SKY-HIが『THE LAST PIECE』で見た夢とは何だったのか? STARGLOW誕生の瞬間――最終審査潜入レポート

8月某日、BMSGの新たなボーイズグループ結成へ向けたオーディション『THE LAST PIECE』の最終審査の収録が行われた。今回リアルサウンドでは、この最終審査に潜入。最終審査から合格者発表までの現場の模様を目の当たりにした。BMSG、3つ目のボーイズグループ誕生の瞬間、そして新たな未来を切り開いた一日をレポートする。
スタジオにスーツ姿のSKY-HIが登場した。観覧席には、BMSG所属アーティストのMAZZEL、REIKO、HANA。そして、ボイストレーナーのりょんりょん先生、なつき先生、まりこ先生、最終審査楽曲のコレオグラフを手掛けたs**t kingzのOguriとNOPPO、トラックメイカーのBANVOXなど、参加者の成長をサポートしてきた面々も集結している。


SKY-HIは、「この世界で最も輝いている、この世界で最も大きな夢を見ている10人に入場してきてもらいましょう」と、最終審査ファイナリストを呼び込む。黒のシックな衣装に身を包み、銀色のオブジェが彩るステージに登場したのは、ADAM、GOICHI、KANON、KANTA、KEI、RAIKI、RUI、TAICHI、TAIKI、YUTAの10人。各々の個性が引き立つヘアメイクを施した姿は、まさにプロのアーティストそのものだ。表情には緊張が滲み出ていたが、合宿中と比べると見違えるほど洗練されている。

ここでSKY-HIが突如「(最終審査のパフォーマンスを)一緒に観てもらいたい人たちがいる」と言い出し、これまでの審査で惜しくも脱落したREN、YU、HAL、ISANA、RYOTO、KEITO、AOI、SHO、KAIRI、COTAがサプライズ登場。参加者たちは驚きの表情を浮かべつつも、仲間との久々の再会に嬉しそうな笑みを零していた。代表してマイクをとったRENは「直前までどういう気持ちで観たらいいかなって思ってたけど、いざ目の前にきてみると本当にかっこよくて。本当に頑張って。応援してます」と瞳を輝かせて力強く声援を送る。


いよいよパフォーマンスへ。最終審査1曲目の課題は、10人全員による「PIECES」。この曲は、SKY-HIに加えて参加者たちも作詞を手掛け、オーディション中の記憶や仲間との思い出を綴った特別な楽曲だ。スタッフが曲の準備をしている間、円陣を組んでアイコンタクトを交わしながら心を一つにする。人生を懸けた大舞台に相当なプレッシャーを感じているはずだが、仲間と手を重ねて咆哮する彼らは、全員少年のような笑顔だったのが印象的だ。そして、まさに思いを届けたい人たちに囲まれながら、運命のステージへ――。



静かなピアノの音色から始まった「PIECES」は、これまでの課題曲にはなかった優しいバラードソング。KANTAとTAICHIが柔らかな声で歌いだすと、その場の空気が一気にあたたかいものに変わる。パワフルなラップが得意なGOICHIも、この曲ではとても繊細に表現。何かを慈しむような表情や仕草で、また新たな顔を覗かせる。ADAMは歌声を完璧な美しさで伸びやかに響かせ、KEIはたったワンフレーズでも伝わる気迫に満ちた声と表情で魅せる。RAIKIとYUTAも溢れるパッションを出し尽くす。KANONのすべてを包み込む深みのある歌声、RUIの圧倒的な存在感とオーラ、そしてTAIKIの昂る感情をそのまま乗せたようなエモーショナルなラップ――。すべてが観る者の心を揺さぶる。曲の最後には再び円陣を組み、「ラストピース!」の合図で床を踏み鳴らし、未来への一歩を力強く踏み出した。



SKY-HIは、曲が終わった瞬間に泣き出しそうな表情で、「『今までの俺が生きてきた人生そのものに意味があったんだよ』って、パフォーマンスに言ってもらえたような気がして」「めちゃくちゃ心にきました」と、これまでにないスケールの言葉で絶賛。合宿で彼らを育てたりょんりょん先生は、「あなたたちの心がかわいくてね、合宿中も誠実で素直ですごく楽しかった。私たちは足元に栄養素を注いだだけ。そしたら勝手にすくすく育って、お花が咲いた」「よく頑張った。幸せにしてくれてありがとう」と、まるで愛に満ちた母親のように微笑みかけた。

続いて、最終審査2曲目の課題となる「Moonchaser」。この曲は、5人×2チームに分かれてパフォーマンスを行う。先攻は、GOICHI、KANTA、RUI、RAIKI、YUTAからなるTeam Space。立ち位置につく彼らの表情に、迷いや不安は一切なく、自信と高揚感がみなぎっているように見える。
「Moonchaser」は、夢に向かって走る彼らの姿を描いた疾走感あふれるナンバー。YUTAは合宿でさらに磨き上げた歌唱力を存分に発揮し、KANTAも抜群の歌唱センスで楽曲の世界を表現。RUIは表情や視線など一つひとつの動きで絶え間なく観客を魅了していく。伸びやかに響くRAIKIのファルセットや、エッジの効いたGOICHIのラップも加わり、見応え抜群だ。オーディションとは思えないほど完成度の高いステージに、一瞬も目が離せない。


『THE LAST PIECE』最後のステージを飾るのは、ADAM、KANON、KEI、TAICHI、TAIKIからなるTeam Cosmos。彼らもまた覚悟を決めた表情でステージに立ち、圧倒的なオーラを放っている。TAICHIのなめらかな歌声と、ADAMの色気を帯びたクールなボーカルが楽曲を美しく彩り、KANONの安定感ある歌声が全体をしっかりと支える。KEIの勢いづいたラップ、そしてTAIKIの魂がこもったパフォーマンスは一瞬で視線を奪う。最後に5人は後ろに向かって走り出し、思い切りジャンプ。まるで月に手を伸ばし、夢を掴み取る瞬間を象徴するような光景は、あまりにも感動的だった。


過去最高のパフォーマンスを見せた両チームに、SKY-HIは「この国で生きてて、今これを観れるところに存在できて、これから先の人生を生きられることが、こんなに嬉しいのと、めちゃくちゃ夢に心がときめいてます。最高の未来を見せてくれてありがとう!」と心からの賛辞を贈る。SKY-HIの人生をも変えるほどの実力を持つ10人のアーティスト。果たして、BMSGの集大成となるボーイズグループのメンバーに選ばれるのは誰なのか――。
























