GENERATIONS 佐野玲於、若いクリエイターから得た刺激 全員プロデュース曲で実感した“プロ集団としての強さ”

佐野玲於が得た刺激

「今一緒に仕事した人たちの10年後、20年後がどうなってるか楽しみ」

――プロデューサー陣の話に戻りますが、今回ineedmorebuxさん、Nvmbrrさんと、若い世代から同世代の方までと一緒に作ってみてどうでしたか?

佐野:楽しかったです。NvmbrrはJP THE WAVYも含めた3人でよく一緒に遊んでる長年の友達で、「My Turn feat. JP THE WAVY」も彼が手掛けてくれてるんですよ。ineedmorebuxくんもとても若いプロデューサーですし、これから来る若手みたいな座組でやったら面白いだろうなって元々思っていたので。

――デビュー当時の玲於さんは、どちらかというと尖っていて若手筆頭株みたいなイメージでしたが、後輩や次世代に目を向け始めたのはいつ頃からなんでしょうか。

佐野:いや、僕はずっと若い人と一緒に盛り上がっていきたいっていう気持ちはありました。今29歳なんですけど、10代でデビューして先輩にすごい可愛がってもらったし、先輩に憧れて音楽やダンスを始めたんですよね。ずっと現役バリバリでかっこいい先輩が周りにはたくさんいますが、その人たちに頼って何かを生み出すよりは、どんどん次が出てきた方が絶対面白いじゃないですか。こんなに若い素晴らしい才能を持った人が日本にたくさんいて盛り上がってるんだよっていうことを、どんどんアピールしていかなきゃいけないと思うんです。

 あと“次世代”と呼ばれているからといって、5年や10年経ってから活躍するのかっていうと、それは違うかなと。もちろん今後成長する子もいると思うけど、今は今しかない。今の連続で世の中って成り立ってると思うんです。「僕らには今なんで」っていう気持ちが若い人が持つエネルギーだと思うんですよ。今一緒に仕事した人たちの10年後、20年後がどうなってるか楽しみですし、お互い成長できたときに「あのとき一緒にやったよね」っていう会話ができたらすごく嬉しいじゃないですか。自分はそこを目指してますね。

――仲間であり、戦友でもあると。

佐野:はい。だから今回関わってくれた方は全員年下から同世代ですね。配信ジャケットを手掛けてくれた方も、リリックビデオの監督もそうです。年代が近いと、やっぱりやり取りが面白いんですよね。「こういうのどうかな」って言ったら、向こうも「こういうのどうですかね」って返してくれる。そのセッション感が面白い。やりとりのスピードも速いし、みんなすごいハングリーなんですよね。

「Magic Hour」は聴く人に合わせて自由に楽しめる楽曲に

――パフォーマンスに関してはどんなものになりそうですか?

佐野:振り付けは、KAZtheFIREっていう若手ダンサーに頼みました。彼はGENERATIONSの初ドームツアーのオープニング曲の振り付けを頼んだ子で、当時はダンサーのクルーで振り付けの経験もなかったんですけど、そのときも「若手に頼みたい」と思ってお願いしたんです。僕は23歳、彼は21歳という若さでドームツアーという大きな規模のものを一緒に動かす楽しさを味わった仲間ですね。KAZtheFIRE はKAITAっていうダンサーと一緒に踊っていて、今は2人とも日本のコレオグラフィーを支える重鎮になっています。今回はKAZtheFIREが得意そうだなと思って誘ったら、「やります!」ってすぐ返事をくれたんです。本当に仲の良い友人であり、後輩であり、同世代でもあるので、すごくやりやすいですね。

――『PRODUCE 6IX COLORS』の楽曲は、メンバー全員で踊るものもあれば、ボーカルは歌に専念するものもありますが、今回はどうですか?

佐野:ボーカルもパフォーマンスに参加しているので、みんなで踊ってる感じですね。あと最初はアウトロがなかったんですけど、あとから足したんですよ。

――やっぱりパフォーマーが作る楽曲ならダンスパートを入れたいということでしょうか。

佐野:元々この曲はビート感がレゲトンじゃなかったんですけど、作ってるうちにどんどん変わって今に至るんです。だから作り終わってから「トラップもよかったよね」っていう話になって、「じゃあアウトロのダンスでつけちゃうか」っていう感じで付け足しました。

――他のプロデュース曲の中には「TikTokで踊ってもらいたい」というものもありましたが、「Magic Hour」は踊ってもらうより、自分たちのパフォーマンスを見せる曲というイメージでしょうか。

佐野:みんなが踊るにはちょっと難しいかもしれないですね(笑)。でもノリがいい曲なんで、挑戦してみてほしいです。難しいけどチャレンジしがいがあると思うので。

――今回の目標はズバリ「売れること!」とのことですが、玲於さんはヒットの戦略についてどう考えていますか?

