SARUKANI、ビートボックスの面白さを観客と共有 ソロやタッグ、DJからフリースタイルまで詰め込んだ2nd JAPAN TOUR

SARUKANI、2ndジャパンツアーレポ

 日本を代表するヒューマンビートボクサーのSO-SOを中心にRUSY、KAJI、Koheyの4人で結成されたSARUKANIが7月14日、Zepp DiverCity(TOKYO)で『SARUKANI 2nd JAPAN TOUR 2023 "IROHANIHOHETO"』東京公演をおこなった。

 全国7都市を巡る本ツアーは、コロナ禍で難しかった声出しの完全解禁、スマホでの撮影OK、各都市に縁のある豪華ゲスト出演も見どころ。10月に日本で開催されるヒューマンビートボックスの世界大会『Grand Beatbox Battle(GBB)』に2年連続で出演、さらにゴスペラーズ「XvoiceZ feat. SARUKANI」に客演するなど、界隈でも注目される彼らがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。盛り上がるビートボックスシーンの熱さをそのまま投影するような、本公演を以下にレポートする。

 フロアに集まったオーディエンスにとって待ちに待った東京公演、しかも公式に声出し&撮影可とアナウンスされたライブということで期待が高まっていることがうかがえた。

 SEとして「The Weapon of Beatbox」が流れ、メンバーたちがステージイン。声援が上がるなか悠々と登場した4人、その佇まいからはステージへの気力は十分といったオーラが漂う。

 KAJIが「最後まで盛り上がっていけますか?」と煽って、人気曲「SARUKANI WARS」で正式な人力演奏がスタート。圧巻のソロパートも聴かせ、次の「RICEBALL ROLLING」では人間の声から出ていると普通は思わないであろう帯域の低音が腰にぶつかる。音を上に放り投げて戻すようなトリックも個々のスキルの高さが伝わった。

 「4人から出る音だけで楽しんでいきましょう」と告げ、EDMを始め多様な打ち込みサイレンの音を再現する「SIREN FIGHT」。続いてKAJI単独による「SCORPION」、KoheyとRUSYのタッグ・HUSKEYによる「Chops & Roll」、SO-SOとKAJIのタッグ・WILDCARD GUYSによる「BASS MAN Ⅱ」と序盤とは違う見せ方にもトライ。

 振り付けの説明を挟んでから「BEATBOX JANKEN」は、エレクトロにしか聴こえないサウンドで、会場中をじゃんけんで巻き込みながらパフォーマンスされた。ここで流された映像はKAJIが制作したもの。Z世代のマルチタスクな一面を見せつける。

 ここでMC。「我々のワンマンもいよいよZeppですよ」とSO-SOが切り出した。続いて客席を見て「すごく景色がきれい」と感激するKAJIに、「久々に東京に帰ってきた。嬉しい」と嬉しそうなKohey。先ほどまでの骨太なサウンドとはまた違う、わちゃわちゃした感じが微笑ましい。

 そして韓国からのゲストであるHissが登場。ひとつのループを提示し、それにフィルターをかけたような効果、ベースをブースト、といった順番でビルドアップさせていく。キレのいいスネアの音と、低音を聴かせたEDMのドロップを駆使するスタイルで盛り上げた。

 演奏後はSARUKANIとのトークセッションも。Hissが好きな食べ物がラーメンだとわかると、一同は大興奮で「これから食べに行こう!」と盛り上がった。なお日本で行きたい場所は京都、この日のオーディエンスについては「超クレイジーで好き!」とのこと。

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