GANG PARADE、運命のアルバム『GANG RISE』のすべて 全20曲解説――セルフライナーノーツインタビュー!

06. アンビバレント/ヤママチミキ

RED in BLUEの田口悟さんに作詞作曲をしていただきました。対バンをしていただいたんですけど、その前の時点で楽曲提供が決まっていました。「アンビバレント」、本当にかっこいいです。再始動してからのギャンパレの音楽は“PARADE感”が強いというか、ハッピーっぽいものが続いていたんですけど、この曲は“GANG感”が強いですよね。ダークさもあって、かっこいい方向に振り切っています。マイカが作ってくれた振り付けもすごくかっこいいものになっていて。「かっこいいギャンパレを見せたい」という思いの見え方のひとつなので。いいですよね、治安の悪い感じ(笑)。ライブで初めてやった時に手応えがありましたし、お客さんからも良い反応を頂けたので、「こういうのも求められてるんだな」とあらためて感じました。
ハッピーで大家族な感じも今のギャンパレのよさのひとつではあるけれど、オラついた面だったりかっこいい面に振り切った曲もまたひとつ加わることで、グループとしての印象を一新できるのかな、と。メッセージソングにもなってますよね。歌詞も曲とすごくマッチしてる。本当に、タイトル通り、自分に対して歌っている感覚にもなるんですよ。今まで活動してきた自分と重なるものもあるのかも。歌いながら気持ちがシャキッとするんですよね。WACK最古参になってました、いつの間にか(笑)。でも、「今までに自分が積み重ねてきたものは間違いじゃない」と教えてもらえたし、後ろ向きな気持ちになってしまった瞬間も間違いじゃなかったと思わせてくれる曲です。あと…………この曲は歌割りが多くて嬉しいです(笑)。
07. 一夏 (11SOUL ver.)/ヤママチミキ

今までのギャンパレにはなかった、ちょっと大人なお姉さんっぽい感じの曲ですよね。ハモり担当のメンバーがメインメロ担当と同じくらいパフォーマンスのフォーメーションで際立っているのも独特だと思います。ギャンパレのライブはお客さんと一緒に踊ったり騒いだりすることが多いんですけど、「一夏」はどちらかというと「こういう面もあるんですよ」と示すタイプなのかな、と。
私のこの曲に対するイメージは「残暑」。打ち上げ花火が全部散った後に、みんなが帰るような風景、まだちょっと蒸し暑いけどもうすぐ夏が終わりそうな時期の気配が、歌詞からもすごく伝わってきます。そういえば、「11SOUL ver.」で私の歌割りがひとつ増えたんですよ。新しいバージョンでレコーディングする時に私の歌割りが増えることはあまりないので、珍しい(笑)。せっかく歌わせていただくことになったので、自分らしく歌いました。自分の歌い方の癖はずっとあり続けているものなので、それが映えたらいいなと思いながらいつも歌っています。アクセントがほしいと思ってもらった時に、私を当てこんでいただくことも多いのかも。一癖ほしい時に「とりあえず……」みたいな(笑)? でも、曲によって自分の見せ方を変えられるのが面白いんですよね。幅広い曲があるのがギャンパレの楽しさです。そんないろいろな自分を見せられるライブは、すごくありがたい場だなと感じています。
08. 涙は風に、思いは歌に (11SOUL ver.)/月ノウサギ

