SARUKANI、3人体制で新たなフィールドへ “ビートボックスに甘えない”独自のバランスで音楽シーンに挑む

SARUKANI、3人体制で再スタート

K-POP、アニソン、インターネットヒップホップ……SARUKANIがいま注目する音楽

――今、みなさんが注目している音楽やカルチャーを教えてもらえますか?

Kohey:最近は特にK-POPのサウンド面に注目しています。というのも、最近のK-POPって以前に比べて大ヒットになる曲の数自体は減ってきている印象があるんですけど、それでもコンスタントにバイラルヒットが生まれ続けていますよね。それはやっぱりサウンドのクオリティが高いことも理由にあると思うので研究しています。あとはアニソンですね。海外の音楽は音質だったり、歌詞の語感が突出してすごい一方で、アニソンは音楽の構造や技術的な部分、歌詞の意味の深さが発達している。だからどっちもいいとこ取りがしたいなと思って、両方勉強しています。

SARUKANI インタビュー写真(撮影=加古伸弥)

RUSY:もともと僕がK-POP好きでKoheyに布教していたのがきっかけで、彼とK-POPについて話すことが増えて。楽曲のクオリティも高いし、歌唱力もあるし、それに加えてビジュアルも表現力もある。今の時代、K-POPのブランディング力に勝るものはなかなかないんじゃないかなと。僕が可愛い系のポップスを聴くようになったのは、ゲーム音楽が好きだったからなのですが、自分の好みと今のK-POPのキャッチーな感覚がすごくフィットしています。

SARUKANI インタビュー写真(撮影=加古伸弥)

KAJI:僕は日本のインターネットヒップホップに注目しています。具体的にはlilbesh ramkoくん、ピーナッツくん、PAS TASTA、Peterparker69ですね。彼らは令和の時代のエネルギーを気取らずに表現しているというか、等身大のエネルギーをそのまま音楽にしている印象があるんですよ。僕は昔からそういったアーティストの音楽にものすごく惹かれるし、心に響くんですよね。

SARUKANI インタビュー写真(撮影=加古伸弥)

ーーそういった個人的な音楽の好みが現在のSARUKANIの音楽にも影響を与えているのでしょうか?

Kohey:少なからず影響はありますが、最近は、自分の好きなものだけを押し付けず、この3人で表現するとしたら、何が一番効果的なのかをみんなで俯瞰して考えている感じですね。なので、個人的な「好き」と、SARUKANIとして「やるべきこと」は分けて考えるというか、「SARUKANIがこれやったらすごいことになるよね」っていう音楽を3人でとことん追求しています。

KAJI:今はまだ僕たちがどういう人間かを世間に知ってもらわないといけないフェーズだと思うんです。まずは「SARUKANIの音楽やライブはこんな感じで楽しいよ」ということを知っていただく必要があると思っていて。だから、「実はこんなのも好きだよ、こんなのもできるんだよ」っていうアプローチは、自分たちの自己紹介が完全に終わった後にやるべきことかなと思っています。

ーーそこが今後、SARUKANIが目指す「次のステージ」ですか?

RUSY:そうですね。そのためにも今はまず音楽シーンに対して、自己紹介させていただきたいと思っていますし、「ZUN CHA」はそのための曲という感じです。

Kohey:実際、3人体制の1曲目が「ZUN CHA」になったことは、めちゃくちゃいいことだと思っているんですよ。「楽しく踊ろう」というコンセプトは、ある意味中身は空っぽでもいいから、まずはそこから始めるという意味合いがあるので。そこからアーティスト活動を続けていく中でどんどん曲数を増やしていき、メロディやコード、歌詞のメッセージ性なども高めていけたらなと。

 あとは例えば、来年2月のZepp DiverCity(TOKYO)でのワンマン公演に向けて、自分たちが思ったことや、その後どうなったかみたいなことを発信していくことでも段階的に僕らのアーティストとしてのストーリーを積み重ねていけると考えています。曲を通して音楽アーティストとして好きになってもらい、ライブではどのアーティストよりも生のビートボックスサウンドを交えたパフォーマンスで驚きと感動を与えたい。それが今、僕がSARUKANIとしてやっていきたいことですね。

KAJI:僕としては、そういうスタンスのKoheyについていくだけです。やりたいことを言ってもらえれば、それに合わせて何でも協力します(笑)。

SARUKANI インタビュー写真(撮影=加古伸弥)

――改めて今後、ファンや後進のビートボクサーにどんな姿を見せていきたいですか?

Kohey:今挑戦している音楽シーンの頂点、具体的にはストリーミングのチャートだったり、あらゆる音楽チャートの1位を獲ってみたいです。

RUSY:ビートボクサーのみならず、人々に夢を与えられる存在になりたいです。それと僕らのルーツはやっぱりビートボックスなんですよ。だから、今、音楽シーンに挑んではいるけどそこは忘れないようにしたいなっていう意識は強いし、変わらずに自分たちの武器にしていきたいと思っています。

KAJI:僕らがすごくかっこいい先輩から受け継いだものを若いビートボクサーたちに伝えていきたいです。そして、その先輩たちにも自分たちが今やっていることを「かっこいいやん!」と言ってもらえたらベストかな。

 あと、音楽シーンに挑戦することで、もしかしたら僕らがビートボックスシーンから一時的に距離を置いたように見えることがあるかもしれません。でも、日本のビートボックスシーンの動向は常にチェックしてますし、僕らのスタンスでビートボックスシーンのためにできる活動もあると思っています。だから、決してビートボックスのことを忘れていると思わないでほしいということも伝えたいですね。

SARUKANI「ZUN CHA」ジャケット写真
「ZUN CHA」

■リリース情報
デジタルシングル「ZUN CHA」
2025年8月20日(水)リリース
Pre-add/Pre-save:https://orcd.co/zuncha

■ライブ情報
『SARUKANI ONE MAN LIVE 2026』
2026年2月20日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 18:00/START 19:00

<チケット>
1階スタンディング ¥6,500(税込/1drink別)
2階席 ¥8,000(税込/1drink別)
学割(1階スタンディング)¥4,000(税込/1drink別)
※高校生以下。入場時要身分証確認。
1階スタンディングVIP(リハ見学/終演後フォトセッション&お見送り/*特別グッズ付)¥15,000(税込/1drink別)
2階席VIP(リハ見学/終演後フォトセッション&お見送り/*特別グッズ付) ¥16,500(税込/1drink別)

■関連リンク
Official HP:https://sarukani.net/
YouTube:https://www.youtube.com/SARUKANI
TikTok:https://www.tiktok.com/@sarukanibeatbox
Instagram:https://www.instagram.com/sarukanibeatbox/
X(旧Twitter):https://twitter.com/SarukaniBeatbox

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる