ICEx、COOLerと共に過ごした結成2周年記念日 8人の個性と魅力が一つになってこれからも進む

ICEx、COOLerと共に過ごす結成2周年記念日

 MCではまず、志賀が「“ROUTE-8”ということで、一人ひとりにフォーカスした演出をしています」とコンサートの趣旨を説明。山本は直前に披露した「Dash and Rush」について、「ICExの曲の中では珍しい、静かな曲」「誰かと比べて劣等感に襲われることもあると思うんですけど、そんな気持ちを歌っています」と、曲に込めた想いやコンセプトを解説した。その後、衣装チェンジの合間に阿久根と八神遼介、竹野、筒井がステージに残り、近況をトーク。8人は本公演の前日に、リハーサル終了後、全員で焼肉を食べに行ったそう。しかし、店にたどり着くまでに到着駅や道を間違えるなど多数のトラブルが勃発したことを明かし、会場は笑いの渦に包まれた。

 竹野の「後半戦も盛り上がっていけますか!」のかけ声から、パフォーマンスを再開。中村が颯爽と舞台上に登場し、軽やかでキレのあるソロのダンスパフォーマンスを披露してから、ダークな雰囲気の漂う「ナイトフライト」のステージへ。全身をしなやかに使いつつも、パワフルな表現も両立させる中村のダンスの実力を終始堪能できた一幕となった。その後、「Cyber Groovin’」では、八神にスポットライトが当たる。ファンキーでダンサブルな音楽に合わせて、八神の伸びやかで表現力豊かな歌声が響くと、軽やかなステップを披露するメンバーの姿が相まって、自然と体を動かしたくなる不思議なグルーヴ感がうまれていく。そして、筒井がひな壇を使ったバク転など、アクロバティックなパフォーマンスで会場を沸かせると、「Play The Music」をパフォーマンスした。阿久根が得意とするボイスパーカッションから始まったのは「ビリミ」だ。疾走感あるサウンドの中で8人がクリアな歌声を響かせると、間奏部分では「ICEx!」のコール&レスポンスを楽しむシーンも見られ、コンサート終盤に向けて会場の熱をさらに高めていった。

 その後、衣装を変え、ストリートファッションに身を包んだメンバーが力強いダンスを披露。ダンサブルな「CARNIVAL」、「It’s party time!」、「シブヤ 午後6時」の3曲を駆け抜けるようにパフォーマンスしていく。そして、新曲の披露が続いた。メンバーのチャームポイントを歌詞に織り交ぜ、リレー形式で歌い継いでいく、ICExの名刺のような楽曲「We’re ICEx」をパフォーマンスすると、会場からは各メンバーの名前を呼ぶ大歓声が沸き起こる。楽しげな空気をまといながら、本編ラストは4月1日に配信リリースされた「8COUNT」を披露。一糸乱れぬダンスと、会場の奥まで伸びていくクリアな歌声は圧巻。これまでバラバラな道を歩んできた、特技も個性も全く異なる8人が、デビューから2年間で築き上げてきた団結力の強さを感じさせるステージだった。

 アンコールでは、ファンが「2周年おめでとう」のプラカードを掲げるサプライズも。今回のコンサートで初披露となる新衣装を身にまといながら、「Destiny」をパフォーマンス。その後、愛知、大阪、宮城、東京の4都府県で開催される3rdコンサートツアー『BOKUNCHI』の開催が告知されると、観客からは大きな歓声が寄せられた。

 アニメ『RINGING FATE』のオープニング・テーマを務めた「理想郷」を披露して、各メンバーが本公演最後の挨拶を行う。はじめにマイクを取った中村は、「みんな今日、楽しめた?」と会場に話しかけると、東京ドームシティは特撮好きの彼にとって、幼少期からの憧れの地であることを力説。そうした思い入れのある場所でライブができたことで、叶えられない夢はないと実感しているといい、「国立競技場、絶対に叶えられない夢じゃないと思う」「夢を叶えるその時まで、僕たちのパートナーとして一緒に走り続けてほしい」とファンへの言葉を紡いだ。千田はスタッフやメンバー、COOLerの優しさに支えられている実感が、自身のあり方に大きな影響を与えているといい、「皆からもらった優しさで、もっと皆のことを幸せにしたい」「(ファンが)特典会の前に話すことをメモして準備してくれていたりするのも、すごく愛おしいなと思う」「(ファンがICExを大切に思う気持ちは)届いてますから。これからもたくさん愛してほしいです」と語りかけると会場から歓声が響いた。

