ゆいかおりが“特別”な理由 小倉唯&石原夏織が歩んできた記念すべき15周年までの軌跡を振り返る
5月12日に、声優の小倉 唯と石原夏織がそれぞれのYouTube配信番組にて、彼女たち2人によるユニット・ゆいかおりのメジャーデビュー15周年を記念した一夜限りのスペシャルイベントを開催することを発表した。
2010年代の声優アーティスト界で人気を博していたゆいかおりだが、2017年からユニット活動を休止していただけに、今回の15周年に関する一連のニュースはファンだけでなく、シーンの間で瞬く間に話題となった。今回の記事では、ゆいかおりの二人がこれまで歩んできた軌跡を紹介していく。
芸能事務所・スタイルキューブのユニット・HAPPY! STYLE Rookiesのメンバーとして活動していた小倉と石原は、2009年にユニット・ゆいかおりを結成しインディーズデビュー。同時期に声優としての活動も本格的にスタートする傍ら、小倉がPSP用ゲーム『初音ミク -Project DIVA-』の初音ミクのモーションアクターとして起用されるなどして徐々に知名度を上げていき、その1年後の2010年に1stシングル『Our Steady Boy』でメジャーデビューを飾ることとなる。当時から二人のキレのあるダンスは話題となっていたが、さらにこの楽曲の魅力を押し上げていたのがEDテーマとして起用されたTVアニメ『kiss×sis』(AT-Xほか)のダンス映像だ。ゆいかおりと同じ振付のダンスをヒロイン二人が踊っており、その可愛さと楽曲の中毒性は多くの人を虜にしたのだった。
その後もゆいかおりは積極的に新曲をリリースしていく。愛らしいビジュアルや歌声、そして指先まで揃うシンクロ率の高いダンスなど二人のパーソナルな部分の魅力はもちろんのこと、楽曲のクオリティの高さもユニットの人気を押し上げる要素の一つとなった。
中でも、俊龍と前山田健一の二人はゆいかおりの楽曲を支えた作家として欠かすことのできない存在だ。一聴したら覚えてしまう印象的な“強いメロディ”を数々と繰り出す俊龍は、前述した「Our Steady Boy」のほかに、インディーズ時代の楽曲「恋のオーバーテイク」や、3rdシングル表題曲「HEARTBEATが止まらないっ!」(作詞は前山田)などを提供。そして、当時からアニメソングやももいろクローバーZへの楽曲提供などで名を馳せていた前山田は、「PUPPY LOVE!!」や「ウェィカッ!!」といったライブ映えするアップテンポな楽曲でゆいかおりのレパートリーに彩りを加えていった。小倉のキュートでオンリーワンな歌声と、時に可愛く、時に凛々しい石原の透明感あふれる真っ直ぐなボーカルの組み合わせは、賑やかなアイドルソングから聴かせるバラードまで幅広いジャンルに挑戦し、二人はアーティストとして着実に成長していくことになる。
ゆいかおりとしての活動が充実していく中で、それぞれの声優の仕事も次第に活発になっていく。小倉は、2011年にTVアニメ『ロウきゅーぶ!』(AT-Xほか)から生まれたユニット・RO-KYU-BU!として活動したことで注目度が一気に上昇。さらに2012年7月には、ソロアーティストデビューも果たすこととなる。石原も2012年放送のアニメ『あの夏で待ってる』(TOKYO MXほか)のヒロイン役で知名度を上げ、同年放送のアニメ『マギ』(TBS系)では少年役の主人公を演じるなど表現力の幅も広げていった。