GANG PARADE、運命のアルバム『GANG RISE』のすべて 全20曲解説――セルフライナーノーツインタビュー!

活動10年目に突入したGANG PARADEの劇的な進化とパワーアップの到来を、最新アルバム『GANG RISE』を聴くと、まざまざと感じることができる。豪華クリエイター陣による曲の数々が示す多彩な新境地、精力的に重ねてきたライブを経て研ぎ澄まされた現体制のコンビネーションが冴え渡る既発曲の再録=「11SOUL ver.」は、光り輝く運命へと突き進もうとしている11人に吹く、力強い追い風となるだろう。
そんな運命のアルバムとも言える『GANG RISE』。収録曲全20曲について、メンバー全員で語るセルフライナーノーツインタビューをお送りする。ここにある言葉には、自信、愛情、熱がみなぎっている。各曲に込められた想いと向き合いながら、ギャンパレの未来への期待を膨らませてほしい。(田中大)
01. GANG RISE/ココ・パーティン・ココ

アルバムのリード曲、いちばんの注目曲で。レーベルが同じWANIMAさんに楽曲提供をしていただけることになって、自分たちもびっくりしています。WANIMAさん色全開で、タイトル通りのアッパーな感じですね。「紆余曲折を経ていろいろあったギャンパレだけど、ぶちかましてくぜ!」というやる気に満ち溢れています。遊び人(GANG PARADEファンの総称)以外のところにも届いてくれたらいいなあって。ギャンパレのストーリーともリンクしていますよね。楽曲を提供していただけることが決まってからわざわざギャンパレのライブを観にきてくださって、こちらからライブ映像もお送りしていたんです。ギャンパレのこれまでに辿ってきたストーリーを反映してくださっていて、レコーディングのボーカルディレクションもしてくださって、本当に嬉しかったです。KENTAさんが歌っているデモ音源を頂いた時点で素晴らしかったんですよ。「これはもともとWANIMAさんが持っている曲なんじゃないか?」というくらいの感じのパワーがありましたから。みんな、喰らっちゃって。リリイベの会場に向かう電車のなかで初めて聴いた時、うるっときちゃいました。サビのキーはいつもギャンパレで歌う曲と比べると若干低くて。だから、女性の歌でパンチの利いたパワーを出せるのかは、プレッシャーというか、課題のひとつでしたね。とても細かく寄り添ってくださったKENTAさんのディレクションのおかげで、すごく自信のある曲になりましたし、愛情たっぷりの曲になったので。遊び人と一緒にシンガログングをしたいですね。バカになりながらこの曲を浴びてほしい。そして、フェスに出たいです(笑)!
今回のアルバムはバンドのみなさんにもたくさん楽曲を提供していただいたので、これを機に幅広いみなさんにギャンパレを聴いていただけるようになったらいいなあっていうのはすごく思っています。ロックテイストの曲を歌うアイドルが徐々に減っている気もしているので、こういうシーンを絶やしたくないという気持ちもあります。
02. 無理無理きもい/キャ・ノン

初めて大森靖子さんに曲を作っていただきました。私は大森さんの曲を聴いて育ってきて、好きなんです。でも、自分がGANG PARADEとしてやっていくなかでは、あんまり交わらないかなと思っていたんですけど、今回作っていただけることになって。どんな化学反応になるんだろうって、未知数だったんですよ、すごく。今までの私たちが歌ったことがないタイプの曲だったのでメンバーそれぞれ試行錯誤があったみたい。でも、レコーディングが終わってみたら「今のよかったかも」「結構できた!」ってみんな言っていて(笑)。今回のアルバムのなかでも新しいGANG PARADEをいちばんお見せできる曲でもあるのかな、と。メンバーそれぞれの表現でも新しい部分が見える気がします。キーも高いですし、ロングトーンもあったりして、今までになかった感じだと思います。この曲は全員がフルで歌って、レコーディングしたあとに歌割りを決めてもらいました。メンバーそれぞれが全部の歌詞と向き合いながら自分なりの歌い方を探したので、レコーディングで使ったエネルギーがすごかったです。
渡辺(淳之介/元WACK代表取締役社長)さんに歌詞を書いていただいたのは、約2年ぶり。詞先で曲を作っていただいたらしくて、渡辺さんはメンバーやグループへのメッセージを歌詞に込めてくださることが多いんですけど、今回はSNSで大森さんの楽曲がたくさん使われている状況だったり、そういう流れも踏まえて書いてくださったそうです。自分から自分に対しての曲だなと思っています。ほかの登場人物がいなくて、自分のことが歌われてるんですよね。痛みで痛みをどうにかする、というか。自分のことがイヤになったり、むかついたり、悲しくなったり――そんないろんな感覚も込められているって思っています。
03. Sparkling Moon/ユイ・ガ・ドクソン