 山本は「一番自分らしくいられる場所がICEx」とグループへの想いを語り始める。彼は「この2年間、家族とほぼ同じくらいの時間を8人で過ごしてきた」「これから先、どんな大変なことがあっても、この8人なら乗り越えられると思っているので」「僕たち8人が向かう夢についてきてほしいし、この愉快な8人をこれからもずっと見守ってくれたらなと思います」と言葉を残した。筒井は結成から2年間、活動を支えてくれたCOOLerへの感謝の言葉を述べると、「小さい頃からアーティストになるのが夢で、ICExの話があったときは、ラストチャンスだと思って挑んできた」と過去を振り返る。彼は「正しい選択だったのか迷うこともあったけど、この8人なら俺の人生を託せるなと思う」と明るい表情で言葉を続け、「きっと皆さんも辛いこと、あると思います。僕たちは絶対皆さんの味方なので、ぜひ僕たちについてきてください」とファンの日常を気遣う言葉で挨拶を終えた。

 「最近皆さんは幸せを感じていますか?」という問いかけから言葉を始めた八神は、一人ひとりのファンに幸せな人生を歩んでほしいと願っている気持ちを明かし、「(ファンと)フリーライブのときに話すと、『あなたがいるから幸せ』と言ってくれる人がいる。すごくありがたいし嬉しいけど、(ファンに)自分自身の幸せを諦めないでほしいなと思ってて」「皆の人生のドラマの助演として、皆の支えになるのが僕たちの役目だと思っているから。これからも皆と一緒に幸せな時間を共有できることを楽しみに頑張りたいと思います」とコメント。竹野は「2周年という大事な日に、ICExの8人とCOOLerでTDCというでっかい会場で、180度見渡してお客さんがいる状況を皆さんが作り上げてくれた」「(ICExのことを)今後も愛し続けてほしいです。大好きです!」と笑顔を見せた。

 阿久根は「(8人の)個性、特技、見たことのない部分をライブを通して皆さんに知ってもらった」「(ファンとの)距離が縮まったと、すごく嬉しく思っていて」「これからもCOOLerとICExで一緒にライブをしていきたいなと思いました」「(来年の結成記念日も)僕たちと一緒に過ごしてほしいです」と、真剣なまなざしでコメント。最後にマイクを握った志賀は、「今日という時間がもう終わっちゃうと思うとすごい寂しい。そう思えるのは、COOLerとの時間が僕にとって大切だからだと改めて感じました」と話し始めると、声を詰まらせて客席に背を向け、感極まった様子に。7人のメンバーのコメントを聞き、全員がICExというグループを愛し、活動に喜びを感じていることを実感できたことが「すごく嬉しい」と、声を震わせながら語った。そして、「横を見れば、一緒に夢を目指す仲間がいてすごく頼もしいし、前を見れば、いつも支えてくれるCOOLerの皆さんがいるから、人生ってこんなに楽しいんだってすごく思う」「まだ見たことのない景色、いろいろあると思うので、これからも走っていきましょう!」と、メンバーとCOOLerに呼びかけ、挨拶を締めくくった。

 その後は、本公演で初披露となる「運命の1ページ」をパフォーマンス。また、Wアンコールとしてデビュー曲「CANDY」を披露し、ICExの活動が本格的にスタートした日を振り返りながら、2ndコンサートツアーの全ステージを終えた。

 「ROUTE-8」というタイトルのとおり、今回は8人のメンバーの個性と魅力、これまでの軌跡をたっぷりと味わうことができた、結成2周年の記念日にふさわしいコンサートだった。安定感が増し、より一層会場全体に伸びるようになった歌声。全身を細やかに使いこなしながらも、キレのあるダンス。観客の表情を見ながら、一つひとつ言葉を選んで語りかける幕間のMC。どれをとっても、この2年間で圧倒的な成長を遂げていることに心を動かされずにはいられない約3時間だったように思う。8人の今年の活動とその先のさらなる未来に、大いに期待を寄せたい。

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