劇場版『コナン』主題歌、ZARD「夏を待つセイル(帆)のように」から20年 B'z、倉木麻衣……初期主題歌振り返り

倉木麻衣、「Time after time ~花舞う街で~」「渡月橋 〜君 想う〜」など名曲多数

 B'zと同じく数多の『名探偵コナン』主題歌を担当してきたのは倉木麻衣。『名探偵コナン 天国のカウントダウン』(2001年)での「always」、『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009年)など、劇場版シリーズでは4回にわたって主題歌を担当してきた。特筆したいのは、2003年公開の『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』の主題歌となった「Time after time 〜花舞う街で〜」。京都が舞台となった本作にふさわしい和のテイストが施されたサウンドに、透き通るような倉木の歌声が物語を優雅に彩る。

 歌詞においては、全編に渡って〈君〉との恋愛模様が描かれるが、これは『迷宮の十字路』における服部平次と遠山和葉の恋愛模様を想起させる。特に〈そばにいたい今度は/きっと〉というフレーズに作中で明かされた平次と和葉の出会い、そしてこれまでの変遷を思い浮かべたファンも多いだろう。その後公開された、同じく京都が舞台である『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』(2017年)でも倉木は主題歌を担当。「Time after time ~花舞う街で~」を彷彿とさせつつも、より和のテイストを色濃くした「渡月橋 〜君 想ふ〜」もまた、『名探偵コナン』の世界を彩った。

倉木麻衣「渡月橋 〜君 想ふ〜」ミュージックビデオ(Short Ver.)

 ほかにもGARNET CROWや愛内里菜といった、劇場版『名探偵コナン』シリーズでは定番のアーティストが繰り返し主題歌を担当することで、『名探偵コナン』と言えばこのアーティストだというイメージが確立され、『名探偵コナン』主題歌を担当する意味やバリューを作り出した。先述したKing Gnuだけでなく、近年ではaikoやスピッツといったアーティストが劇場版『名探偵コナン』主題歌を立て続けに担当し、作品とともに楽曲もメガヒットを飛ばしている。だが、初期に主題歌を担当したアーティストたちが『名探偵コナン』という作品、そしてその主題歌というブランドを確立したということは、その歴史を語る上で忘れてはならないだろう。

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