佐野:割と好き勝手やっちゃったんで、ヒットを狙えるかどうかわからないですが、もちろんたくさんの人に聴いてもらいたいですね。日本だけじゃなく海外の人にも聴いてもらえたらすごく嬉しいです。あとはシチュエーションがやっぱりすごく大事だと思うので、これからの季節だと、ドライブで遠出するときなんかに聴いてもらえたらいいんじゃないかな。「この曲ここで聴いたら完璧!」みたいシチュエーションがきっとあると思うんですよ。それが車の中なのか、開けた自然の中なのかはわからないですが、ぴったりの場所に行って爆音で聴いたら、きっと最高だと思います。

――裕太さんはTikTok世代に刺さるようしたり、涼太さんはいい歌を作ることで最終的に幅広い世代に届けるという戦略を立てたりして、それぞれ違う層を狙っていましたが、玲於さんはもう好きなように楽しんでほしいと。

佐野:そうですね。音楽が好きな人に聴いてもらって、踊って楽しんでもらえればと。一人でどこかに行って聴いてもいいと思うし、友人や恋人と特別な時間を過ごすときに聴いてもらってもワイワイ楽しめると思いますね。特別な時間=楽しいこと=終わって欲しくない時間というのがテーマなので、皆さんの状況に合わせて聴いてもらいたいです。

GENERATIONSは「プロフェッショナルな人間の集まり」

GENERATIONS / Magic Hour (Lyric Video) prod. by Reo Sano

――リリックビデオはどんな映像になりそうですか?

佐野:若いビデオグラファーとがアイデアをいくつか出してくれて、男女がドライブして海に行ってるわかりやすい映像になったんですけど、その特別感ってすごい楽しいよね、ずっと続いたらいいねっていう感じです。映像的には海や景色が主役で、かっこいい男の子と素敵な女性が綺麗なサンセットを見てるという。綺麗なものしか映ってないシンプルなリリックビデオですね。

――シンプルイズベストが玲於さんらしいですね。『PRODUCE 6IX COLORS』以外にも様々な発表が行われましたが、現在制作中という松永大司監督のドキュメンタリー映画に関して、見どころを教えてください。

佐野:正直全くわかんないんですよね。ただ、松永監督大司が撮るので必ず良いものになるだろうっていう勝手な信頼はおいています。あの人は本当のことしか撮らないし、本物しかスクリーンに映さないので。それは芝居においてもドキュメンタリーにおいても同じだと思うんです。だからきっと素敵なものにしてくれてるはずです。撮影に関しても僕らは一切口出ししてないし、「ここカットして」とか全く言ってないです。それは遠慮してるわけじゃなくて、松永さんを信頼してるからこそなんですよ。今から完成が楽しみですね。

――もっとGENERATIONSを好きになる映像が見られそうですね。

佐野:GENERATIONSって、今まで自分たちからドキュメンタリーの部分を見せようとしてこなかったんですよね。ずっと走ってるみたいな感覚だったので。でももう13年も活動しているので、いい機会かなと思います。

――そして9月からはアリーナツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2025 "6IX SENSE"』が開催となりますが、徐々に形は見えてきましたか?

佐野:まさに今やってる最中ですね。ステージングを考えたり、何が欲しいか洗い出したりしてます。今回のツアーは、みんなでワーッと作るというより、メンバーが個々にプロデューサーとなって色んなセクションを作っていくので、そこが見どころですね。もちろんグループとしても見れるし、個々に主役にもなるので、一人ひとりの表情がしっかり見えるツアーになると思います。構成も変えると思うので、そこも注目してほしいですね。

――ツアーでは、プロデュース曲は絶対にやってくれるだろうという安心感もありますね。

佐野:そうですね。その楽曲の世界観をどうやってセクションごとに表現するのかっていうのも楽しみにしていてもらえればと思います。

――ツアーが終わったあと、GENERATIONSとしてどんな姿でありたいか、イメージしていることはありますか?

佐野:僕は6人それぞれがプロフェッショナルな人間の集まりだと信じてるので、その強さを今回のツアーで高めていきたいです。ツアーは何かを見せて、みんなが成長する場だと思うんですが、今回はもっと個人にフォーカスをあてて、「誰の何を伸ばす」といったレベルの課題を見つけて、できることを増やしていきたいですね。

GENERATIONS「Magic Hour」

■リリース情報
GENERATIONS「Magic Hour」
6月2日リリース
6カ月連続でメンバー6人それぞれがプロデュースを手掛け楽曲を手掛け楽曲をリリースする企画「PRODUCE 6IX COLORS」の第5弾企画。
ダウンロード&ストリーミング:https://generations.lnk.to/magichour
リリックビデオ:https://youtu.be/70x1r2J7WVQ

■公演情報
GENERATIONS LIVE TOUR 2025"6IX SENSE"
9月21日:マリンメッセ福岡 A館 
9月27日、 9月28日:国立代々木競技場 第一体育館 
10月11日:キスイハイムスーパーアリーナ
10月18日、10月19日:エコパアリーナ 
10月28日、10月29日:大阪城ホール
11月15日、 11月16日:三重県営サンアリーナ
12月6日、12月7日:サンドーム福井
12月17日、12月18日:ららアリーナ 東京ベイ

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