yosugalaがアイドルを選んだ理由、“売れること”へのリアルを語る 未経験からの快進撃と3年目の現在地

yosugalaが“アイドル”を選んだ理由

 2022年結成、君島凪、汐見まとい、黒坂未来、未白ちあによる4人組アイドルグループ・yosugala。ライブパフォーマンスの完成度や独自の世界観で注目を集める彼女たちは、まもなく結成から3周年を迎える。本インタビューでは、各メンバーがアイドルという道を選んだ背景や、影響を受けてきた音楽、これまでの活動を通じて育まれた関係性についてじっくりと語ってもらった。異なる価値観と覚悟を持ち寄って集まった4人が、“未経験”から積み重ねてきた今と、止まらぬ歩みの現在地とは――。(編集部)

“普通の進路”を手放して飛び込んだ、それぞれの決意と覚悟

――最初に、皆さんがアイドルを目指したきっかけをお聞かせください。

黒坂未来(以下、黒坂):それがちょっとはっきり思い出せなくて。でも、小中学校の頃にはアイドルを(テレビで)よく見ていました。ハロプロ(ハロー!プロジェクト)さんとか、欅坂46(現櫻坂46)さんとか。その時は「アイドルになりたい」とまでは思っていなかったんですけど。自分がやりたいことを考えた時に、アイドルしかやりたいことがないなあって気付いたのがきっかけだと思います。

黒坂未来(撮影=梁瀬玉実)
黒坂未来

――なるほど。汐見さんはいかがでしょうか。

汐見まとい(以下、汐見):私は特に憧れのアイドルがいたわけではなくて、もともとは普通に就職するつもりでした。でも、大学時代にバイトをしていたコンセプトカフェで“女の子を推す”人たちとしてのオタクと呼ばれる人たちに出会って、その人たちと一緒にいる時が、それまでの人生で一番ハッピーだったんです。そこで将来のことを考えて、安定した企業に就職する道よりもこういう形で人生を歩む道の方が絶対にいいと思ったんですね。そんな時に、今の事務所から声をかけてもらって、このグループに入りました。

――思い切りがいいですね。

汐見:正直、めっちゃ怖かったですけどね。中高大と私立の学校でお金は親が出してくれていたし、新卒というカードを捨てることになるので、生半可な覚悟ではダメだと思って。だから最初から(アイドルを)一生の仕事にするつもりで選んだし、後悔しないよう、絶対に結果を出そうと思っていました。

汐見まとい(撮影=梁瀬玉実)
汐見まとい

――では、未白さんはいかがですか?

未白ちあ(以下、未白):私はずっとアイドルをやりたくて、中学生の頃から一人で現場に行ったりしていました。好きなものへの憧れがそのまま“なりたい”に繋がるタイプなので、アイドルを好きになった時から自然とアイドルになりたいと思っていて、高校生くらいからオーディションを受けていたんです。もともとは学生時代で区切りをつけて普通に就職しようと思っていて、服飾の学校に通っていたんですけど、そっち方面に就職しても安定するかはわからないから正直どちらの道でもいいかなと思って、結果的に今もアイドルをやっています。どっちもやりたいんですよね。

――当時はどんなアイドルの現場に通っていたんですか?

未白:初めて行ったのは、NMB48の山本彩さんの写真集イベントです。中3の時は欅坂46さんの握手会。それから、地下アイドルにもハマりました。最近はまたハロプロさんに戻ってきています。地上から地下までいろいろ行きましたね(笑)。

未白ちあ(撮影=梁瀬玉実)
未白ちあ

――最後に君島さん、お願いします。

君島凪(以下、君島):私は小学生の時にAKB48さんが好きで、まゆゆ(渡辺麻友)さん推しだったんですけど、その頃からアイドルになりたい気持ちはずっとありました。中学時代にご当地アイドルのオーディションを受けて合格したんですけど、その時は親に反対されて。なので大学生になったらアイドルをやりたいなと思っていたら、(汐見から)声をかけられて、yosugalaに入りました。活動を始めた時は大学4年生だったので、就職活動も並行してやっていたんですけど、“今しかできない”という点ではアイドルも新卒カードも同じだなと思って、結局アイドルを選びました。

汐見:最初は仕事と両立しようとしてたよね?

