LAで躍進するher0ismが語る、世界で戦うための戦略とシーンの課題「日本の音楽を海外に発信できる新しいフェーズに入る」

タイラとの出会い、『グラミー賞』アジア部門設立の可能性

ーーLAを拠点にしたことで新たな出会いのチャンスも広がりましたか?

her0ism:そうですね。実は、タイラとも近くで色々とやらせていただいていて。そのきっかけも、LAではないのですが、オースティンの『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』でパネルディスカッションをした時に写真を撮ってくれた方がいたんです。その方と仲良くなって、夜中の3時ぐらいまで呑んでいたんです。帰り際にハグして、「実は俺、マネジメントもやっているから」って言われて(苦笑)。

ーーえっ。

her0ism:そのアーティストが、タイラだったんです。でも、その時は去年の『グラミー賞』の受賞にも繋がったヒット作「Water」が出る前のことでした。

ーーそれは驚きですね!

her0ism:タイラ、とても好きだったので本当に驚きましたよ。そこから曲のやりとりをさせていただいて、現在は何曲かホールドになっています。ムーブメントが起こる前に知り合えたので、こんなことは日本にいたらなかなか起こらないことですよね。それこそ、アメリカサイドから声をかけられて『SXSW』のパネルディスカッションに参加したことがきっかけで、『グラミー賞』のアジア部門創設の話もいただけたので。クリエイターやスタッフとも、アメリカならではの出会いって日々あるなと思っています。

ーー大きな縁ですね。『グラミー賞』のアジア部門設立という言葉が聞き逃せませんが、とても楽しみです。

her0ism:まだまだなんですけど、せっかくなので形にしていけたらいいなと思います。わたしも楽しみにしています。

her0ism(撮影=林直幸)

ーーJ-POP関連でいうと、her0ismさんは冒頭でもお話に出たNEWSの増田貴久さんの1stソロアルバム『喜怒哀楽』の曲も直近で手掛けられていますよね。

her0ism:はい。リード曲の「喜怒哀楽」の制作に参加したんですが、彼の初めてのソロアルバムなので、本人の思い入れが強く表れています。普段はこちらで作詞曲などを完結させてから提案することが多いんですけど、今回は作詞段階でまっすー本人とこんなワード入れられるかなって話し合いながら進めました。タイトルにもなっている“喜怒哀楽”というワードを入れてみたらどうかなとか、本人からアイデアをもらって。電話をしながら、サビのキーになるパートなどは一緒に作りました。

ーーなるほど、そうだったんですね。

her0ism:グループの曲ではなかなかこういう制作の仕方はないので、本人の初めての“ソロ”に対する熱い思いを聞きながら曲に落とし込んでいく作業は印象に残っていますね。

ーーグローバルと日本では、創作スタイルなどどのようにバランスを取られていますか?

her0ism:ヨーロッパにいた頃は、海外とJ-POPの切り替えが難しかったんです。まだ頭が欧米のままですね、と言われたりして。今は“日本で受け入れられる海外のトレンド”という視点で自然に考えられるようになってきました。まさに、まっすーの「喜怒哀楽」はそうですね。メロディの流れや音の質感だったり、日本人が聴いてもトゥーマッチになることはないんじゃないかな。誰にも言わず、自然とやっている作業ですね。そこがわたしのストロングポイントのひとつだとも思っています。

■関連リンク
ever.y 公式サイト:https://ever-y.com/
her0ism(ヒロイズム)公式X:https://x.com/her0ism
her0ism(ヒロイズム)公式Instragram:https://www.instagram.com/her0ism/

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる