THE SPELLBOUND×indigo la End、脈々と継承される音楽の系譜 双方の熱いリスペクトが生んだ最高の一夜に

THE SPELLBOUND×indigo la End 対バンレポ

 BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之(Programming/Ba)とTHE NOVEMBERSの小林祐介(Vo/Gt)によるロックバンド・THE SPELLBOUNDの自主企画イベント『BIG LOVE』の第5弾が恵比寿・LIQUIDROOMで開催された。今回のゲストは川谷絵音(Vo/Gt)擁する今年15周年を迎えた4人組ロックバンド・indigo la Endだ。

THE SPELLBOUND×indigo la End(撮影=YUSUKE TAKAGI)

 indigo la Endは、えつこ(Cho/Key)、みを(Cho)のサポート2人を加えたいつもの6人編成で登場。重厚且つ緻密なアンサンブルで巧みにライブを進行し、川谷が「僕らも“BIGLOVE”で返したいと思います」と宣言して「雨が踊るから」へ。サビで一気にディスコ調に展開し、オーディエンスを大いに躍らせた。川谷が小林を敬愛しているのはよく知られるところだが、ライブ中盤、THE SPELLBOUNDとの繋がりについて話し始めた。

indigo la End(撮影=YUSUKE TAKAGI)

 小林とは2012年のindigo la Endの対バンイベントにTHE NOVEMBERSとして出演してもらってからの付き合いで、かつてBOOM BOOM SATELLITESとゆらゆら帝国の日比谷野外音楽堂での対バンも観に行ったとのこと。「大学の頃から憧れていた人と初めてお会いできて感慨深い。バンドは長く続けるもんだなって」と充実した表情で話した。その後、代表曲「夏夜のマジック」を披露し、最大限のリスペクトを表した。

indigo la End(撮影=YUSUKE TAKAGI)

 サビではフロアから一斉にたくさんの手が突き上がり、ゆらゆらと揺れていた。川谷が「僕らの曲の中で一番音がデカい曲をやって帰りたいと思います」と言って、ソリッドなギターリフが轟く「晩生」へ。邪悪なギターリフが唸りを上げる爆音を叩きつけて、ステージを締め括った。

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

 THE SPELLBOUNDは福田洋子(Dr)、大井一彌(Dr)、XAI(Vo)を迎えた5人編成。大歓声の中、「雨ニウタレ命ナガレ」からライブがスタート。ツインドラムによる人力ドラムンベースのようなアンサンブルに小林のボーカルが乗ったかと思ったら、中野と小林によるソリッドなリフによって、アンサンブルはさらに重層に。アルバム『Voyager』のオープニングを飾る「モンスター」は高速のビートが乱反射するような楽曲だが、小林とXAIのツインボーカルがとても映える。

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

 マシンガンのように言葉が吐き出され、爆発力を高めていく。シームレスにアルバムの曲順と同様、「Unknown」へ。ブライトでパワフルなメロディと変則的なビートが絡み合い、オーディエンスを躍らせる。〈時計の針が重なり合うように〉〈僕らはずっと回り続ける〉と歌うボーカルパートでは、照明がフロアを照らし、多くの拳が目に入った。

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

 有機的なビートから、音声合成ソフト・夢ノ結唱 POPYに提供した「世界中に響く耳鳴りの導火線に火をつけて」のセルフカバーに突入。シンセを弾く中野の隣で小林が首を垂れてギターをかき鳴らす中、〈ひとつになっていく〉というフレーズがリピートされ、一体感を増大させた。

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

THE SPELLBOUND(撮影=YUSUKE TAKAGI)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる