矢沢永吉、ゴダイゴ、岩崎宏美、岡田奈々……2025年に”50周年”を迎えるアーティストの偉大な足跡
周年アーティストが各地でアニバーサリーライブやアニバーサリーツアーを繰り広げることが、もはや通例となりつつある現在の音楽シーン。本稿では、2025年にデビュー50周年を迎えるアーティストをピックアップし、その歴史と功績について触れていきたい。
まずは、ソロデビュー50周年を迎える矢沢永吉だ。彼の軌跡の中には、数々のレジェンド級の記録があるが、中でも最大のトピックは、1977年に日本人のソロロックアーティストとして初の日本武道館公演を行って以降、2023年までの日本武道館での最多公演記録を今も自身で更新中であることだ。日本武道館が“ロックの殿堂”と呼ばれるようになったのは、矢沢の存在も大きく影響しているだろう。
さらに、矢沢永吉というロックアーティストの最大の功績は、日本の音楽シーン、ヒットチャートシーンに“ロック”という言葉と概念をメジャーシーンに押し上げたことである。矢沢は、活動の幅を広げながらも、変わらぬ己の美学を貫いている。ゆえに、生き様を通してロックを体現しているとも言えるだろう。ソロデビュー50周年を迎える2025年は、6月7日から展示イベント『EIKICHI YAZAWA 50th Year Memorial Exhibition「俺たちの矢沢永吉」展』を神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館で開催することが発表されている。今後のさらなる発表に期待したい。
次に取り上げるのは、2025年に結成50周年を迎えるゴダイゴである。1976年、アルバム『GODIEGO (組曲:新創世紀)』でデビューしたゴダイゴは、日本のプログレッシブバンドの草分け的存在だ。1970年代後半から1980年代にかけてヒット曲を連発し、当時全盛期だった『ザ・ベストテン』(TBS系)など、テレビにも積極的に出演することで“バンドというスタイル”を視聴者に認識させた。
1978年にリリースされ、テレビドラマ『西遊記』(日本テレビ系)の主題歌となった「モンキー・マジック」(OPテーマ)、「ガンダーラ」(EDテーマ)が、『ザ・ベストテン』で8週間にわたり2曲同時にトップ10入りする大ヒットを記録。アニメ映画『銀河鉄道999』(フジテレビ系)の主題歌としてヒットした「銀河鉄道999」(1979年)も、スタイリッシュな曲調と洋楽然としたアレンジにアニメの主題歌らしい歌詞をつけ、サビは英語という非常にアグレッシヴで洗練された曲だった。洋楽のエッセンスをしっかり取り込んだ楽曲は、当時のヒットチャートではいい意味で少し浮いていて、そのサウンド自体がゴダイゴの代名詞となり、以降の音楽シーン、特にヒットチャートシーンに大きな影響を与えた。