SGが語りかける「心の中の花はずっと咲いている」ということ あたたかさに包まれたビルボードライブレポ

SG ビルボードライブレポ

 MCで、学生時代によく足を運んでいたという横浜に対する思い入れを語った後は、カバー曲のコーナーへ。まず、レミオロメンの「3月9日」のカバーを披露。ほとんどファルセットを使わず、パワフルな地声を通して、楽曲に宿る思いの丈を高らかに表現してみせる。続いて、SHAUNの「Way Back Home」 を日本語訳バージョンでカバー。なお、この曲をライブで歌うのは、メジャーデビュー後のライブでは今回が初めてとなった。自身の公式YouTubeで公開したカバー動画の再生回数が6000万回を超えていることもあり、この曲のライブ披露を待ち望んでいたファンもきっと多かっただろうと想像する。左手を胸に当てたり、拳を強く握ったり、また、人差し指を高らかに天に突き上げたりしながら、渾身の歌声を響かせていき、続けて、「死んでもいいや」へ。究極的なまでに深い愛を懸命に伝え抜いてゆく、あまりにも感動的な名演だった。

 本編最後のMCパートでは、ライブのタイトル「Still Blooming」に込められた想いが伝えられた。「Still Blooming」には、ずっと咲いている、咲き続けている、という意味合いが込められているという。SGは、去年のことを振り返りながら、今の自分のままではみんなから愛されないのではないか、という不安を抱いていたことを明かした。ただ、今年に入ってから次第に、自分を追い込まないマインド、決して無理をしないペースを掴むことができたという。大変なこと、辛いことはたくさんあるし、もしかしたら、いつまでも満開を迎えることはないのかもしれない。それでも、自分の心の中の花はずっと咲いている、咲き続けている。「Still Blooming」に込めた想いを、自身の経験を交えながら語ったSGは、観客に向けて、「自分の心の花に、大切に水をやって、愛してやって、咲かせ続けてください」「僕もこれからそうしていきたいと思います」と伝えた。そして、「俺らでお花畑つくっていきましょう」「あなたたちは俺の心の友だから」と呼びかけ、「心友」を披露。両手を大きく広げながら壮大なスケールを誇る歌を送り届け、そして、自身の代表曲「僕らまた」へと繋ぐ。フッドステップのリズムに合わせて客席から大らかな手拍子が巻き起こり、晴れやかな一体感が会場全体を満たす中、この日の本編は鮮やかなクライマックスを迎えた。そしてアンコールでは、「最後は盛り上がる楽曲を!」という言葉と共に「君に会いたいと願ったって」が披露された。ステージの端から端まで移動しながら、一人ひとりの観客と、この日一番熱く親密なコミュニケーションを重ねてゆくSG。観客もその想いに応えるように、高く上げた手を左右に振って彼のライブパフォーマンスを彩っていく。ライブハウスさながらの、あまりに熱い大団円だった。

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