を作ることが本当に楽しくなって。自分のスタイルはこっちなんだなって強く思うようになりました。私は1人っ子なので、やっぱり孤独が嫌いなんでしょうね(笑)。グループとして長く活動できているのも居心地がいいからなんだと思う。ソロのシンガーソングライターだからといって、孤独にやるのがかっこいいってわけじゃないなって今はすごく思います。

ーー「THIS IS ME」や「遺言」に加え、自身への音楽愛をあらためて提示する「コイウタ」や、母親への感謝を紡いだ「ママになりたい」など、友希さんの今の思いが強く注がれた楽曲が多数収録される一方、キュートな側面が垣間見える「カフェラテ」「カプチーノ」といったラブソングも収録されてもいます。そのバランスもすごくいいなと思いました。

友希:「カフェラテ」は友希として最初に作り上げた思い入れの強い曲だし、ファンからもすごく人気が高いんですよ。1stアルバムは自分にとっての名刺になる作品にしたかったので、「ライブに来るならこれは絶対聴いとけ!」的な意味合いで入れることにしました。で、そんな「カフェラテ」人気にあやかって、同じ主人公で続きを書いたのが「カプチーノ」なんですよ。コーヒーシリーズですね。

ーーこういったラブソングはご自身の中でストーリーを想像して作っていくんですか?

友希:そうです。「カフェラテ」は友達の経験談を元に、そこからさらに妄想を膨らませて書きました。お酒が飲めない主人公っていう部分に関しては、私自身を活かしてたりはするんですけどね。「カプチーノ」もそういう感じで書いてます。ちょっぴり危ない男の人に振り回されてる仕上がりになっちゃいましたけど(笑)。

ーーそれもフィクションってことですもんね。

友希:そうそう。ぶっちゃけラブソングってムズイなっていう感覚もあるんですよ。アイドルもやっている立場からすると、ゴリゴリのラブソングはちょっと書きにくい部分があるというか。「これは私の経験で」とか言えないじゃないですか(笑)。そこは他のシンガーソングライダーにはない悩みかなって思うんですよね。

ーーあー確かにそうかもしれないですね。

友希:ただ、実際問題、私はずっとアイドルをやってきたので恋愛経験が足りていないんですよ(笑)。もっと若い頃にお酒飲みまくって遊ぶみたいな経験をしておいたほうが、シンガソングライターとしては深みが出たんじゃないかなっていう思いもあって。まあそこはもうどうしようもないので、これまでに培ってきた妄想力全開で書いてますね。あ、でも「カプチーノ」で〈夜遊びも火遊びも/知らないから傷ついてみたい〉って書いたのは、ずっとおりこうちゃんで生きてきた私だから書けたところかもしれない(笑)。

友希

ーーそして、アルバムのラストを飾るのは、ライブでのハッピーな光景を想起させる「WA!」。これはファンの方と一緒に作り上げられたそうですね。

友希:以前、i☆Risの「愛 for you!」という曲で、メンバー全員で作詞をしたことがあって。そのときはメンバーからいろんなワードをもらって、私とリーダーの山北早紀でまとめて1曲にしたんです。そのやり方をソロでもやってみたいなと思い、今回はファンのみなさんから歌詞になりそうなワードをいっぱい送っていただいたんです。テーマは、“ライブでの楽しさ”。そこで“輪”というワードを送ってくれた方がいて、その響きと意味合いがすごくいいなと思ったので、タイトルにもしたんですよね。ここから友希としての“輪”をもっと広げていきたいという思いがこもった曲になりました。

ーーファンの方の声も使われていますよね。

友希:そうなんです。合宿見学に来てくれた選ばれし8人のファンの方に私がレクチャーして声を録らせてもらいました。いつもライブではめちゃくちゃ大きい声を出してくれる方々なんですけど、練習のときは全然声が出てなかったんですよ。「あれ、どうしちゃったのかな」と思ってたら、本番では最高の声を出してくれていて。みんな本番に強いタイプだったみたいです(笑)。今ツアー中なんですけど、この曲では毎回、とんでもない盛り上がりを見せていますね。

ーー今お話があったように、友希さんは11月まで続くツアーの真っ最中。手ごたえはいかがですか?

友希:地方での公演は全部1人で回ってるんですよ。機材のセッティングからバラシまで自分でやるし、マニュピュレーターとして音を出すのも私。ライブ中はもちろん自分で楽器を弾きながら歌ってますし。去年初めてそういう形でのツアーを経験して、そのときは本当に必死だったんですけど、今回は少し地に足がついた感じがするというか。だからなのか、そんな私の姿を見て、「かっこいいね」「全然アイドルじゃないね」って言ってくれている人がたくさんいるんですよね。それが私としては本当に嬉しくて。いい意味で等身大の、飾っていない自分の姿を見てもらえるツアーになっているので、すごく楽しいし、手ごたえも感じていますね。

ーーツアーファイナルは11月1日のKT Zepp Yokohamaですね。

友希:ファイナルはバンド編成になるので、曲のアレンジやセットリストも変わってくると思います。照明もめちゃくちゃかっこよくなるので、演出も含めて楽しんでもらえたら嬉しいですね。

ーー友希さんはアルバムリリースの翌日、30歳の誕生日を迎えます。そのことを踏まえ、ここから先の未来にはどんな思いを持っていますか?

友希:今までの私は、20代でしっかり頑張って、30代はちょっと休息を取りながらゆったり幸せに過ごせていけたらなと思っていたんですよ。でも、今回のアルバムを作ってみたら、やりたいことがどんどん溢れてくるようになって。「あれ、30代もまだまだやれることあるな。もっとやりたいな」っていう気持ちになっているんですよね。「やっぱり自分は音楽がないとムリだな」って気持ちもさらに強くなってきたので、ここからはよりわがままに(笑)、自分なりの取捨選択をしながら、友希として一番いいと思える音楽を突き詰めていこうと思っています!

■リリース情報
友希 1st ALUBM『Main Dish』
2025年10月29日(水)リリース 
https://avex.jp/yuki/discography/

■ライブ情報
『友希 LIVE TOUR 2025 "Main Dish"』
※終了分は割愛

10月25日(土)
[昼の部]開場14:00/開演14:30 [夜の部]開場17:30/開演18:00
会場:DRUM SON【福岡】

11月1日(土)
開場17:15/開演18:00
会場:KT Zepp Yokohama【神奈川】

受付対象席種:
●9/6東京~10/25福岡公演 スタンディング 8,000円(税込)
●11/1神奈川公演 全席指定 8,800円(税込)
※未就学児童は入場不可
※入場時ドリンク代別途必要
※開場開演時間が変更となる場合がございます。予めご了承下さい。

チケットの申し込みはこちら!!
・ローチケ https://l-tike.com/yuki-wakai/
・イープラス https://eplus.jp/yuki_wakai/
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/yuki-tour2025/

HP:https://avex.jp/yuki/
X:https://x.com/iRis_w_yuki
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