リリースしたのももう1年半前かあ。ミキの歌から始まる、「バラードなのかな?」と思うくらいの静かな序盤なんですけど、サビ終わりの間奏あたりから「なんだこれ!?」って思わせる衝撃がありますよね。そうなんですよ、ライブがいいんですよ! 「間奏は音が印象的だから、振りもそれに合ったものにしたい」とマイカが言ってくれて、振り付けはみんなで意見を出し合いながら、今の形になっていきました。リリースした時、歌の部分じゃなくて間奏の部分を踊る動画をTikTokに投稿したんですよ。そしたら、「TikTokのあれ、この曲だったの?」という感じの反応があって。ギャップのある曲だと思います。
Misumiさんが書いてくださった歌詞は、メンバーからは出てこないような言葉がたくさんあって。サビのアタマの〈世界に傷跡をつけたいんだよ〉とか、いい言葉だなあって。私たちは「もっと売れたい」「もっと大きなところでライブをやりたい」というようなことを言いますけど、こういう言葉で向上心を表現するのもすごい。素敵な感性の言葉で歌えると、新鮮な気持ちになるんです。私は〈零れ落ちてく これが何度目だろう〉のところを歌っていて、共感できるというか。自分の過去の経験を投影しながら歌ってます。終盤の〈もしもあなたが〉からアウトロにかけて盛り上がっていく部分の歌割りは、加入順なんですよ。1行目はミキ、ユア、マイカ、2行目はココとドク、3行目は私とナルハ、〈空も 海も 街も 人も〉からはそのあとに新しく入ってきたメンバー(キラ・メイ/キャ・ノン/チャンベイビー/アイナスター)がひとりずつ歌ってます。ギャンパレの軌跡が反映されているんですよ。そこも聴きどころだと思います。
09. イマヲカケル/ユメノユア

巨匠(KEYTALK・寺中友将)に作っていただいて。今年の頭に新宿ロフトで巨匠と対バンをしたあとに楽曲提供をしていただけることになったんです。私、「イマヲカケル」が大好きで。仮歌が入ったデモをいただいた時から大好きで、レコーディングをしたり、ライブでパフォーマンスをするようになってからは、目の前にいる遊び人のみんながいる環境がすごくすごく愛おしいなと感じるようになりました。遊び場の風景がすごく目に浮かぶ曲なんですよね。かっこいいけど優しさもあるのが、私が好きなポイントなのかもしれない。聴く度に「巨匠の曲だ」って感じます。新宿ロフトでの対バンの時に「いつかKEYTALKとも一緒にやろうね」と巨匠に言っていただいたので、その日がくるまでに自分たちを磨いていきたいです。〈今×僕ら=絶対 だ〉とかキラーフレーズですよね。すごく覚悟があるのも、ギャンパレのことを思って書いてくれたんだなって。
ライブはやっぱり一期一会ですし、来てくれた人にとって、そのライブは最初で最後かもしれないんですよね。観てもらえるのは当たり前ではない。ライブに来てくれた全員がまた同じように集まる空間は二度とない瞬間ですし、「楽しかった」という思い出を全員に持って帰ってもらいたいなと、今ツアーをまわりながらいつも思っています。
10. グッドラック・マイフューチャー/キラ・メイ

11人体制になってからの最初の曲で、去年のLINE CUBE SHIBUYAで初披露しました。草野華余子さんからいただいたアンケートにメンバーそれぞれが答えて、それをもとにしながら作詞作曲をしていただきました。「ここまで自分の気持ちを言葉にしていいんだ」と、歌詞を見た時に思いました。自分たちで歌詞を書いたら、ここまでありのままの気持ちを言葉にすることはできなかったでしょうね。みんなの気持ちをひとつにまとめてくださったので。それを11人体制での最初の曲として歌えてよかったなって、LINE CUBE SHIBUYA(『TO BE BORN』)で思いました。
ライブ全体の流れのなかでの大事な場面で歌っていますし、対バンイベントだったりで「GANG PARADEはこういう表現もできるんです」と示すことのできる曲のひとつにもなっていると思います。メッセージ性がとても強いので、メンバーの気持ちが乗りやすいのかなと。私たち、最近草野さんのボイトレに行かせていただいたり、お話をさせていただく機会が増えて。そういうことも経て、「グッドラック・マイフューチャー」をGANG PARADEの想いとして伝えるには、ラストのサビをどうやって歌うのかとか、塊としてお客さんに届けるにはどうしたらいいのかとか。「込めた想いを伝えるにはどうしたらいいんだろう?」「11人それぞれの気持ちをひとつの塊にして届けるためには、感情表現の足し引きも全員で揃えたい」とか、表現の仕方やバランスについて深く考えられるようになりました。






















