J-HOPE、JINとJUNG KOOKも駆けつけたBTSデビュー記念日の一夜 「メンバーは僕にとっても大切な存在」

J-HOPEが6月13日と14日、ワールドツアーアンコール公演『j-hope Tour 'HOPE ON THE STAGE' FINAL』を韓国・高陽総合運動場メインスタジアムで開催した。観る者の記憶に刻み込まれるようなラップと、細部までキレのあるダンスでARMY(ファンの呼称)を圧倒したJ-HOPE。会場にはBTSのメンバーも駆けつけ、JINとJUNG KOOKがパフォーマンスを披露してJ-HOPEと笑顔を交わすシーンも見られ、BTSのステージ復帰を待ち望んでいたファンにとって大いに心動かされるコンサートとなった。今回、本稿では、BTSのデビュー記念日である6月13日に行われた公演の模様をレポートする。
燃えるような赤色の衣装に身を包み、高陽総合運動場メインスタジアムの広いステージ上に姿を現したJ-HOPE。まずは「What if…」と「Pandora's Box」を披露すると、ジッポライターを取り出して火をつけ、「Arson」のステージへ。炎が噴き出す演出も交えながら、クールな楽曲を続けてパフォーマンスしていく。

「STOP」を経て、MCを始める瞬間、会場全体に響き渡るARMYたちの大歓声に耳を澄ませるJ-HOPE。彼は両手で「もっともっと!」という仕草をして歓声をさらに煽ると、「コンサートにきてくださったARMYの皆さん、ようこそ!」と笑顔を見せる。J-HOPEは「ついにファイナルです。僕も実感が湧きません」「ファイナル公演、思い切り楽しみましょう!」と語ると、「MORE」では数名のパフォーマーとともにダークなステージを展開し、冒頭から一気に自身の世界観を作り上げていく。

その後、一度ステージから立ち去ると、J-HOPEは黒いハットと茶色のベスト、グレーのハーフパンツに衣装替えし、彼がJ.Coleとコラボし、2023年にリリースした「on the street」をソロバージョンで披露。メロディアスなサウンドに存在感のあるしゃがれた声でラップを乗せていくと、会場中のARMYに笑顔で曲を届けた。
続いて、ダンサーたちがステージに登場。ストリートの片隅でダンス対決をしているかのごとく、お互いにダンスを楽しみ合っているようなパフォーマンスを披露して、観客の視線を釘付けにしていく。その後、ツアー名が書かれたトランクを持ってJ-HOPEが登場。彼はトランクの前にかがむと、両手でハートマークを作り、ARMYたちから大きな歓声が沸いた。そして、トランクを開くと大きなカセットが登場し、洗練されたダンサブルな楽曲のパフォーマンスが続く。

「lock / unlock (with benny blanco & Nile Rodgers)」「i don't know (with HUH YUNJIN of LE SSERAFIM)」を披露すると、「i wonder... (with JUNG KOOK of BTS)」で6月11日に除隊したばかりのJUNG KOOKがステージに登場。6月13日はBTSのデビュー日ということもあり、デビュー12周年を迎えた記念すべき日にメンバーがステージで肩を並べた光景を見られたことで、ARMYからは大歓声が沸き起こる。そんなARMYの姿を見て、満足げな笑みを浮かべるJ-HOPE。JUNG KOOKは笑顔で会場を見渡している。ふたりで息の合ったダンスを披露。彼らは曲が終わると、お互いのこれまでの歩みを称え合うかのようにどちらからともなく抱き合った。

JUNG KOOKはマイクを握ると、「1年6カ月、ずっと会いたかったです」とARMYへの想いをしみじみと語った。J-HOPEは「(JUNG KOOKが)ファイナルコンサートで一緒に楽しんでくれて、とても感動しました」と笑顔でコメント。JUNG KOOKはその言葉に「呼んでくれてありがとう」と返すと、「久しぶりに皆さんの前でステージができて嬉しいです」と続け、「Seven (feat. Latto)」をパフォーマンス。会場全体に伸びていく美しい歌声を響かせながらキレのあるダンスを繰り広げると、原曲ではラッパーのLattoが担当しているラップパートをJ-HOPEが歌い、BTSならではのコラボレーションが実現。非常に楽しそうな表情を見せるJ-HOPEの姿が印象的で、近い未来に実現するであろうBTSの完全体でのステージに大いに期待を寄せたくなる一幕となった。

「Trivia 起 : Just Dance」を披露したのち、白いタンクトップとデニムに着替えたJ-HOPE。ここからは今年リリースした新曲たちをパフォーマンスする時間へ。まずはリリースしたばかりの新曲「Killin' It Girl (feat. GloRilla)」を初披露。全身を大きく使った切れ味抜群のダンスで観る者を圧倒していく。続いて、「MONA LISA」で華やかかつ軽やかなダンスを披露すると、「Sweet Dreams (feat. Miguel)) - FNZ Remix」ではパフォーマンス中に投げキッスの仕草なども交えながら、ARMYに幸せな気持ちをたっぷりと届けたステージとなった。
ここで再びMCへ。初披露となった「Killin' It Girl (feat. GloRilla)」を含め、披露した3曲の感想を「どうでしたか?」とARMYに問う。歓声を耳にし、J-HOPEは「皆さんが喜んでくれたらそれで十分です」とファン想いなコメントを寄せた。そして、今年リリースした3曲は“愛”というテーマにJ-HOPEならではの方法でアプローチした楽曲なのだと口にする。特に「Killin' It Girl (feat. GloRilla)」は「J-HOPEの“セクシー”が見られる曲」と少し照れくさそうに解説し、「強くてパワフルな姿も見せたくて準備しました」と明かした。
その後、「1 VERSE」「Base Line」「HANGSANG (Feat. Supreme Boi)」など複数の楽曲をショートバージョンで披露すると、「Outro : Ego」でコンサート終盤に向けて会場の盛り上がりを加速させていく。ベッドに寝転ぶ演出で歌った「Daydream」やダークなラップが印象的な「Chicken Noodle Soup (feat. Becky G)」を続けてパフォーマンスする。

「あと少しで終わってしまいます」と語り始めると、ARMYに「(BTSデビュー日の)6月13日、楽しんでますか! 『BTS FESTA』、楽しんでいただけていますか!」と尋ねるJ-HOPE。観客から大きな歓声が沸き起こると、彼は感極まった様子を見せ、いつもよりも潤んだ目で再びマイクを握る。そして、この公演にBTSの全メンバーがきていることを明かし、メインステージの大スクリーンにRMやSUGA、JIMIN、Vが映し出された。J-HOPEは「『HANGSANG』はメンバーを見ながら歌った」「メンバーは僕にとっても大切な存在」と語ると、「これからもずっといい音楽をお届けできるようにします」と今後への想いを口に。そして、実は今回、喉を痛めた状態でステージに上がっていたことを明かし、「(ARMYのおかげで)喉が痛いのも忘れるくらい楽しんだ」「(ARMYは)J-HOPEを動かせます。大好きです、本当に」とコメントした。
ラストは、洗練されたカッティングギターとピアノによるダンサブルなサウンドと、そこに乗るJ-HOPEのラップが心地好い「Hope World」。最後の瞬間まで観客を魅了していった。