横山裕「俺とあなたで最高な人生歩んでいこう!」ーーまっすぐな生き様、愛と感謝を届けた『ROCK TO YOU』

SUPER EIGHTの横山裕が、ライブツアー『ROCK TO YOU LIVE TOUR』を開催し、9月17日の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演でファイナルを迎えた。
1年限定のソロプロジェクト『ROCK TO YOU』は”武者修行”と銘打ち、さまざまな挑戦をしている横山。今回のライブは6月に発売されたソロアルバム『ROCK TO YOU』を携え、7月の東京公演から11都市21公演を巡った全国ツアーとなった。本稿では、9月16日公演の模様をレポートする。
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スタンディングのライブハウス特有の熱気に包まれ、開演を待ち侘びるオーディエンス。定刻になるとステージを覆う白幕に、さまざまな表情をした横山と“ROCK TO YOU”の文字が映し出される。オープニングムービーの最後にツアーロゴとギターを持った横山のシルエットが浮かび上がると、生バンドの迫力ある音が鳴り響いたーー。第一声、横山は「今日は俺たちロックしにきました、ただロックの定義がわかりません!」とシャウト。「俺さ、まじで今日が最高やったって思えるライブがやりたいんよ! 俺がやるって言ったらやるからさ! 全力でかかって来いよ!」と煽ると激しいギターのイントロが鳴り響き、ライブが開幕した。
1曲目は「ロックスター」。〈君の前ではロックスターでいたいんだよ〉と、オーディエンスに自らの想いをストレートにぶつけると、客席の熱気も横山の想いに応えるように徐々に上がっていく。続いての「HERO」では「まだまだこんなもんじゃないっすよね?」とハンドクラップを煽り、観客を引き込んでいく。
分厚いサウンドでライブを支えるバンドのメンバー紹介を経て、「40超えてギター始めちゃいました! ギター始めて、なんかロック目指してます!」とあらためて自己紹介。芸名の「横山“裕”の“YOU”」、本名の「横山“侯”隆の“キミ”」、どちらにも“あなた”がいるとして、「“あなた”にロックを届けに来ました!」と叫んだ。そんなメッセージが込められた「存在意義」では、ハンドクラップにのせて客席を見渡しながら歌い出す。歌詞に描かれた「あなた」という言葉がまさしくこの日のオーディエンスを指すことを示し、一人ひとりへメッセージを届けていくと、会場のボルテージはますます上がっていく。

MCでは、ツアーの無事完走、『24時間テレビ48』(日本テレビ系)のマラソン完走、「そしてあなたの幸せに!」と乾杯し、水分補給。週末に控える渋谷すばるとの対バンライブや、ドラマ出演、アンバサダー就任と、怒涛の日々を過ごしている横山は、前日もアクションシーンを含むドラマ撮影をしていた、と過密なスケジュールを明かすと会場中が驚きの声に包まれた。
続いてはSUPER EIGHTのメンバー安田章大による作曲「kicyu」。最近ファルセットが出づらいと明かし、その部分の歌唱をファンに託すと、観客もすぐに順応しレスポンス。キュートな振り付けも相まって、あたたかい空気感に会場が包まれてライブが作り上げられていった。同じく安田による作曲の「cHocoレート」は今回のプロジェクト用に新しくアレンジされたものだ。メロディアスなポップロックは、歌詞の世界観をそのままにキュートな表情を見せてパフォーマンスしていた。
ギターのイントロが流れ、「何が正しいかわからない時代」とそれぞれの困難を抱えている聴き手に対し、「まずは自分を信じる。自分を信じないと人を信じれん。自分を信じたら人を信じられるようになるから。そうしたら人が助けてくれたり、寄ってくる。俺とあなたでそんなかっこいい人生にしていこうや」とメッセージを残し、歌われたのは「ど真ん中」。泥臭くも力強い歌詞は、横山本人の生き方によって裏打ちされ、これ以上ない説得力をもってオーディエンスに伝播していく。今回のライブを象徴するような一曲だったように思う。さらに熱さとユーモアあふれるコール&レスポンスで会場を盛り上げ、疾走感あふれるストレートなロックナンバー「黄金期」で前向きなメッセージを表現。続く「ポインセチア」では、ここまでとはひと味違う味わい深いボーカルで歌詞の世界を展開していき、彼の表現力の幅広さを感じさせたブロックとなった。
次に、渋谷すばるとのコラボで話題の「繋がる」を披露するにあたって、渋谷がグループを脱退した際のエピソードを語った。「もう彼が脱退して8年経つ。8年前の記者会見の残像が忘れられない」と明かし、「めちゃくちゃ悲しかったし、あいつの門出やのに真っ先に泣いちゃってさ……」とその様子をファニーに再現すると、小さな笑いが巻き起こる。すると「おい、笑ったな(笑)! でもさ、笑えてるのが最高なんですよ。8年前なら笑えてない。でも今は笑えてる。それって俺たちが今生きてる未来が最高だから」と愛おし気に告げる。「あいつの男の決断のおかげで、俺ギターを持ててると思うねん。繋がるんや」と感慨深げな様子だ。そして歌詞を引用しつつ「最終的に花丸にしたらいいって、マジで思ってる。だから俺とあいつは繋がれてる。もちろん俺とあなたも繋がってる」とメッセージを贈り、楽曲がスタート。赤と白の激しいライティングの中、バックスクリーンには横山の熱唱する表情と共にMVの印象的なシーンがところどころ差し込まれ、それぞれの歩みを肯定した、友情と音楽への愛が奏でる温度の高いパフォーマンスとなった。
後輩との絆、そして後輩たちへのエールを語ってから歌われたAぇ! groupのカバー曲「神様のバカヤロー」、オーディエンスがひとつとなったシンガロングと「俺とあなたで最高な人生歩んでいこう!」と熱いメッセージによってエモーショナルな幸福感に包まれた「プライド」と続き、ライブ本編はいよいよ最後の曲へ。






















