稲垣吾郎&草彅剛&香取慎吾に訪れた“再会”というご褒美 中森明菜、Number_i、斉藤和義……交差する物語

 別々の道を歩んできた人生が、再び交差する奇跡。“再会”とは、ただの偶然ではなく、歩みを止めずに生きてきた者だけに訪れる“ご褒美”なのかもしれない。そんな思いが胸に広がったのは、8月5日放送の特番『上沼&香取の「ずっと伝えたかった」』(フジテレビ系)を観たときだった。

上沼恵美子との再タッグで叶った、末っ子・香取慎吾との“再会”

 上沼恵美子と香取慎吾がMCを務め、浅野ゆう子、井上芳雄、天童よしみ、そして上沼自身の「ずっと会いたかった」という人を大捜索。幼い頃、家族のように迎え入れてくれたお隣さん。阪神・淡路大震災の際、すぐさま家族を助け出してくれた恩人。言葉も通じない海外留学先で親しくしてくれた初めての友人。青春を彩った初恋の相手。そして「今まで出会った中でいちばん大好きで、いちばん尊敬していて、いちばんの人格者」と断言できる憧れの人――。

 「悲しいとき、寂しいとき、支えてくれた人は忘れられない」。そんな言葉も番組内で聞こえてきた。人生に光を灯してくれる人は、総じて当たり前のようにそれをやってのける。あまりにもさり気ないため、感謝を伝えきれないことも少なくない。

 その人に恥じないように生きよう。いつか会ったときに「おかげさまで」と言える自分でいたい。そのとき受け取った愛情や幸せな気持ちは、その場限りではなく、その後の人生までも律してくれる。それだけ大きなものをもらったのだという感謝が、どれほど人を強くさせるのか。「生きていてよかったとはこのこと」と、積年の思いが叶う形で実現した再会に、こちらの胸まで震えた。

 番組収録後、上沼は「やっぱりあるんですよね、歳月の重みという感動が」とコメント(※1)。考えてみれば、この番組そのものが上沼と香取の“再会”でもある。2人は2024年12月放送の『星になったスターたち』(フジテレビ系)で初タッグを組んだ。上沼との再共演について、香取は「僕は案外、こういう特番をやっても、2回目、3回目が続かないことが多いんですよ。だから今回お声がけいただいたとき、『おお、やったー!』って素直に喜んじゃいました」と語っていたのが印象的だった。

 チャキチャキと歯に衣着せぬ物言いでスタジオを盛り上げる上沼を、さり気なくフォローしながら、ときには自ら笑いを取りに行く“攻め”も見せる香取。その絶妙な掛け合いを見ていると、『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ系)で見られる萩本欽一と香取の親子のようなやりとりが思い出される。幼い頃からテレビの世界で育ってきた香取。その“末っ子”の顔が見られるのも、大ベテランとのタッグだからこそ生まれる、もうひとつの“再会“なのかもしれない。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる