えぶホスPlayers「えぶりでいホスト」バイラル急伸 鬼龍院翔のセンスが発揮された痛快な1曲
「えぶりでいホスト」は、非常に忙しいアップチューンだ。サビではパラパラを彷彿させるようなEDMのアレンジに展開したり、途中ではBPMを落として、ラップのようなアプローチを組み込んだりと構成も凝っているが、バックトラックにレトロゲームのような音を効果的に入れたり、間奏でメランコリックな鍵盤の連打があったりと、アレンジもかなり練られている。さらに歌詞で〈姫 悲鳴 締め日〉とユニークに韻を踏んだかと思えば、〈肝臓に刻む ホストのルール〉とホストの現実を綴る。そして最後には〈だから飲んだら/吐いて飲んだら/HAPPEY不可避〉と、ポジティブに開き直ってみせる。本曲に登場するホストは作中で描かれる〈花舞伎町〉という街に飲まれそうになりながらも、ホストとして一生懸命生きている。
宴会芸のような楽曲だが、どこか切実に聴こえてくるのは、この一生懸命さが大きく影響していると思う。鬼龍院は歌詞でホストの生き様、そしてそれが泡沫で刹那的であることをシニカルに切り取っているのだ。また、演出過多にも思えるほどのボーカルパフォーマンスで、リスナーを圧倒すると同時に、その中毒性も高い。細かくローボイス、いわゆるわかりやすいイケボを登場させているあたりも、強烈なフックになっている。
「えぶりでいホスト」は、ゴールデンボンバーの「女々しくて」や「トラウマキャバ嬢」などにもみられる、キャラと世界観を一曲に集約する鬼龍院特有の力が発揮されている。タイトなパンチラインを次々と繰り出すパターンも共通して見られる特徴だ。キャラクターに歌わせることによって、リスナーは“演じられていること”を承知しながら、そこに没入していく。この暗黙のカタルシスこそが、鬼龍院翔が作り出す楽曲の持ち味である。
※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2025-06-18

























