CUTIE STREET ソロインタビュー Vol.4:佐野愛花「ずっと自分でいるのが私のやり方」 “幸せ”を目指して、明るく、正直に

「かわいいだけじゃだめですか?」でデビュー直後から大ブレイクを果たし、怒涛の日々を過ごしてきたKAWAII LAB.所属の8人組アイドルグループ CUTIE STREET。2024年8月のデビューステージから、まもなく1年という節目を迎える。
そこでリアルサウンドでは、彼女たちがどんな人生を歩み、CUTIE STREETとしてデビューし、どんな気持ちで1年間を過ごしてきたのか、その現在地を記録するために連続インタビューを企画。Vol.4では、赤色担当で女優としてのキャリアを持つ佐野愛花に話を聞いた。
芸能という仕事を選んだ者は、常に世間から評価の対象となり、周囲との比較を余儀なくされてしまう。もしかするとアイドルは、そんな側面がより強く襲いかかる存在なのかもしれない。しかし彼女が対峙するのは、周りのライバルたちではなく、いつも“自分自身”だ。インタビューを通し、アイドル・佐野愛花から感じる“強さ”の正体に迫ることができた。(編集部)
夢へ踏み出したきっかけは“同級生の言葉”

――佐野さんはどんな学生時代を過ごしてきましたか?
佐野愛花(以下、佐野):芸能活動を始めたのが高校3年生で、それまでは普通の学生生活を送っていて、わりと活発だったと思います。運動が好きなので体育委員をやったり、学級委員をやったりしました! みんなの前に立つのが特別好きなわけではないんですけど、先生とか友達に「学級委員をやってよ」と言われて「じゃあやるか!」となることが多かったです(笑)。
――「佐野さんは○○だよね」みたいに、先生や同級生からよく言われていたことはありますか?
佐野:「ずっと笑ってる」「いつも楽しそう」ってよく言われていたのと、学生のときは「一見しっかりしてなさそうだけど、意外としっかりしてるよね」って(笑)。
――意外と、なんですね(笑)。清楚でしっかりされているように見えますけど。
佐野:ははは。今はちゃんとしているんですけど、私は妹というのもあって実際は甘える方ではあります(笑)。あとは、お姉ちゃんが怒られても、私はうまくすり抜けてきました。
――下の子って立ち回りが上手いですからね。
佐野:ふふふ。それもあって「要領がいい」って言われていました。お姉ちゃんはテスト勉強とか毎日コツコツ着実にやっていくタイプなんですけど、私は提出期限の1週間前くらいに一気にやる。それでお姉ちゃんと同じ成績を取っていました。
――器用ですね!
佐野:すごく器用なわけじゃないですけど、不器用ではない気がします(笑)。

――「高校3年生の時に芸能活動を始めた」と言っていましたが、何かきっかけがあったんですか?
佐野:学年が上がるにつれ、進路について考えるようになって。学校的にも「大学には行った方がいいよね」という雰囲気だったのもあり、自分も周りの子と同じく、当たり前のように大学へ行こうとしていたんです。高校2年生ぐらいから塾に通い始めて、本格的に勉強をしていました。でも、元々芸能活動には憧れがあって。いつかやりたいとは思っていたものの、芸能活動を始めるなら早い方がいいし、もう遅いのかなと感じていて。
――そもそも芸能活動をしたいと思ったのは?
佐野:小さい頃からテレビが大好きで、テレビの中の人に憧れを持っていたんです。特に心を惹かれたのが、広瀬すずさん。中学1年生の頃にすずちゃんを見て、自分もこういう人になりたいな、と思ったのが大きなきっかけでした。でも、高校生になって「芸能活動は夢のまた夢だな」と思い、とにかく毎日勉強ばかりしていました。
――堅実な道へ進むために励んでいたと。
佐野:でも、高校3年生の夏ぐらいに「私はどこに向かっているんだろう?」「何をしているんだ?」と思うようになって。「大学に入って、そのまま一般企業に就職するのか?」って言われたら、その未来が自分には見えなかったんです。それだったら、自分が今したいことを1回やってみるのもありかなと思い始めたのと……それ以上にいちばん大きなきっかけがありまして。
――いちばん大きなきっかけ、ですか?
佐野:同級生の男の子が「俺はお笑い芸人になるから、大学には行かない」と言ったんです。その話を聞いて「え? それ、ありなの?」と思ったんですよ。身近で周りと違う選択肢を取る人を初めて見て「そういう道もあるんだ」とハッとしたんです。そこから私も本当にやりたいことをしよう、と決意が固まりました。一時は芸能の専門学校に行くことも考えたんですけど、それよりも芸能事務所に入って活動するのがいちばんいいのかなと思って、進学は辞めようと。ただ、塾の先生に何も決まっていない状態で「もう辞めます」と言うのは気が引けたので、急いで事務所を探しまして。「事務所に入ることが決まったので、辞めます」と伝えました。


――芸能事務所は自分で探したんですか?
佐野:そうです。私は思い立ったら即行動、みたいなタイプで。自分のやりたいことが決まったら、「じゃあ、こうしてああして、それをして……」とガムシャラにやるタイプです。
――ご家族には相談しました?
佐野:はい。でも、相談というよりも確認でした(笑)。私の中では意志が固まっていたので、「芸能活動をしたいから大学には行かないけどいい?」とお母さんに聞いたら「愛花がしたいならいいと思うよ」と尊重してくれました。
――そこからどのように活動されていたのでしょう?
佐野:まずは知ってもらわないといけない、と思いまして。何もない自分がどうしたらいいのかと考えている中、当時のマネージャーさんとも相談してABEMAさんの恋愛リアリティショー番組に出演しました。でも、当時いちばんやりたかったのはお芝居なので、演技のレッスンを受けつつ、舞台を中心に活動していて。
――すごい! やりたいことを着実に形にしていったんですね。
佐野:とはいえ、ドラマや映画などの映像作品にも憧れていたんです。それは中々うまくはいかず、オーディションを受けては落ちる日々が続いていました。でも、しばらくして自分の中で物事がうまく進み始める流れがあったんですよ。それまでずっとオーディションに落ちていて、たまに受かる感じだったんですけど、5回連続でオーディションに受かるようになって。自分的にも「やっと認められ始めたのかな」「やりたいことと求められるものが合致してきたのかな」と思い始めたときに、CUTIE STREETのオーディションを知って。「これは挑戦してみたい」と思って今に至ります。
――役者とアイドルは、同じ芸能でも畑が違いますよね?
佐野:ミュージカルを経験したときに、歌って踊ることが楽しいと思ったんです。それと、なんとなく自分はミュージカルよりもアイドルのように歌って踊る方が、きっと向いているし、そっちの方が楽しいだろうなって。そこからアイドルの選択肢もあるのかも、と思っていたときに、マネージャーさんから「アイドルのオーディションがあるらしいんだけど、挑戦してみる?」と聞かれて。自分なりにじっくり考えた上でやってみたいと思いました。




















