FRED AGAIN..、山下達郎、Vulfpeck、マヤ・デライラ、Us……『フジロック '25』要注目の10組をピックアップ!

7月26日
Vulfpeck
LAを拠点とする4人組。シンプルでありながら中毒性の高いグルーヴを繰り出し、ミニマルファンクを奏でる彼らは、ライブ映え間違いなしの最新作『Clarity of Cal』を携えて登場。そのほかにもApple PayのCMでもお馴染みの「Back Pocket」や、きらびやかなピアノのフレーズとThe Jackson 5のようなコーラスが印象的な「Animal Spirits」といった確実に盛り上がる曲はいくらでもあるし、たとえ1曲も知らなくても全然大丈夫。そんな親しみやすさも彼らの良さだ。驚異的な演奏力で繰り広げられるダンサブルで洗練されたサウンドは「ファンクを変えたファンク」とも称される。特にジョー・ダート(Ba)の卓越したベースプレイには注目だ。
山下達郎
洋楽の影響を受けながら、その最良のエッセンスを日本のポピュラーミュージックに落とし込み、長年にわたって数々の名曲を生み出してきた山下達郎。現在、世界的にブームになっているシティポップ最大の貢献者は、タイラー・ザ・クリエイターやNight Tempo、マック・デマルコなど海外のアーティストたちにも敬愛されている。そんなリビングレジェンドは意外にもフジロック初出演。彼のライブは、洗練された楽曲の魅力はもちろんのこと、音質やアンサンブルの精度も含め、演奏のクオリティが圧倒的に高いのが特徴だ。単独ライブはチケットを入手するのが困難なことでも知られているので、この機会を見逃す手はない。特に野外フェスではコーラスに竹内まりやが参加したこともあるので注目。
7月27日
Vampire Weekend
フジロックに5回目の出演となるVampire Weekendは、昨年リリースした5作目となるアルバム『Only God Was Above Us』を携えての出演。アルバムごとに新しいことに挑み、常に“今”の感性をサウンドに反映させてきた彼らも、気づけば結成から20年目となりベテランの域だ。実際、近頃のライブではバンドとしての円熟味すら感じさせている。フジロックでは2022年にもヘッドライナーを務めたが、その時はPAのトラブルで演奏が中断するという不運に見舞われた。彼らにとって“リベンジ”となるステージだけに、気合い漲る、素晴らしい内容になるはずだ。
Mei Semones
日本人の母とアメリカ人の父を持つニューヨーク在住のシンガーソングライターであり、フジロック初登場となるMei Semones。アルバム『Animaru』で今年5月にデビューを果たし、独特のミクスチャーセンスが魅力的。「Donguri」や「Zarigani」などボサノバ風味のサウンドと日本語のコンビネーションもおもしろいし、バークリー音楽大学で培われたギターのテクニックも折り紙付き。Red Hot Chili Peppersのフリーにも絶賛された、得難い個性をぜひ体感してほしい。
羊文学
2016年に新人バンドの登竜門となるステージ「ROOKIE A GO-GO」に出演したのを皮切りに、2021年にはRED MARQUEE、2023年にはGREEN STAGEと着実にステップアップしてきた羊文学。今や日本のロック界でも揺るぎない存在感を示している彼女たちのサウンドは繊細さと大胆さを併せ持ち、“静と動”のコントラストを醸し出していることが特徴だ。昨年の横浜アリーナ単独公演は即日完売したほか、ソウル、北京、上海、香港、バンコク、シンガポール、クアラルンプール、マニラなどをめぐるアジアツアーも開催。今秋からは再びアジア各国に赴く。時代の気分を映し出す詞の魅力も素晴らしく、ありがちな形容ながら、まさに音で紡ぐ「文学」の様相を呈している。ますますスケールアップした羊文学のライブ、見逃す手はない。


























