地域活性化プロジェクト『温泉むすめ』は9年目へ　感謝溢れたライブ『FUSION☆FUSION!!』を振り返る

　2017年3月15日に本格的に始動した、温泉地をモチーフにした地域活性化プロジェクト『温泉むすめ』。その8周年を記念し、約5年ぶりとなる単独ライブ『FUSION☆FUSION!!』が2025年3月15日に東京・飛行船シアターで開催された。メインユニットのSPRiNGSから選抜された本宮佳奈（有馬 輪花役）、篠田みなみ（道後 泉海役）、日岡なつみ（登別 綾瀬役）、和多田美咲（奏・バーデン・由布院役）、そして新ユニットとなるVUCCA（ヴッカ）の進藤あまね（かみのやま 庵役）、反田葉月（福地 珊瑚役）、鈴木杏奈（稲取 ひなめ役）、立石 凛（別所 愛染役）が出演。2部にわたって行われた今回のライブのうち、本稿では2部の模様をレポートする。

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　まずステージに現れたのは、この日がお披露目となるVUCCAの4人。1部の活躍で彼女たちにすっかり心奪われた様子の観客は、新曲「オーバーフロー！」に声援を飛ばして早々にテンションを上げていく。1部時点では全員揃ってのポーズがなかった4人だが、ここでは揃ってVサインを作って「VUCCAです！」と元気よく自己紹介をしていた。

　フレッシュな彼女たちに対し、続いて『温泉むすめ』テーマ曲である「未来イマジネーション！」を披露したSPRiNGS選抜の面々は、MCで早速それぞれの個性が光るやり取りを展開。ご無沙汰ながら客席と息ぴったりな自己紹介を終えると、日岡が急に本宮のかわいらしさを褒め始め、その本宮も日岡を“褒め返し”。SPRiNGSとして集まったのは久しぶりながら変わらぬ和やかな雰囲気に、日岡は「久々のライブで（テンションが）変になってる」と苦笑していた。

　そのあとは、各温泉むすめたちがそれぞれのキャラクター性が色濃く出たソロ曲を展開していく。VUCCAの面々は進藤の「ココロコノママ」を除いてすべて新曲だったが、「まつりごと」で高い歌唱力と手慣れたパフォーマンスで魅せる鈴木に、傘を片手に艷やかに「雨の雫」を歌い上げた立石、そして「気分はストレンジャー」の脳が支配されるような“ぐるぐるぐるぐる”という強烈なフレーズで観客を回転させる反田と、それぞれが個性を存分に発揮。また、SPRiNGS選抜はソロ曲を初めてライブするメンバーも多かったが、サイリウムなどの小道具やダンサーとともに、こちらもキャラクターが持つ世界観をしっかりとファンに伝えていった。

　これらのソロ曲の前後には、SPRiNGS選抜とVUCCAから選ばれた面々によるユニット曲の披露も。日岡演じる登別綾瀬による「（道後）泉海ちゃんのかわいい姿が見たい」という言葉をきっかけに始まったのは、SPRiNGS内ユニットのSPicAが歌った「ロマンスの林檎」。元ユニットと被っているメンバーは日岡のみ。しかし日岡や反田にイジられてかわいらしい姿を見せてしまい、戸惑う篠田の困り姿の魅力は抜群だ。

　ライブの終盤では5分ほどの幕間映像が上映された。その内容は、今回のライブに向けて親睦を深めるためにキャンプをするというもの。なぜか舞台は雪山――寒さに苦労するVUCCAと軍隊チックなノリでテント設営をするSPRiNGSという対比が『温泉むすめ』らしくコメディタッチに描かれ、温かな拍手が送られていた。

　そこから一転、本宮によるアカペラからライブが再開し、反田、立石とともに「情熱のパラディソ」をスタート。炎が舞い上がる映像を背負っての“最強ユニット”・AKATSUKIの楽曲カバーから始まったラストスパートは、「SILENT VOICES」、VUCCAのもう1つの新曲「ユメハナビ」を経て、SPRiNGS選抜による「咲かせよ 沸かせよ バンバンBURN!」へ。ただでさえテンションが高い楽曲の上、ステージ上の4人は客席の左右にウェーブを作るように観客をジャンプさせ、盛大にライブ本編を締めくくった。