龍宮城の第2章はここから始まる! 7人が背負う使命と自ら切り開く未来、新体制第1弾「OSHIBAI」を語り尽くす

龍宮城がセルフプロデュース体制に突入し、新体制第1弾となる新曲「OSHIBAI」をリリースした。リアルサウンドでは、メンバー全員へインタビュー。第1章を振り返りながら、ここから始まる第2章について、セルフプロデュースについて、そして自分たちの“音楽”について、語ってもらった。今最もオルタナティブに向き合い、究極のオルタナティブな個性を手にした龍宮城――。彼らの本当の物語は、ここから始まるのだ。(編集部)
「音楽が人生」――言葉の意味を知った第1章


――今年の5月28日リリースのシングル『WALTZ』から、龍宮城の第2章が始まりました。第2章の話を伺う前に、まずは第1章について聞かせてください。第1章はグループ結成から始まり、日本武道館公演『裏島』まで、さまざまな作品ができ、さまざまな出来事がありました。そのなかで、それぞれが新たに掴んだものを教えてください。
KENT:音楽活動をするにあたって、歌とダンスのスキルアップはしていかないといけないのですが、自分はこの2年間で、スキルアップよりも大切なことは自分の人間性を高めることだと学びました。それが結果的に歌やダンスがうまくなることへの近道でもあると気づいたので、今でも人間性を磨けるように、人としていろんなことを経験できるように、新しいことにチャレンジしたり、努力をずっと続けています。
――人間性を磨くことが大切だと気づいたのには、何かきっかけがあったんですか?
KENT:龍宮城に入って、中学生から高校生になって。その間に、いろんな部分が大人になっていって。変声期で声が思うように出せないとか、その変化で悩むことがすごく多かったんです。でも、アヴちゃん先生から「大切なのは、うまくやることじゃない」ということを教えてもらって。それが自分にすごく響いていたんじゃないかなと思います。
S:僕は龍宮城になるまでは、「音楽は娯楽だ」という意識がすごく強かったんです。「歌うことが好き」「音楽を聴くことが好き」というだけだった。だけど、自分がアーティストという立場になってから、音楽は人生の一部になりました。正直それまでは「音楽が人生」と言っている人がいるとちょっと疑っていたんですけど、実際にアヴちゃん先生と一緒に濃い2年間を過ごして、「こういうことなんだ!」とちょっとずつわかってきました。
――楽しいだけじゃないというか。
S:はい。この7人で苦楽をともにして、僕たちを繋いでくれているものも、やっぱり音楽だなと思いました。
冨田侑暉:僕は、自分に問いかけることが多くなりました。アヴちゃん先生が書いてくださった楽曲って、すごく強くて。自分が今まで生きてきた感情の細かいところまで思い出して掘り返さないと、戦えなかったんです。そういう音楽の向き合い方を2年間やってきて、「自分ってどんな存在なんだろう?」と考えたり、自分の長所や短所を一から見つめ直すことが増えたなと思います。
――とはいえ、自分の短所にも向き合うのはしんどいことですよね。
冨田:そうですね。向き合うことで落ち込む時もありますけど、表現者としてステージに立つうえで、それは避けては通れない道。いろいろな方に音楽を届けるには、どの感情も知っておかないといけないと思う。表現者としてステージに立つということは、そういう責任があるということだから。怖がらずに向き合うということを第一に心得ています。
Ray:僕は龍宮城というグループが好きなのはもちろんなんですけど、人生において必要不可欠な存在になりました。大好きなメンバーと一緒に舞台に立ってライブをして、音楽を届けるということがすごく好きで、それをできていることが幸せだな、と。できる限り、これを続けたいなと、この2年で強く思いました。


――どんどん好きになっていったきっかけは何かあったのでしょうか?
Ray:ライブのたびに毎回思います。振り返ると「もっとできたな」と思うことももちろんあるんですけど、それがあればあるほど成長できている証拠だと思うし。その時にいちばんいいと思えるライブをして、それを1年後、2年後に思い返した時に「今のほうがすごいな」と思えることが誇りになるのかなって。
齋木春空:僕はオーディションを受ける前は、音楽が特別好きだったわけではないんです。どちらかと言うと興味がなかったほうかも。だけど、オーディションでまわりの人の熱を感じていくうちに音楽の素晴らしさを知っていって。今では街を歩く時に音楽がないと「何か物足りないな」「音楽ほしいな」と思うくらい、音楽が生き甲斐になりました。
KEIGO:僕は、ライブや日常で発信する言葉や表現が持つ責任感、使命感を強く感じるようになったなと思います。同時に、龍宮城でオルタナティブな音楽をすることで、自分が自分らしく生きられているというか。明らかに龍宮城になる前よりも生きやすくなったなと思っています。
――使命感や責任感はどうして感じるようになったのでしょうか?
KEIGO:自分はもともと音楽が好きで、音楽に助けてもらったり、元気をもらったりしてきたんです。だから音楽の持つ力というものを、心のどこかに大きなものとして感じていたんだと思います。
――それでいて、使命感を感じながら自分らしさを共存させられるのってすごいですね。
KEIGO:そう思えるのも、やっぱり龍宮城だからだと思います。メンバーも、支えてくださる方たちもそうなんですけど、チャレンジするということをやめない、何かに対して躊躇しない人たちが集まっているんですよね。だから、恥ずかしさとか劣等感を感じないでいられるんです。いいグループです。
ITARU:自分は、この2年間で考え方が変わったと思います。こうやって活動していると、自分のいいところも悪いところも、全部が目に見えるようにわかる。だから、自分がどう考えてどう行動していくかを考えることができるようになりました。それはいちばん成長できたところだと思います。


――先ほど冨田さんにも聞きましたが、自分の弱点に向き合うのってしんどくないですか?
ITARU:(無言で何度も頷く)小さい頃から僕はサッカーをやっていて、学生時代は自分のいいところだけを見せようとしていました。だけど、龍宮城は自分の弱点も見せられる場所なんです。だから、ちゃんと向き合えるようになったというか。みんなで一緒に成長していけている感じがします。
――今、おひとりずつの成長や変化について伺いましたが、グループとしての変化についても聞かせてください。この2年間で7人の気持ちがひとつになった瞬間や、グループとして考え方が変わったきっかけなどは何かありますか?
冨田:全員が悔しい思いをした出来事があって。一昨年ある大きなイベントに出させていただいたのですが、それが僕らにとって初めての大きなイベント出演だったんです。そこで、ほかのアーティストさんとの実力の差を大きく感じて。「行くぞ!」「行けるぞ!」という気持ちで挑んだものの、全員が意気消沈してステージから帰ってきて……。そこで初めて「これから龍宮城をどうしていくべきか」を全員で腹を割って話し合いました。
ITARU:大きなフェスやイベントに出させていただくということは、僕たちからすると新しい方にも音楽を届けられるチャンスですが、観る方にとっては比べる対象がいるということで。そのなかで、自分たちの世界観や強みをどう出していくのかを、みんなで考えるきっかけになりましたね。
――そこで、グループとして目指していくのはどういうものだという答えが出たのでしょうか?
Ray:ひとつは、「わかりやすく見せていこう」という答えですね。「オルタナティブ歌謡舞踊集団」ってパッと言われても、簡単には理解できないじゃないですか。それをどう示すのか――そのためには、ライブでファンの方とコミュニケーションを取ったり、僕らがどういう存在なのかということを音楽と一緒にちゃんと伝えていくべきで。そのやり方はまだ模索中なんですけど、まずはちゃんと考えるようになりました。



















