YOASOBI、ウェンブリーでのヨーロッパ初ワンマンを目撃! 熱狂と興奮の途切れない愛に満ちた空間に
YOASOBIがロンドンのOVO Arena Wembley(ウェンブリー・アリーナ)にて、6月8・9日の2日間にわたり初のヨーロッパ単独公演を開催。計1.8万人を前に世界を魅了するJ-POPの存在感を示した。本稿では6月8日公演の模様をレポートする。
発表時にはロンドンの地下鉄に大きな看板が掲出され、現地での注目度の高さを感じさせたYOASOBI。当日の会場には20〜30代を中心に、現地のファンのみならずアジア各国から訪れたであろう多様な人々が集まっており、国や文化を越えてYOASOBIの音楽が届いていることを早くも実感する。また、コスプレやグッズで一色というよりは、音楽を純粋に楽しみに来た観客が多いようにも感じられた。
会場が暗転すると、あちこちでペンライトの明かりがすでに踊っている。前方に映し出された数字を読み上げながら「Ten」から「One」へと英語読みでカウントダウンの声が上がると、YOASOBIの2人がステージに現れ、「セブンティーン」のイントロと同時にikuraがマイクを握って叫ぶ。
「Welcome to the YOASOBI SHOW! We are YOASOBI from Japan」
その瞬間、歓声は掛け声に変わり、大勢の観客たちが飛び跳ねながら手を振っている。楽曲を聴き込み、何度もライブ映像を観て心待ちにしていたYOASOBIをようやく目の前にしたファンの興奮と熱気が伝わってきた。
〈遥か遠くに浮かぶ星を〉の歌い出しでさらなる歓声が上がった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ「祝福」では、ドラムのビートが楽曲の重厚感をより高めていく。会場を見渡しながら、感無量の表情を浮かべるAyase。ラウドな曲調からテンポよく繋がれた「UNDEAD」ではikuraが〈ピースピース〉の台詞をキュートに決める。ikuraの「Are you ready to dance?」の煽りから始まったのは、ビデオゲームを彷彿とさせるエレクトロニックなサウンドが特徴の「PLAYERS」。ビートに合わせてジャンプし〈もう一回 もう一回〉と叫ぶ観客との掛け合いを心から楽しんでいる様子だった。
Ayaseの手拍子から始まった「New me」に続き、「ハルジオン」、そして最新曲「Watch me!」をライブで初披露。同楽曲がオープニングテーマとなっている『ウィッチウォッチ』のアニメカットが映し出され、キュートなステージングを見せた。
「たぶん」では、観客がスマホライトを振って幻想的な空間が広がる。「モノトーン」に続く「優しい彗星」では、ikuraがスポットライトを浴びながらクリアで芯のある歌声を披露した。
Ayaseの「What’s up London」に歓声で応えるオーディエンス。「いいね、めちゃめちゃ調子良さそうだね」と観客を煽ったあと、真っ暗な会場に爆発するような赤の照明が放たれた。ikuraの歌い出しで始まったのは「怪物」だ。青いライトも重なって、ステージは一気に『BEASTARS』を彷彿とさせるダークな空間に彩られる。鋭さを増していくikuraの歌声に呼応するように、オーディエンスの掛け声が会場の熱量を高めた。
続いて、緑のレーザーライトが光る神々しい演出で始まった『葬送のフリーレン』のオープニングテーマ「勇者」。世界中で愛されるアニメ作品の楽曲を数多く手がけるYOASOBIだが、楽曲ごとにikuraの歌声は表情を変え、それぞれの曲が持つ物語の世界観へと誘ってくれているかのようだ。
ikuraのアカペラから始まった「あの夢をなぞって」では、Hiroki Oono(Dr)、森光奏太(Ba)、Ena Suzuki(Key)、AssH(Gt)がそれぞれ間奏でソロパートを披露し、会場を沸かした。