GANG PARADEは今が最高――最新アルバム『GANG RISE』完全再現ライブ 遊び場へ捧げる最大級の愛と覚悟

 「まだ足りない! まだ足りない!」という遊び人のコールと手拍子に応えたアンコールで最初に届けられたのは、「Träumerei」。メンバーたちのフォーメーションが次々変化を遂げるなか、瑞々しいメロディが高鳴る。掲げた掌を振りながら11人が浮かべた笑顔が明るい。大切にしている遊び場に対する愛情がまっすぐに伝わってきた。そして歌い終えると、「今日が本当にくるのかドキドキしてて」と言ったマイカ。彼女にとって今回のアルバム『GANG RISE』は全曲の振り付けに携わった、初のアルバムなのだ。このライブがステージでの初披露だったのは、「無理無理きもい」「おぎゃです」「Doubters」。「おぎゃです」でベビを持ち上げる場面で、ユアとメイとノンが土台となるのだが、ユアとノンが手を組むことができず、ほぼユアの腕力で持ち上げたのだという。そんなハプニングを微塵も感じさせなかったユアは、「このアルバムの20曲を全部できる日はあんまりないじゃん? それがちょっと悲しい」と、作品への愛情を滲ませていた。

 8月21日にSpotify O-EASTで開催されるバンドスタイルによるワンマンライブに向けて準備が着々と進められている旨を告げて、「絶対にきてほしい!」と遊び人に呼びかけていたメンバーたち。そして、アルバム『GANG RISE』のラストの曲「ROCKを止めるな!!」が届けられた。全力で大合唱して、〈意地と誇りを〉と一斉に声を響かせたメンバーと遊び人。ギャンパレの象徴とも言うべき親指、人差し指、中指で作るハンドサイン、通称ギャンパレポーズを11人が掲げてエンディングを迎えた時、アルバムの全20曲を披露し終えたことを讃える拍手と歓声がステージを包んだ。ドクソンの「以上! 私たち!」に続き、「エンジョイプレイ! みんなの遊び場、GANG PARADEでした! ありがとうございました!」と全員で言ってお辞儀。ドクソンの「私たち」の声が絶妙な加減で裏返り、ズッコケムードも少なからず生まれていたが、明るく笑い合っていたのが微笑ましかった。

 これで終演かと思いきや、「まだ足りない! まだ足りない!」の声で包まれたステージに戻ってきたメンバーたち。ダブルアンコールでは「GANG RISE」が再び披露された。オープニングでも大盛り上がりだったが、この日21曲目にして、メンバーたちのパフォーマンスも遊び人のコールや手拍子も切れ味を増している。ライブで活き活きと輝く曲であることがあらためてよくわかった。歌い終えたのち、「ギャアアアングラアアアイズ!」と叫んで、繋ぎ合った手を掲げた11人。「今日やって思ったけど、今のGANG PARADEは最高やん?」と言ったココに賛同する声が勢いよく上がった。満ち足りた表情を浮かべながらステージから去ったギャンパレを見送った拍手と歓声は、O-WESTの規模を超えたアリーナサイズ。8月21日に開催されるSpotify O-EASTでのワンマンライブ『GANG PARADE with GANG BOYZ presents 「THE GANG PARADE RISES Z」』への期待を大いに高めてくれるライブだった。ロック色が強いサウンドが満載された『GANG RISE』の曲たちに、生バンドの演奏がハマらないはずがない。進化と前進の予感しかない今のGANG PARADEは、とてもわくわくさせてくれる存在だ。

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