Re:name「最高の景色です、ありがとう!」――『GENIUS FOOL』ツアー東京追加公演で刻んだ熱狂と余韻

Re:name『GENIUS FOOL』東京追加公演レポ

 フィンガースナップに導かれ、高木が切々と歌い上げる「sea u again」、まるで生き急ぐような4つ打ちキックに再び会場がハンドクラップに包まれた「AM」と繋げた後は、Somaによるインプロビゼーションからお馴染みのギターリフへ。「一緒に踊る準備はできていますか?」と高木が呼びかけ、The Stone RosesやPrimal Screamあたりを彷彿とさせるような、アシッドロック調の「What Do You Wanna Know?」へ。強靭なダンスビートに体を委ねていると、「もっともっと、本気の東京が観たい! まだまだいけますか?」とさらに高木が煽り、まるでバンド全体が巨大な生き物になったような怒涛のエンディングへ。この日最初のピークを迎えた。

高木一成(Vo)(撮影=稲垣ルリコ)

Soma(Gt)(撮影=稲垣ルリコ)

ヤマケン(Dr)(撮影=稲垣ルリコ)

 ソリッドなギターカッティングに合わせ、オーディエンス全員でジャンプした「People」、ミニマルかつ幾何学的なアンサンブルが切ないメロディを際立たせる「i'm in two」と続け、ヤマケンのドラムソロを挟んで「Vague (feat. 可不)」へ。エフェクト加工したボーカルが、抑揚たっぷりのメロディを歌い上げる。さらに、90年代グランジ~オルタナのエッセンスを散りばめた「Future There」、エレクトロビートやシンセベースを大胆にフィーチャーした「TOY」と、曲ごとに全く違う表情を見せるRe:nameの振り幅の大きさに、ただただ驚かされるばかりだ。

 ここからライブはラストスパートへ。The 1975あたりを彷彿とさせるエレクトロポップな「KISS ME HONEY」では、オーディエンスの熱量をじわじわと上げていき、「prettyfine :)」では高木がステージ狭しと歩き回りながら、オーディエンス一人ひとりに語りかけるように歌う。そして、〈離れていたって今日だって/君の味方でいよう〉と、まるでファンへの想いを綴るような歌詞の「24/7」では、タイトルをオーディエンスと一緒に歌って再び一体感を高め、「最高の景色です、ありがとう!」と高木が叫んで「Happy End Roll」を演奏し本編を終了した。

Re:name(撮影=稲垣ルリコ)

 鳴り止まぬアンコールに応えて再び登場した4人は、どこまでも駆け上がっていくサビのメロディが印象的な「Swingboat」、1分強という潔い尺のロックチューン「Here's to Us」を畳みかけ、この日のライブに幕を下ろした。アルバム『GENIUS FOOL』ツアー追加公演と、シングル「KISS ME HONEY」「I've」のリリースをもって『Genius Boy's Project』を終えたRe:name。アンコールのMCで高木が「何かが終われば、何かが始まる?」と語っていたように、ライブ終了後には『GENIUS FOOL (DELUXE)』のデジタルリリースと、8月16日21時に“重大発表”があることをティザームービーでほのめかしていた。

 Re:nameの「新章」は、一体どのような展開を見せるのか。今後も目が離せない。

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