東京ゲゲゲイ MIKEY×BE:FIRST RYUHEI 特別対談 お互いに受ける刺激、ダンサーとしてのリスペクトを語り合う

MIKEY×RYUHEI特別対談

(MIKEYのステージは)「脳みそが支配される感覚に近い」(RYUHEI)

東京ゲゲゲイ MIKEY×BE:FIRST RYUHEI

ーーお二人がコラボするのは、何年も前から決まっていたことなのかもしれませんね。そして、7月4日からは『TOKYO GEGEGAY 2025 TOUR』がスタートします。2年前の『東京ゲゲゲイ歌劇団 vol.VI「破壊ロマンス」』では、RYUHEIさんが急遽ステージに上がってパフォーマンスされていましたね。

RYUHEI:はい。普通に観に行っていたので、「えぇ!?」となりました(笑)。僕は色んな方のライブをよく見に行くのですが、MIKEYさんのステージは海外アーティストに近い印象を受けます。例えるなら、ケンドリック・ラマーみたいな。ケンドリック・ラマーもライブ中に意味深な演出を挟んだりしていますが、そういったアーティスティックな部分はMIKEYさんにも通ずるところがあってHIPHOPアートという感じがします。それに、演出、コンセプト、ステージングなど、僕らBE:FIRSTにはない部分を表現していて独創性を感じました。ミュージカリティとはまた違って、ダンスだけじゃないと言うか。音楽とダンスにコンセプトが自然に馴染んでいる感じがして、すごく面白かったです。

ーー逆にMIKEYさんはBE:FIRSTのライブをご覧になったことはありますか?

MIKEY:あります。でも、私、人混み恐怖症みたいなものがあって、たくさん人がいるところにいられないんです。電車にも乗れないくらいで。BE:FIRSTは何万人も集まっている大きな会場でライブをされますよね。だから、ちゃんと見られていなくて。生でしっかり見てみたいので、20人くらいのライブハウスでやってくれたらいいなと思っています(笑)。

RYUHEI:渋谷PARCO劇場で一緒にやるのはどうですか?

MIKEY:あ、一緒に? いいね!

ーー2組が共演する日を楽しみにしています。ちなみに、今注目しているダンサーの方っていらっしゃいますか?

MIKEY:AROE! 誤解を恐れずに言うならば、AROEってダンスがめちゃくちゃ外道なんです。私の時代はダンスって不良の遊びの延長だったんです。ましてや立川出身なので、HIPHOPカルチャーの枠にいるダンサーやスケーターはヤンキーという認識だったんですね。なので、私の中では「ダンサー=悪いヤツ」という概念があって。でも、今はどんどん一般化されてきて、ダンサーはいい子が多いんです。AROEも「遅刻しない」、「挨拶をしっかりする」などの社会人としての常識を持っているいい子なのですが、ダンスにはFワードみたいなテイストを出せるんですよ。それがいいなと思っていて。しかもRYUちゃんと地元が一緒なんだよね?

RYUHEI:一緒に踊っていました。5〜6年くらい一緒のスクールに通っていて、僕はオーディションを受けてBE:FIRSTとして活動することになったので、会わなくなってしまったんですけど、その間アメリカに行っていたみたいで。それで、今回のMIKEYさんの「Gee Gee TRAIN」で再会しました。

MIKEY:しかも「Gee Gee TRAIN」に関わっているダンサーがAROE以外にも名古屋出身の子が多くて、元々一緒のスタジオだったみたいなんです。だから同窓会みたいな感じでした。ただ、仲が悪いんですかね? RYUHEIなんてなかなか会えないから、私はハグして泣いちゃうのかなと思っていたのですが、よそよそしいんですよ(笑)。「お久しぶりです……」みたいな。

RYUHEI:全然仲悪くないですよ(笑)! 僕が注目しているダンサーさんかぁ。難しいですけど、やっぱりDリーグが1番追いやすいですよね。僕も見ています。

MIKEY:どこ応援してるの?