君島:そうだったかも。でも、忙しすぎて絶対に無理だと思ったし、グループに迷惑がかかるなと思って。

汐見:個人としてはデビューできなくて必死だったから、とりあえず「軽い気持ちで入ってくれていいから!」って誘って。でも、入ってくれたら絶対に逃さないつもりでした(笑)。

君島凪(撮影=梁瀬玉実)
君島凪

――君島さんの参加が決まるまでは、4人組の最後のメンバーがなかなか見つからず、残りの3人は1年以上デビューできない状態だったらしいですね。皆さんが影響を受けてきた音楽についても教えてください。

黒坂:私はジャンルを問わず、耳に入ってきていいなと思ったものをダウンロードするタイプで、中学生の頃はE-girlsさんをずっと聴いていました。ライブにも行っていたんですけど、私と同じ人間とは思えないくらい歌もダンスもすごくて……自分が活動を始めてから、改めてそのすごさを感じています。ほかにも、アイドルならハロプロさんや、バンドだと色々聴くんですけどSCANDALさんとか。『ハイキュー!!』(MBS/TBS系)がきっかけでSPYAIRさんやスキマスイッチさんも聴いたりしています。

汐見:私はボカロとアニソンが大好きです。小学生の時に友達がボカロのCDを大量に貸してくれてから刷り込みのようにハマってしまって。そこから“歌ってみた”も聴き始めて、自分でも歌うようになりました。たぶん、地下アイドル界ではトップ10に入るくらいのボカロ好きだと思います(笑)。アニソンは、いわゆる電波ソング的なものよりは『鋼の錬金術師』(MBS/TBS系)や『銀魂』(テレビ東京系)の主題歌のようなJ-POP系の楽曲が好きで、そこから邦ロックも聴くようになりました。

――そういえば、みきとPさんの楽曲「まとい」の“歌ってみた”動画を、yosugalaのYouTubeチャンネルにアップしていますよね。

汐見:そうなんです! 実は私の“まとい”という名前も、この曲が由来なんです。さっきもお話ししたとおり、私は一生アイドルをやっていく覚悟だったので、名前を決める時も、もしかしたら本名よりも名乗ることが多くなるかもしれないのですごく悩んで。「まとい」は新卒というカードを捨ててアイドルになるという私の決断を後押ししてくれた曲なので、そこから名前をいただきました。3回目の生誕祭の時に、私がどんな気持ちでアイドルになったのかをファンの人たちに知ってほしかったので、この曲をみんなの前でカバーして、その時の動画を“歌ってみた”としてアップしました。

【歌ってみた】みきとP / まとい【Covered by 汐見まとい】

――未白さんは、先ほどお話しいただいたアイドル以外ではどんな音楽が好きですか?

未白:aikoさんがすごく好きで、ファンクラブにも入っています。小さい頃からお母さんが車で流していたので耳馴染みがあって、聴くと優しい気持ちになれるんです。それと高校生の頃はもっと尖った歌詞の曲――たとえば大森靖子さんの曲をよく聴いていました。今でも靖子さんの曲は聴きますね。

――なるほど。君島さんはギターも弾かれるみたいですが。

君島:小学生の頃はボカロとYUIさんが好きで、それがきっかけでギターを始めようと思ったんです。あとはアニメオタクの姉の影響で『けいおん!』を観て、あずにゃん(中野梓)がかわいいと思ったのも理由の一つです(笑)。でも、当時は親に「うるさいから」と反対されて(楽器を)買ってもらえず。その後、中学時代に邦ロックを聴くようになって、高校生になってやっとギターを買ってもらいました。その頃はSCANDALとかチャットモンチーのコピーバンドをしていて、大学生になってからはきのこ帝国とかの楽曲もやるようになりました。

――当時の動画を、ご自身のX(旧Twitter)アカウントにをアップしていましたよね。

君島:はい。それと君島大空さんが好きで、私の苗字はそこからいただきました。実は以前、ライブを観に行った時に、偶然会場の外でご本人とお会いしたことがあるんですけど、私が声をかけたら、知っていてくれて、お話ししたんです。なので私の“君島”は公認です(笑)!

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