THE ALFEE、ファンと夢を分かち合った夏 『Circle of The Rainbow』炎天下に負けない熱演を振り返る

高見沢「長くやることが僕らのひとつの夢だったのかな」

アンコールを待つ客席にカラフルなカラカスライトが次々に点滅する。そしてすっかりおなじみとなった「またさきのテーマ」と共に登場したのは、またさきトリオかと思いきや、赤と黒の中華風の衣装をまとった、チャイナタウンからやって来た、またさきトリオの遠い親戚という「わん(桜井)・たん(高見沢)・めん(坂崎)トリオ」。「横浜にちなんだ歌しか歌わない」とのことで、いしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」を3人のスイッチボーカルで、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」を坂崎ボーカルで、青江美奈の「伊勢崎町ブルース」のオープニング部分を桜井が歌って盛り上がったところに、わんさんが「まさるになあれ」と特別な魔法をかけられてハットとマフラーを装着、坂崎がベースを持ち、高見沢がギターを持って、桜井の美声が堪能できる「お前が歌うんかい!! 桜井賢ショー」へ。沢田研二の「勝手にしやがれ」から、横浜での「TOKIO」を艶やかに歌い、「バイバイ」とステージを去っていく。
照明が黒と赤のゴシックな世界へと変わり、シンフォニックなキーボードと重低音とグロウルが響く。メインステージには照明で「DEATH」の文字が浮かび上がり、遂に披露されたのが、坂崎がハンドマイクで歌う新曲の「丁寧言葉Death!」。THE ALFEE流のデスメタルがズシリと響く。ドラムが鳴り響いて「鋼鉄の巨人」へと、そのままメタルの世界へ。炎がふんだんに上がり、イントロ終わりで爆発音が鳴り響き、高見沢は新しいゴジラギターで盛り上げる。サポートメンバーの吉田太郎(Dr)、ただすけ(Key)を紹介し「We are THE ALFEE!」と叫んだ後は、「今年第26回目のみんな大好き『SWEAT & TEARS』」。イントロ終わりと共に銀テープが放たれ、高見沢は移動ステージでセンターへ、坂崎が上手へ、桜井が下手へ。メインステージに集まって炎をバックにそろってギターと頭を振り熱い曲を盛り上げる。曲が終わって5人並んで頭を下げ、アンコールが終了する。
程なくして客電がつき、2度目のアンコールへ。すぐさま高見沢と坂崎の2声のボーカルで始まる「不良少年」へ。そこでしばし高見沢がMC。「いつまでもこの場所で俺たちが歌い続ける決意がメッセージとしてみんなの心に届くように、心を込めて」と、厳かなキーボードのイントロが響く中、高見沢がギターを持たずに移動ステージに上がり、移動しながらスタンドマイクを傾け熱く語りかけるように歌う「終わりなきメッセージ」に。客席には羽の形をしたカードがふわふわと宙を舞い、高見沢がメインステージに戻り、「You can change your mind!」 と叫び曲が終了する。
この曲のインストゥルメンタルが流れる中、再び3人が移動ステージに上がり、固く肩を組み3方向に頭を下げる。ステージは後方までゆっくりと移動し、3人は客席の全方向に手を振る。メインステージは照明で「THE ALFEE」の文字が、客席からはインストに合わせてどこからともなく歌声が湧き上がり、やがてそれが合唱となっていく。美しい歌声が会場を包み込む中、手を高く掲げ3人がステージを後にし、みんなが大好きな夏イベが終了した。
近年増え続けている新規のファン、人生の状況が落ち着いて再び戻ってきたファン、そしてTHE ALFEEと同じく、休むことなく応援し続けてきたファン。たくさんの“THE ALFEE推し”と共に祝った、51周年の夏が終わった。
途中MCで高見沢は夢について触れ、「長くやることが僕らのひとつの夢だったのかな」と語っていた。恒例の秋冬の全国ツアー『Autumn Celebration 2025 HEART OF RAINBOW」「Winter Celebration 2025 HEART OF RAINBOW』が発表され、2025年中にはニューアルバムのリリースも予定。その間には数々のイベントもあり、この後も通常通りの忙しい日々をおくることが決まっているTHE ALFEE。長く活動を続けることがTHE ALFEEの願いならば、1日でも長くTHE ALFEEを“推す”ことがファンの願いだ。双方の“夢”のためにも、改めて3人には健康に留意して、いつまでも元気でいて欲しいと思う。


