RYUHEI:一概には言えないけど、KADOKAWA DREAMSも好きだし、CyberAgent Legitも好きです。それにKELOさんは最近SOUCHINともいろんな場面で踊っているので、そういう意味でも気になります。KING OF SWAGは世代でしたから。

MIKEY:そう言えば、KELOちゃんから伝言預かってたんだ。「RYUHEIくんへ。かっこいい振り付けを作ってくれてありがとう。僕はいつBMSGに入れますか?」だって。

RYUHEI:あはは(笑)。でもKELOさんは本当にすごい人なんですよ。面白いし、3回くらい生まれ変わってるんじゃないかと思うくらい、いろんな印象を聞いていたんです。めっちゃ怖い人、めっちゃおかしい人、めっちゃ優しい人。すごい人生を辿っているんだろうなって。そういう意味でもリスペクトできます。

東京ゲゲゲイ MIKEY×BE:FIRST RYUHEI

ーーAROEさんもKELOさんも出演される『TOKYO GEGEGAY 2025 TOUR』は必見ですね。そんな同ツアーについての意気込みをお伺いしたいです。

MIKEY:私は自分に自信がないからこそ、細かいところまで詰めてステージを作っちゃうタイプなんですね。でも今回はダンサーがKELO、AROE、MIKUということもあってそれが通用しないんです。「もうここからは自由でいいよね」みたいな部分がたくさんあるんです。何が起きるかわからないから不安だなと思っていたのですが、でもライブってそういうものなんだよな、と。なので今回は自由で何が起こるかわからない、予定調和じゃないその日だけのものが見せられると思います。そこを楽しみにしていただければな、と!

ーーありがとうございます。RYUHEIさんから見た、MIKEYさんのステージ、東京ゲゲゲイのステージの良さもお伺いしたいです。

RYUHEI:昔の動画もYouTubeに上がっているのでぜひ見てみてほしいのですが、MIKEYさんがステージで伝えたいものってFワードって感じなんです。僕、すごく好きなのがMIKEYさんがオナラの音で踊っているパフォーマンス。安っぽい言葉になってしまうのですが、ステージの上で当たってない感じがすごくいいな、と。スタイルで見せるというよりも、MIKEYさんがダンスそのものというか。例えばポッピンを習っていた人だったら、自分のやりたいように踊ったとしてもポッピンの要素が出てしまうと思うんです。でも、MIKEYさんは本当にやりたいようにやっていて、脳みそが支配される感覚に近いんですよね。東京ゲゲゲイの作品はダンスシーンにおいて衝撃的でしたし、そこから曲も作っていたし。そういうものを見るだけですごく刺激になると思います。

MIKEY:じゃあ、私がBE:FIRSTに入るからRYUちゃんが東京ゲゲゲイになってほしい。RYUちゃんの代わりに私がいるBE:FIRST(笑)。

RYUHEI:(笑)。でも本当に具現化できない感性がそこにあるので、「皆さん絶対見てください!」と言う感じです。

東京ゲゲゲイ MIKEY×BE:FIRST RYUHEI

ーー必見ですね。ちなみに、ツアーと言えばなのですが、BE:FIRSTも今ワールドツアー中ですよね。手応えはいかがですか。

RYUHEI:感性が変わる経験をしている気がしています。ライブを見に来ている人って、本当にいろんな目的を持っていて。日本はそのアーティストが好きだからライブに行くという方が多いですが、海外は遊びの行き先の一つとしてライブがあって。僕らではなく、音楽そのものが好きで来てくれている人も多いんですよね。そういう人たちを目の前で見ていると、好きなものを好きで居続ける文化があってこそ音楽って発展していくんだなと感じました。だからこそ、MIKEYさんのツアーもすごく気になっています。ワールドツアーを通して、ツアーは「こなさない」ことが大切だと実感したので、MIKEYさんが作る予定調和ではないステージを全部見たいと思うくらい楽しみにしています。

ーーでは最後に、お互いにひと言ずつメッセージをお願いします。

RYUHEI:もっと遊んでください!

MIKEY:富士急ハイランドでも行く?

RYUHEI:いいっすね。絶叫系得意なんで。

MIKEY:じゃあ私からも。これはRYUちゃんのことが大好きという前提で聞いてほしいんですけど、RYUちゃんと会った後ってすごく落ち込むんです。自分が失ったものーー例えば若さや若い情熱、才能をまざまざと見せつけられている気になってしまって。そういったものの使い所がなかった10代の自分を思い出したり、私が叶えられなかったことを叶えているRYUちゃんを羨ましく見てしまったりするんです。ただ、「だからもう会いたくない」なんて気持ちは一切ないし、会うことを辞めるつもりもないですし。今この年齢になったからかもしれませんが、RYUちゃんのことを若い時に死んだもう一人の自分みたいに思ってしまうんです。でも、一方でRYUちゃんに癒やされている部分もあって。日本には歌って踊れるアーティストはたくさんいて、見ていると苦しさを覚えますがRYUちゃんだけは許せる。許せるってすごく上から聞こえるかもしれませんが、私なりのエールと愛です。

RYUHEI:ありがとうございます。

MIKEY:聞いてました?

