生田絵梨花「もどかしさやわからなさが表現に繋がる」 挑戦の日々から生まれる音楽活動の原動力

生田絵梨花、音楽活動の原動力

竹内まりや、濱家隆一ら共演者から受ける刺激

――今年1月7日にビルボードライブ横浜で開催された『Erika Ikuta Premium Billboard Live 2025』はいかがでしたか。「上出来」「無視」「かくれんぼ」「カプチーノ」「黄昏マジックアワー」「モンブラン」の6曲と、2nd EP『bitter candy』に収録されている楽曲の多くをすでに披露しています。

生田:ファンの方には、新曲を披露しますということも、EPのリリースが控えていてその曲も含めたライブになりますということもアナウンスしていなかったんですよ。弾き語りもまたイチから練習しなきゃいけなくて準備は大変だったんですけど、結果みなさんが驚いて、楽しんでくださったので、やれてよかったと心から思いました。

――その時にはもうEPに収録することは決まっていたんですか?

生田:決まっていました。『capriccioso』を出した時も最初はライブでファンの方に新曲として聴いていただいていたので、今回もいち早く聴いてほしい思いがあり、『Billboard Live 2025』のタイミングでセットリストに入れさせてもらいました。あとは客席との距離がすごく近かったので、ファンのみなさんと会話をしている感じがあって、こういったライブもいいなと思いました。

――『DRIVING WITH YOU』もそうですし、濱家隆一(かまいたち)さんとMCを務める音楽番組『Venue101』(NHK総合)など音楽に関わる仕事が多数ありますが、それぞれミュージシャンとして影響を受ける部分もありますか?

生田:『Venue101』では、毎週のようにスタジオでゲストのみなさんのパフォーマンスを体感させてもらうことが大きな刺激になってますね。みなさんトークの時は、とても人間らしいというか、緊張みたいなことをおっしゃっていたりもするんですけど、ライブの世界に入ると演奏やパフォーマンスに刺激を受けて、自分も頑張ろうと思わせていただいています。

――『Venue101』のプロデューサー 大塚信広さんに取材した際、生田さんと濱家さんとのコンビネーションが成熟していて、生田さんは冷静にMCを仕切るんだけど、たまに天然の部分が出ちゃうところが魅力だと話していましたよ(※1)。

生田:え、嬉しい……嬉しいのか!?(笑)。でもそれは濱家さんの存在が大きいですね。私も真面目に硬くなりがちなんですけど、濱家さんがスタジオの空気をほぐしてくださったりとか、何か失敗してしまっても、それを全部キャッチして投げ返してくれる。どうなっても大丈夫だっていう安心感があるからこそ、自分もリラックスしてコミュニケーションができたり、音楽を楽しめていますね。

――『DRIVING WITH YOU』はどうですか?

生田:『DRIVING WITH YOU』はプロデューサーの方が音楽に詳しくて、私もそんなに知識があるわけではないので、おすすめの音楽を教えてもらったりとか。

――ROSÉのアルバム『rosie』をおすすめしてもらったと、番組で話していましたよね。

生田:プロデューサーさんも興味があるんじゃないかと思う音楽を教えてくれたりするんですけど、ROSÉさんは同い年で、おすすめしてもらってそのことを初めて知りました。アルバムを聴くと、ご自身で作詞・作曲をしていたりとか楽器も得意だったりして、世界にはこんなにすごい同世代の人がいるんだって刺激になりますね。

――竹内まりやさんがゲストに来た回もありましたよね。

生田:伝説的な存在だと思っていたので、ゲストに来た時は何を喋ったらいいのかなと思っていたんですけど、物腰柔らかく、優しい人で、まりやさんの方からいろいろと投げかけてくださったりして、喋っていたら時間が足りないと思ってしまうくらいに楽しい時間でしたね。

竹内まりや - 歌を贈ろう (Official Music Video)

――生田さんは、竹内まりやさんの「歌を贈ろう」のMVにも出演されていて、コーラスにも参加されていますよね。

生田:私が初めて主演を務めたドラマ『素晴らしき哉、先生!』の主題歌として「歌を贈ろう」を書き下ろしてくださるという時に、まりやさんがお手紙をくださったんです。私が音楽番組で「ウィッシュ~この願い~」を歌っているのを見て、しっかり認識してくださったみたいで、そのお手紙に一緒にコーラスを歌ってほしいということが書かれていて、そのまりやさんの思いが嬉しかったですね。

――「歌を贈ろう」には〈誰だって悩みだらけ 手探りしながら今日も生きてる〉という歌詞がありますけど、生田さんが『素晴らしき哉、先生!』で演じた笹岡りおという役もそうですし、生田さん自身についても重なる部分があるような気がしています。それは『情熱大陸』(TBS系)での生田さんの姿を見ているからかもしれませんが、そういった歌詞への共感はありますか?

生田:私も人間なので、悩んだり落ち込んだりすることはあるんですけど、ただまりやさんが一人じゃないんだよって、温かく包み込んでくださっているような感じがして、「歌を贈ろう」は私にとってもエールとして響いていますね。

――『情熱大陸』で話していた「ポジティブな中途半端」という言葉――どんな活動も中途半端にしたくないという部分は今も変わらずにありますか?

生田:今もありますね。そういった自分の性質だからこそ、もどかしさやわからなさが表現に繋がったり、その心情からくるエネルギーみたいなものが曲を生み出したりすると思っています。自分でも作詞・作曲をする上で、そういった思いが原動力になることがほとんどなので。聴いてくれた人に少しでも引っかかる部分があったり、そう思う人がほかにもいるんだと思ってもらえたりすることが、私の音楽活動に繋がっているので、これからも追求し続けられたらいいなと感じますね。

※1:https://realsound.jp/2024/04/post-1608077.html

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