NEXZ、次の時代を切り拓いていくという覚悟 初の日本武道館公演で示す7人とファンとの絆




ライブ後半、爆発力を見せつけたのはEP収録の新曲「BURNING BLACK」。クールなHIP HOPチューンの中でも一際存在感を放つ同曲は、NEXZの“攻め”の側面を強く印象づける。続いて、「Want More? One More!」「Starlight」「Whatever Whenever (Japanese Ver.)」とテンポよく続くセクションでは、HARUとSE GEONによるイントロダンスや、TOMOYAのアドリブによるYUKIのお姫様抱っこなど、スキルとユーモアとが入り混じる場面も多く、ファンをあらゆる角度から楽しませる。観客のメッセージボードに応えるコーナーでは、「武道館が決まった瞬間のリアクションを再現して」とのリクエストに、「美味しいご飯に連れて行っていただいたときに自然な流れで教えてもらった」と当時のエピソードを再現して応える一幕もあり、和やかな空気が流れた。


本編終盤に披露された「O-RLY?(Japanese Ver.)」では、HIP HOP調のメロディとYUのシャツをはだける演出が相まって、会場が再び高揚する。続く「Next Zeneration」では、YUのバック宙やHYUIのロングトーンといった各メンバーの個性が光る場面が随所に盛り込まれていた。


アンコールでは、揃いのサロペット姿で再登場。オーディション番組『Nizi Project Season 2』のオープニング曲でもあったシグナルソング「Here & Now」では、オーディション時代から彼らを追いかけてきたファンにとって特別な時間が流れる。しかし、予定されていた撮影タイムに入る直前、会場が急に暗転。スクリーンに映し出されたのは、これまでを振り返るサプライズムービーだった。映像を見終え、会場を照らす無数のスマホライトの光を目にして、TOMOYAやHYUI、YUKIの頬を大粒の涙が流れていた。「めちゃめちゃ幸せ者だと思います、本当に」と話すYUKIの表情には、これまで辿ってきた道のりにおける苦労と今この瞬間の幸福が重なって見えた。

最後に、メンバーからファンに向けたメッセージが贈られる。SEITAは「武道館という素晴らしい場所に僕たちを連れてきてくれたのは紛れもなくNEX2Y」だと感謝の想いを伝えた。事前の囲み取材にてこの1年間で感じる成長ポイントについて問われ、「考え方とパフォーマンス。考え方に関しては背景の違う7人が話し合うにつれてそれぞれの意見や考え方を吸収でき、たくさんの時間を一緒に過ごすことによって学ぶことが多くなった」と答えたYUは、「皆さんは僕の光です。一生そばにいてくれればいいなと思います」とメンバー一人ひとりに対する感謝と尊敬を表現。さらに、リーダーのTOMOYAへ「いつも重い仕事を任せているけど、常にベストなパフォーマンスを見せてくれるし、周りをしっかり見られる視野も持っていて、一番感謝しています」「TOMOYAがいるからNEXZが成り立っている」と熱い言葉を伝え、2人はどちらからともなく熱い抱擁を交わした。TOMOYAは「オレは何もしてない」と謙遜しつつ、「毎公演、人生最後のつもりで挑んでいる」と、グループとファンへの真摯な想いを明かした。


涙に包まれた空気が静かに切り替わり、ライブはクライマックスへ。友情や絆、NEX2Yへの想いが込められたセットリストのラスト「One Day」では、会場中を見渡しながら全身でかけがえのない瞬間を噛み締めている7人の姿がとても美しかった。
全国ツアーは8月21日まで続く。彼らが掲げる“One Bite”は、抑圧された“日常”からの脱却だけではなく、過去の苦しみや未来への不安といった心の叫びもすべて肯定しながら、次の時代を切り拓いていくということでもあるという。その覚悟を日本武道館のステージに刻みつけた2日間だった。





