RYUHEI:(淡々と)はい。教訓だな、愛に溢れた言葉だと思って聞いていました。

MIKEY:これ、全部カットでお願いします(笑)!

『TOKYO GEGEGAY 2025 TOUR』フライヤー

『TOKYO GEGEGAY 2025 TOUR』フライヤー

東京ゲゲゲイ「Gee Gee TRAIN」
「Gee Gee TRAIN」

■リリース情報
「Gee Gee TRAIN」
2025年5月24日リリース
楽曲配信URL:https://linkco.re/ah9eaYxU

■公演概要
公演名:PARCO PRODUCE 『TOKYO GEGEGAY 2025 TOUR』
出演:MIKEY from TOKYO GEGEGAY
ダンサー:KELO、MIKU、AROE
ミュージシャン:園畑貴之(Key)、須藤豪(Mp/Key)、松原“マツキチ”寛(Dr)

公式サイト:https://stage.parco.jp/program/gegegay2025
企画制作:パルコ

東京公演 7月4日(金)〜8日(火)PARCO 劇場
大阪公演 7月12日(土)・13日(日)森ノ宮ピロティホール
福岡公演 7月16日(水)福岡市民ホール 大ホール
広島公演 7月17日(木)広島上野学園ホール
名古屋公演 7月25日(金)岡谷鋼機名古屋公会堂

料金:全席指定 ¥9,500(税込)/U-30 チケット ¥6,000(東京/福岡/広島/名古屋公演)
/¥9,800(大阪公演)

お問い合わせ先:
(東京/福岡/広島/名古屋公演)
チケットに関するお問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日 12:00~15:00)
公演に関するお問合せ:パルコステージ 03-3477-5858
(大阪公演)
キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00~17:00 ※土日祝休業)

■出演者情報
【KELO】
アポロ・シアターのアマチュアナイトで年間チャンピオンを獲得。地上波 TV 復活ダンス甲子園では2連覇を達成したほか、数々のダンスコンテストに入賞。ストリートシーンにどどまらず様々なシーンに活動の幅を広げ表現活動をしている。D.LEAGUE の KADOKAWA DREAMS サブディレクター。

【AROE】
D.LEAGUEに参画するCyberAgent Legitのメンバー。5歳の時からダンスを始め、中学1年生の時にソロコンテストに出場するようになったタイミングでHIPHOPを主軸に活動。個人、チームの両方でコンテストやイベントに数多く出演。

【MIKU】
5歳からダンスを始める。東京ゲゲゲイのメンバーとして2013年始動、2022年7月に卒業。卒業後もダンスを続けながら、演劇やアーティスト活動を開始。作詞、作曲、歌唱、振付、出演を手がけた1st single「空白」を2024/1/1に、1st EP「幻想」を同年12/31にリリース。マルチなフィールドで精力的に活動中。

【園畑貴之(キーボード)】
26歳でBMG FUN HOUSEよりハルニレのリーダーとしてデビュー。全作曲、アレンジを手がける。その後、マユミーヌ、Orienta、清家千晶らのサポートキーボーディストや作曲、アレンジャーとして活動中。その他、ピアノ、弦、菅アレンジ、多数出版。

【須藤豪(キーボード/シンセサイザー・オペレート)】
「高橋幸宏」に認められ1994年の「MR.YT EST.1952 TOUR」でミュージシャンデビュー。「宇多田ヒカル」「星野源」「May J.」「MISIA」「Mr.Children」等のレコーディング、ライブに参加。ゲームミュージック、CMなど作・編曲、オペレーター、キーボーディストとして活動中。

【松原“マツキチ”寛(ドラム、パーカッション)】
仙台市出身。1989年に上京後セッションドラマーとして活動。近年では玉置浩二、小泉今日子、ゆずのコンサートに参加。現在ミュージカルLazarusに参加中。

【安宅秀紀(音楽監督)】
トラックメイカーおよびミキシングエンジニア。「PUO」メンバー。関連アーティストはケツメイシ、Rei、ASA-CHANG&巡礼、花譜、VALIS、こっちのけんと、VOLTACTION等。

『TOKYO GEGEGAY 2025 TOUR』公式サイト:https://stage.parco.jp/program/gegegay2025

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