ドラマ『ワカコ酒 Season8』(BSテレ東)のオープニングテーマです。なんとメンバーもドラマにエキストラ出演させていただきました(拍手)。池袋のガチ中華のお店の回で、私はチャンベイビーとナルハワールドと一緒に出ています。オンエアには乗ってないんですけど、臭豆腐を食べたりして(笑)。
「Sparkling Moon」は、お酒を飲んだ世界観を想像しながら不眠症さんが作ってくださっています。ミュージカルっぽいなって思っていて。2018年にリリースした「RATESHOW」もミュージカルの一幕のような雰囲気がありましたけど、こういう感じは初めてなのかも。歌割りも細かくて、入れ替わり立ち替わり、目まぐるしいのもこの曲の特徴な気がします。お酒ですか? 前はよく飲んでた時期があったんですよ。「飲まないとおうちに帰れない!」みたいな時期を経て、もう飲まなくなりました。飲まなくてもよくなりました。でも、本来、お酒ってそういう楽しみ方じゃないですか。もともとお酒に向いてないのかも。そうそう、カニ道楽で働いてた時期もあります(笑)。でも、もう「もっと飲めたらいいのになあ」と思うくらいのレベルになりました。
お客さんが一緒に歌ったり踊ったりできる曲がギャンパレには多いなか、じっくり観るのが楽しいタイプの曲なのかなと思います。ハモりのメロディの歌割りもかなり細かいんですけど、そういう部分も(キャン・GP・)マイカが振り付けやフォーメーションをこだわって作ってくれています。複雑な入れ替わりとかも成り立たせていて、「すごい!」と思いました。素晴らしかったです、マイカが。
04. Gang Gang Disco/ユメノユア

the telephonesの石毛輝さんに作っていただきました。昨年かな? 対バンさせていただいて、そのご縁がきっかけです。the telephonesさんは個人的に昔からフェスやイベントで観ていたし、the telephonesさんが歌わないディスコソングも新鮮ですし。ライブでは、みんなで〈DISCO!!!〉って叫ぶことになるんだろうな。頭を空っぽにしながら音に身を任せて遊びまくる楽しさをギャンパレのライブで作りたいです。
振り付けも楽しんでもらえると思います。ミラーボールを表したり、みんなで手を挙げて踊れる振り付けをマイカが考えてくれたんです。ラップの部分の〈G.A.N.G〉は、メンバーが人文字でアルファベットを作ります。テンポが速いなかに見どころがたっぷりと凝縮されていると思います。ギャンパレは人数が多いので、そこも上手く活かせたのかも。私たちにしかできないと思う。私はもともとロックが大好きなので、バンドのみなさんにたくさん楽曲提供をしていただいたアルバムになって、めちゃくちゃ嬉しいです。J-ROCKを作ってきた先輩に演奏もしていただけたのが、本当にありがたいです。幅広い音楽好きのみなさんに届いたらいいなあって思ってます。もっと間口が広がっていったらいいなあって。たくさんの愛とパワーをいただいたので、自信を持ってステージでパフォーマンスをしていきたいですね。
05. パショギラ (11SOUL ver.)/アイナスター

リリースした時から遊び人の反応がよかったんですよね。対バンイベントとかでも、初めてギャンパレのライブを観るお客さんにも盛り上がっていただけていて。でも、最近の『GANG RISE』ツアーでより一層育ってきた印象があります。コールをいれていただいたりとか、私たちも煽ったりして。楽しみ方をたくさん探していただけて、正解が見つかってきたんだと思います。私たちってバンドさんに楽曲提供いただくことも多くなって、やっぱり合いますよね。メンバーの気持ちが曲に乗りますし、表現しやすいのかな、と。ロックが好きなみなさんにもぜひ聴いていただきたいです。フェスにも出たいんですよ。去年のLINE CUBE SHIBUYAではバンドセットでワンマンライブをやらせていただきましたし、ギャンパレはいろんな部分でロックとの相性がいいはずです。
私はCメロのアタマ――〈偶然で〉のところを歌っているんですけど、その直前で遊び人が「お待たせしました、アイナスター!」っていうコールを入れてくださるんですよ。その定着度がすごすぎて(笑)。コールがないと物足りないくらい。対バンイベントとかでもコールを入れていただけるとすごく安心感があって、助かってます。テンションが上がります。
