Re:name、耳を掴んで離さない“ユニークなポップネス” インディシーンで進化を遂げて10周年、広がり続ける音楽性

Re:name、ユニークなポップネス

 大阪発の3ピースバンド Re:nameが、結成10周年の記念日である3月25日にニューアルバム『1626』をリリースする。同日には大阪城音楽堂でのフリーライブも開催され、バンドにとって大事な節目を刻むことになる。5月からはバンド史上初となる東名阪のクアトロワンマンツアーも決定しており、このアニバーサリーは、Re:nameとして大きなステップを踏む重要な1年となるはずだ。

DIYなバンドマインドとグローバルな視座

 今から10年前の2016年3月25日、中学や高校の同級生である高木一成(Vo)、Soma(Gt)、ヤマケン(Dr)によって結成されたRe:name。関西を中心としたライブハウスシーンで着実に活動を続けるなか、2024年に「24/7」(ミニアルバム『Give Me All Of Your Life』に収録)がTikTok上でバイラルヒット。同年には東京での初ワンマンも見事ソールドアウトさせ、翌年には『私の彼が姉の夫になった理由』(MBS)で初のドラマオープニング主題歌を担当するなど、その名前はますます広がりつつある。高木を中心に生み出される楽曲のクオリティと日本のインディシーンにおけるユニークネスへの評価は高いだけに、きっかけさえあれば今すぐにでも爆発しそうな勢いだ。

Re:name 「24/7」Music Video

 では、そんなRe:nameはどんな音楽をやっているのか。すでにリリースされている作品を聴いてもらえればわかるが、これが一言で説明するのはなかなかに難しい。One Direction(以下、1D)との出会いをきっかけに洋楽を聴くようになったという高木が、1Dのほか、5 Seconds of SummerやThe 1975を自身の影響源に上げる一方、SomaとヤマケンはJ-POPから大きな影響を受けているようで、実際に楽曲を聴くとオルタナっぽい曲があったり、パンクっぽい曲があったり、あるいはUKインディ風だったり、はたまた音声合成ソフトとコラボした曲もあったり(前作『GENIUS FOOL』収録の「Vague (feat. 可不)」)と、その音楽性は非常に幅広い。大雑把にいえば「洋楽っぽい」ということになるだろうが、そのメロディには妙に日本人の耳に残る人懐っこさもあって、それだけに括ることにも違和感がある。

Re:name「BABYBOY」Music Video
Re:name「Light」Music Video

 というわけでそれぞれで聴いてお気に入りの曲を見つけてくれ、としか言えないのだが、ひとつ確かなのは、彼らがインディシーンに身を置きながら、明確にグローバルなメインストリームポップを見据えて音楽を作っているということだ。これまで彼らがリリースしてきた楽曲を聴くと、高木がルーツとして挙げている楽曲はもちろん、BTSやThe Weekndから、たとえばBring Me The Horizonのようなメインストリームロックのようなエッセンスも感じることができる。常にアンテナを張り巡らせて新たな音楽をキャッチアップしてはそれを自分たちの制作に落とし込んでいく、というサイクルが彼らのなかではしっかり機能しているようで、だからこそRe:nameの音楽は常にアップデートされ続けている。そこが上述した彼らの「インディシーンにおけるユニークネス」である。絶頂期の1Dに影響を受けたのだから当然といえば当然だが、彼らの口からはたびたび「世界を目指したい」旨の発言も出ていて、彼らがどんなビジョンを抱いてバンドを続けているのかが伝わってくる。

 と、こう書くとある種のとっつきにくさを感じてしまう人もいるかもしれないが、その心配は不要だ。彼らは世界に目を向けながらメインストリームのポップスを標榜する一方で、徹底的にDIYでの活動にこだわる、生粋のロックバンドでもあるからだ。高木は作詞作曲のほかにアートワークのデザイン、SomaはWebや映像の制作、ヤマケンは作詞、イベントやツアーの企画にマーケティングと、それぞれに役割を持ちながらバンドを運営し、自分たちのアイデアを形にし続けている。マインドとしてはパンクバンドそのものなのだ。所属するレーベルが地元・大阪のライブハウスの運営会社が設立したLukie Wavesだというのも、彼らの現場主義な姿勢を物語っていると言えるだろう。ライブにおけるMCやオーディエンスとのコミュニケーションもクールなサウンドの手触りとは裏腹にフレンドリーそのもので、そんなキャラクターも彼らの魅力の一端を担っている。

