CUTIE STREET ソロインタビュー Vol.4:佐野愛花「ずっと自分でいるのが私のやり方」 “幸せ”を目指して、明るく、正直に

「明るくしていないと自分が壊れてしまうと思った」

――いざ、合宿オーディションに参加されてどんなことを感じましたか?
佐野:自分を見つめ直す期間でもあったし、自分はどこが強みで「それをどう伸ばした方がいいのか?」と考える時間になりました。“ほかの子VS自分”というよりは“自分VS自分”みたいな期間だったなと思います。印象に残ったのはオーディション合宿中、みんなも寝る時間を割いてベストを尽くすために練習していたように、私も睡眠との戦いがいちばんの壁で(笑)。寝ないとメンタルにも支障をきたすので、体力や気力を保つのが大変でした。
――オーディション中のインタビューでも「今、過密スケジュールで。笑っていないとおかしくなっちゃう」と言っていましたよね。
佐野:はい。なんか……気持ちが落ちちゃうと、もう上がれないかもと思って。だから……(思わず涙を流して)常に明るくしていないと、って。元々明るい性格ではあるんです。だけど、明るくしていないと自分が壊れてしまうと思ったし、頑張れなくなっちゃいそうだったから。そういうマイナスな気持ちとか、不安な気持ちはたくさんあったけど、それを見ないようにシャットアウトして。常にプラスの気持ちを自分の中から引っ張り出して、どうにか明るく乗り切る感じでした。

――そんな大変な状況の中でも頑張れたのはどうして?
佐野:頑張れた理由は2つあって。1つは「もういいや」と一瞬でも諦めてしまうと自分に負けた気がするから、それだけは嫌だったんです。合宿の期間中、常にいちばんいいパフォーマンスを出したいと思ったから、絶対に自分に負けたくなかった。「もうちょっと寝たい」「もう少し、みんなとご飯を食べてゆっくりお話ししたい」とか、そういう気持ちもあったけど、でも今はそんなことをしている場合じゃないからって。なんとしてでも、審査でベストを出したかったので。
――もう1つは?
佐野:あとは当時23歳で、しかもアイドル未経験だったけど、だからこそきゅーすと(CUTIE STREETの略称)に懸けていたんです。漠然と25歳までに芽が出なかったら、芸能は辞めようと思っていて。そのタイムリミットが近づいていたから、なんとしてでも掴み取りたかった。当時所属していた事務所のマネージャーさんには「芸能は正しい方向に5年間努力をしていたら、いつか必ずチャンスが来る。そのチャンスを掴み取れるかどうかは、愛花次第だよ。そのタイミングを待つしかない」と言われ続けていて。きゅーすとのオーディションを受けたのが、芸能活動を始めてちょうど5年目だったので、そのチャンスがきっと今だと思っていたから、絶対に諦めたくない気持ちがありました。
――佐野さんは高校3年生でみんなとは違うレールを選んだ。そこから芸能の道が始まっているからこそ、ここでもし落ちて25歳を過ぎてしまったら、当時の選択が間違っていたことになってしまう。そういうプレッシャーもあったんですね。
佐野:ありました。無駄な5年間にしたくないから、ちゃんと自分の中で「この道を選んでよかった」と思えるようにしたい、と思っていました。(再び涙を流しながら)……大学に行かなかったのも簡単な気持ちで後戻りしないように、というのがあって。もしも大学に行ったら、卒業のタイミングで「今から芸能を目指してもアレだし、じゃあ就職するか」と自分に妥協した選択を取ってしまうかもしれない。そう思いたくないから、簡単に切り替えられない道を選んだんです。

――茨の道を進むその根性は、どこから来るものなんですか?
佐野:すずちゃんの話にも繋がるんですけど、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』という映画がすごく好きで。「頑張り続けるしかない」というセリフがあるんですけど、確かにそうだよなって。やりたいことがあるなら、途中で悩んだりネガティブにもなることがあるかもしれないけど「頑張り続けるしか選択肢はないな」と思って、今までやってきました。
――オーディションを乗り越えて、いざメンバーに選ばれたときはどんな気持ちでしたか?
佐野:嬉しかったのもありますけど、それ以上に安心感が強くて。自分の中で落ちる想像はしたくなかったから、ずっと受かることだけを想像して合宿を乗り切ったので「あぁ……よかった」って。その後に嬉しさが込み上げてきました。
――合格されて、真っ先に報告したのは?
佐野:ママに伝えました。すごく喜んでくれましたね。私が頑張っていたのをいちばん近くで見てくれていたから「これから頑張ってね!」って。親も私と同じルンルン系なので、しんみりと「大丈夫だよ」と声をかけるよりは「頑張れ〜!」みたいな感じで。合格の報告をしたときも「良かったね〜!」と明るく言ってくれました。



















