矢沢永吉、桑田佳祐、小田和正、沢田研二……“還暦”超えて東京ドーム単独公演を実現させたスターでありレジェンドたち

 小田和正も、また然り。オフコースとして1989年に解散コンサート『The Night with Us at Tokyo Dome』を開催後に、ソロとして2008年に『明治安田生命 Presents KAZUMASA ODA TOUR 2008「きっと またいつか♪今日も どこかで FINAL♪」』でソロとしてドーム初公演を開催。2011年には『明治安田生命 Presents KAZUMASA ODA TOUR 2011 “どーも どーも” その日が来るまで』で再び東京ドームのステージに立った。

 また、沢田研二は少し異なる形で記録を残している。2008年、60歳を迎えた彼は『人間60年 ジュリー祭り』と題し、東京ドームと京セラドーム大阪で還暦記念公演を開催。東京ドームでは全82曲、6時間を超える前代未聞のステージをやり遂げたのだ。途中で小休憩を挟んだだけで長時間ライブをやり抜く姿勢は、多くのファンにとって伝説となった。沢田はザ・タイガースとしても2013年に東京ドーム公演を行っており、桑田や小田同様にグループ/ソロの両面でドームのステージに立ち続けてきた存在である。

 いずれのアーティストも共通するのは、年齢に抗うのではなく、年齢を味方につけてステージに立っているということだ。今の自分を見せる場として東京ドームという巨大な空間をいつまでも選ぶことができるのは、まさに彼らが本物のスターでありレジェンドであることの証左である。還暦という年齢を超えてなお東京ドームという象徴的なステージに立つ彼らの姿は、単なる偉業にとどまらず、“希望”そのもの。限界を打ち破るのではなく、自然体で更新し続ける姿こそが、新しい時代のロックンロールなのかもしれない。

 矢沢が放った「俺マジでヤバイよ 今年のドーム!!」という言葉は、ただの煽りではない。その裏には、長年ステージに立ち続けてきた者にしかわからない覚悟と自信があるのだろう。そして我々は、その“ヤバイ”ステージを、この秋目撃することになるのだ。

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