Aqua Timez、Official髭男dismらが繋いできた“バンド×ピアノ”の方程式 新たなサウンドを奏でるJIJIMが貫く普遍性

つまり、このバンドの強みは6人が紡ぎ出すバンドアンサンブル全体にこそある。そのことを特に実感する楽曲が、4月9日にリリースされた「スタンドバイユー」だ。切なさと温かさが同居するミドルテンポのソウルチューン「スタンドバイユー」は、全編を通して響くハモンドオルガンの音色が、この楽曲に宿る“懐かしさ”を増幅させる大切な役割を担っている。これまでの楽曲と比べると、大々的にピアノサウンドがフィーチャーされているわけではない。その意味でもこの曲は、バンドにとっての新機軸の一曲と言える。同曲において大切な役割を担っているのが、先述した6人が紡ぎ出すバンドアンサンブルである。各メンバーが奏でる音は、それぞれが決して過度に主張したりすることなく、“歌”に丁寧に寄り添う姿勢を感じさせる。そうした姿勢は、もちろんこれまでの楽曲にも貫かれていたが、「スタンドバイユー」はソウルフルな楽曲に仕上がったからこそ、「歌を届けよう」という強い意志が感じられる。
豊かなバンドアンサンブルによって優しく包まれるように響くシンジュの歌も素晴らしい。たくましく、たおやかな響きを放つ彼の歌は、すべての聴衆の耳に届くような、色褪せることのないあたたかな普遍性がある。〈スタンドバイユーどこまでも/スタンドバイユー約束を/スタンドバイユーいつまでも薄れずに〉というサビの歌詞は、決して難解ではない、短くも優しい言葉選びによって紡がれていて、その洗練度は全方位に響き得るものだ。
シンジュは「いつか坂本九さんの『上を向いて歩こう』のように、子どもから大人、おじいさん、おばあさんまで、どんな人でも口ずさみたくなるような、歌えば少し幸せになれるような普遍的な楽曲を作りたいと思っています」(※1)と話していたが、「スタンドバイユー」に貫かれる普遍性は、明確なビジョンのもとに実現したことがよくわかる。高い精度で日本のポップの核心を射抜くソングライティングのセンスをあらためて感じた。
シンジュは、同曲について、「歩みがあってもなくても、そこに居ても居なくても誰かとの別れがそこにはあって『それでも尚側にいたい』という想いを込めてスタンドバイユーという曲は出来ました」とコメントしており、ここでいう“想い”とは、「1音1音に願いを込めて音を届ける」というバンドの信念に照らし合わせるならば、“願い”であると言えると思う。一つひとつのポップソングを通して、“願い”を共有し、高らかに歌い響かせる。そうしたJIJIMの歩みはまだ始まったばかりで、今後の進化、新境地の開拓、そしてライブへの期待が否応もなく高まる。
※1:https://realsound.jp/2024/08/post-1755022.html
■リリース情報
『スタンドバイユー』
配信中
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