aoen、STARGLOW、ONE OR EIGHT、ONSENSE……群雄割拠の新人ボーイズグループ 個性豊かな“コンセプト”がポイントに

多くのボーイズグループが活躍する現在の音楽シーン。直近でも続々と新しいグループが誕生しているが、いずれも独自のコンセプトが際立っているように思う。本稿では、そんな個性豊かなコンセプトが光る新人ボーイズグループを紹介したい。
aoen
まずは、HYBEによる新世代J-POPボーイズグループオーディション番組『応援-HIGH 〜夢のスタートライン〜』(日本テレビ系)から誕生したaoen。優樹(YUJU)、琉楓(RUKA)、雅久(GAKU)、輝(HIKARU)、颯太(SOTA)、京助(KYOSUKE)、礼央(REO)から成る7人組グループで、今年6月にシングル『青い太陽 (The Blue Sun)』でデビューした。
グループ名のaoenには「最も熱い炎の色である青色で世界を満たす情熱の疾走」と「太陽のように明るくみんなを応援するグループ」というふたつの意味があり、青を基調とした世界観に加え、ポジティブなメッセージを込めた楽曲を届けているのが特徴。デビューシングルのリードトラック「青い太陽 (The Blue Sun)」も、ファンキーなリズムに爽快なメロディが重なる、自然と心が前向きになるような楽曲だ。10月15日には、新デジタルシングル「青春インクレディブル」をリリース予定。これからも太陽のようなまぶしい笑顔とともに、明るくエネルギッシュなパフォーマンスを届けてくれることだろう。
ONE OR EIGHT
ONE OR EIGHTは、avexによるグローバルプロジェクトの一環「WARPs DIG」から選出されたYUGA、SOUMA、REIA、TAKERU、RYOTA、TSUBASA、MIZUKIに、NEOを加えた8人で結成。グループ名は慣用句の「一か八か」に由来しており、「BET ON YOURSELF」というタグラインのもと、仲間と夢に向かって一か八かの勝負を仕掛ける姿勢を打ち出している。
昨年8月に「Don’t Tell Nobody」でデビューを果たした彼らだが、その直前の6月に突如公開された「KAWASAKI」のパフォーマンスビデオが話題を集めたことも特筆すべきだ。ラップもダンスも洗練された彼らのパフォーマンスはデビュー前ながらも多くの人の心を掴み、公開からわずか10日でYouTubeの再生数が1000万回を突破。今年8月から9月にかけては、“挑戦のアンセム”と題した「Young & Reckless」、「BET YOUR LIFE」の2作品を2カ月連続リリースしている。挑戦を続けるONE OR EIGHTが、自分たちの力で未来を切り拓いていく姿から目が離せない。
STARGLOW
今年9月に結成されたSTARGLOWは、RUI、TAIKI、KANON、GOICHI、ADAMから成る5人組ダンス&ボーカルグループ。SKY-HI率いるBMSGが、BE:FIRST、MAZZELに次ぐ3つ目のボーイズグループを誕生させるべく行ったオーディション番組『THE LAST PIECE』から誕生した。
SKY-HIは「手が届きそうもない遠い星を追いかけて、いつしか星と同じくらいの輝きを発光できる人たちになってほしい」と語っており、STARGLOWというグループ名には「星のように輝きながら成長する」という意味が込められている。9月22日に配信リリースされたプレデビュー曲「Moonchaser」は、今まさに夢を追いかけている彼らを描いた疾走感のあるナンバーで、同じように大きな目標に向かって頑張っている人にも勇気を与えてくれる。彼らの物語はまだ始まったばかり。これからさらに輝きを増していくであろう5人に期待が高まるばかりだ。
ONSENSE
最後に紹介するのが、6人組メンズグループ・ONSENSEだ。
ONSENSEは、YOAKE entertainment<ヨアケ エンターテイメント>が展開するWeb3テクノロジーを活用したグローバルなエンターテインメントプロジェクトの一環として、2024年9月より開催した『MEN'S YOAKE AUDITION 2024』より選出されたアカリ、エノモト タクヤ、タマムラ ユウ、イデ アツキと、それぞれモデル/俳優として活動するヨシアキ、ウサ タクマの6人によって結成。今年8月に配信シングル「YUAKE」をリリースしてデビューを果たした。
9月6日には、さいたまスーパーアリーナにて開催された『第41回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 AUTUMN/WINTER』にて初パフォーマンスも叶えた。
グループ名は「温泉(ONSEN)」と「センス(SENSE)」を組み合わせた造語。そして、彼らの特徴は“がんばりすぎない、ぬくぬく系メンズグループ”というユニークなコンセプトを掲げている点である。
デビュー曲の『YUAKE』を聴いてみると、彼らの魅力がよく分かる。ケンモチヒデフミが作詞、soundbreakersが作曲を務めた同曲では、他のボーイズグループとは一線を画すアコースティックでチルなサウンド、ゆったりとしたグルーヴ、湯船に浸かるようなSEも相まって、ONSENSEの世界観に一気に引き込んでくれる。出会ったばかりのぎこちない関係性を〈熱めが良い/ぬるめが良い/始めはわからない〉と“温泉”にちなんだ言葉を用いて描きながら、〈同じ場所/同じ時/過ごしたら/きっと通じ合える〉と歌い、サビのラストでは〈仲間と/ここから〉と帰結する。絆を結び、ここから一緒に一歩踏み出すという歌詞は、まさに今のONSENSEを表しているように思う。加えて、“友情”という身近なテーマだからこそ、リスナーも自身の体験と重ねながら聴くことができるだろう。銭湯で撮影されたMVでの、メンバーの和やかな雰囲気も微笑ましい。
さらに曲中では、〈思い通りじゃない/そんな日ばかりでも/胸を張って今日を/超えていきたいんだ〉〈ゆっくりでいい/少しずつ書き足していこう〉といった、前向きな言葉が綴られている。心地よいメロディとメンバーの優しい歌声も、張っていた気持ちを緩ませてくれるようだ。そんなふうに、彼らが「湯気のようにふわりと昇る音楽やテーマで世界の日常を包めたら」という思いのもと、等身大の自分や日々の感情を表現した楽曲は“バスタイムポップス”と称されている。自分を勇気づけるために音楽の力を借りる人も多いと思うが、力強く鼓舞してもらいたいときもあれば、そっと寄り添ってもらいたいときもある。ONSENSEは、どちらかといえば後者だろう。「上手くいかない自分も認めて前に進んでいこう」という自分自身を肯定してくれるメッセージは、誰もが日々の生活に埋没していくような今という時代を的確に捉え、現代社会を生きる多くの人たちに響くはずだ。
“ボーイズグループ戦国時代”などと呼ばれる今、パフォーマンススキルの高いグループが数多く存在するからこそ、グループごとの個性を打ち出していくことが重要になっている。独自のコンセプトが光る新人グループたちの今後の活躍に注目だ。