Re:name「prettyfine :)」Music Video
Re:name「KISS ME HONEY」Music Video

『1626』はカラフルな進化を遂げたRe:nameを体感できるアルバムに

 さて、そんなRe:nameのニューアルバム『1626』である。2016年〜2026年というバンドが重ねてきた時間をタイトルに掲げ、自ら「Re:nameにしか鳴らせないポップロックの集大成」と銘打って作られた全8曲(CDには全10曲を収録)は、これまでバンドを追いかけてきたファンにとっても、そしてこのタイミングで彼らと出会う新たなリスナーにとっても、Re:nameというロックバンドの面白さを実感できる充実したものとなった。キラキラと眩しいバンドサウンドが力強く鳴り響くオープナー「MUCHU」にはじまり、ロマンティックなディスコチューン「Bedroom Angel」、超ストレートなギターロック「愛はきっとLonely」という冒頭3曲を聴いただけで、彼らがいかに多彩なルーツを消化して自分たちのサウンドを作り上げているバンドかがはっきりとわかるだろう。そのほかにも、エッジの立ったギターが炸裂するエモチューン「OTHER SIDE」、スケールの大きなサウンドがここから広がっていく彼らの未来をイメージさせるような「Forever Always」、レイドバックしたムードが心地よい「one room」と、カラフルな楽曲たちが、10年のあいだに蓄積してきた引き出しの多さを物語るように聴こえてくる。

Re:name「MUCHU」Music Video
Re:name「愛はきっとLonely」Music Video
Re:name「OTHER SIDE」Music Video

 楽曲のバラエティが広がる一方で、どの曲もすぐさまライブを想起できるような身体性を宿しているのも今作の大きな強み。3人+サポートメンバーの4人体制でライブを展開している彼らだが、そのロックバンドとしてシンプルな編成でどこまで大きなスケールを描けるのかというところで、今作は新たな高みに到達したという手応えを感じる。前述した通り、リリース日に開催される大阪城音楽堂でのフリーワンマン、そしてその後のツアーで、我々はさらに一段進化したRe:nameと出会うことができるはずだ。

Re:name 「I've」Live MV

 10周年を迎えたバンドを“ニューカマー”と呼ぶのは気が引けるが、彼らはまだ26歳。何よりアルバムを聴く限り、そのポテンシャルはまだまだ大きい。節目となるこの1年を経て彼らがどのように飛躍していくのか、多くの人が注目しているし、何より彼ら自身が強い意思を持ってそこに臨んでいくだろう。もしかしたら来年の今頃にはとんでもないことになっているかもしれない……そんな予感を胸に抱きながら、今すぐ彼らの音楽に触れてもらいたい。

『1626』ジャケ写
『1626』

◾️リリース情報
Re:name
New Album『1626』
2026年3月25日(水)リリース
配信:https://lnk.to/rename_1626
CD予約・購入:https://lnk.to/rename_1626

<収録曲>
1.MUCHU
2.Bedroom Angel
3.愛はきっとLonely
4.i don’t wanna
5.OTHER SIDE
6.Vintage Car
7.Forever Always
8.one room
9.KISS ME HONEY (CDのみのbonus track)
10.I’ve (CDのみのbonus track)

◾️ライブ情報
大阪城音楽堂フリーライブ
2026年3月25日(水)大阪城音楽堂
開場18:00 / 開演19:00 / 終演20:00予定
入場無料

◾️ツアー情報
『Re:name 東名阪クアトロワンマンツアー2026』

2026年5月23日(土)大阪・UMEDA CLUB QUATTRO
開場 17:00 / 開演 18:00 
料金:4,400円(税込)

2026年5月30日(土)東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
開場 17:00 / 開演 18:00
料金:4,400円(税込)

2026年6月14日(日)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
開場 17:00 / 開演 18:00
料金:4,400円(税込)

チケット情報:https://linktr.ee/rename_info

Re:name 公式HP
Re:name 結成10周年特設サイト

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