新着MVランキング:timeleszが示す新たな“らしさ” 「Steal The Show」は幅広いリスナーに届く作品に
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。10月3日〜10月9日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:Snow Man「TRUE LOVE」MV
2位:BE:FIRST「Stare In Wonder」Dance Performance
3位:米津玄師「IRIS OUT」劇場版『チェンソーマン レゼ篇』オープニングムービー
4位:ORANGE RANGE「イケナイ太陽」MV
5位:timelesz 「Steal The Show」MV
6位:ILLIT「Magnetic」THE FIRST TAKE
7位:ピノキオピー「愛属性 feat. 初音ミク」MV
8位:BE:FIRST「Stare In Wonder」Lyric Video
9位:DECO*27「マシュマロ feat. 初音ミク」MV
10位:スピッツ「灯を護る」MV
今週取り上げるのは、timeleszの「Steal The Show」。timeleszが新体制となって以降初となるCDシングルとして、11月にリリースを控えた新曲だ(シングルは両A面となっていて、「レシピ」も収録される)。「Steal The Show」は歌唱やラップの見せ所がたっぷりと用意されたメロディアスなEDMチューン。トレンドを巧みに取り入れるというよりは、高揚感の中に幅広いリスナーが親しめるようなポップさを加えた、timeleszらしい1曲といえよう。
MVは過剰な演出を控えたメンバーのパフォーマンスにフォーカスした作りで、大きめのシルエットのカラフルなスーツに身を包んだ8人が歌い踊るシーンが大半でフィーチャーされている。たとえば、K-POPなどでお馴染みの作り込まれた世界観や重厚な演出と比較すると、パフォーマンスビデオと言っても差し支えなさそうな潔い作りだ。とはいえそれが見劣りするというわけではなく、エッジーな表現よりも、間口を広げ、一人ひとりが身体を張って楽曲を表現する姿を重視するスタンスが映像にも表れている。
一方、間奏ではTR-808風のカウベルのサウンドとスクラッチが取り入れられた、オールドスクールなエレクトロヒップホップを思わせるアグレッシブなビートが登場。レトロな雰囲気もさることながら、サウンドのキレや高揚感を煽るビルドアップと組み合わさって、現代的な折衷性を感じさせる。もちろんここはダンスパフォーマンスの見せ場にもなっていて、アップテンポなビートとともにダイナミックな身体の動きが強い印象を残す。
こうしたオールドスクールなエレクトロの参照といえば、最近では「Planet Rock」(あるいは「ヨーロッパ特急」)を思わせるリフを引用したaespaの「Supernova」もあったけれど、「Steal The Show」はもっとバキバキ、ダンスパフォーマンス向けにチューンナップされたビート。ビデオのパフォーマンスとあわせて観てこそ真価を発揮する間奏と言えそうだ。
ちなみに同シングルのA面である「レシピ」も、メンバーの松島聡がW主演を務めるドラマ『パパと親父のウチご飯』(テレビ朝日系)の主題歌としてすでに聴くことができる。そちらは軽快でハートウォーミングなバラードで、ある意味「Steal The Show」とは対照的な楽曲だ。とは言え、“間口の広さ”という点ではどちらも合い通じるものがある。こうした開かれた印象がtimeleszの“らしさ”ということになろう。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly
























