うたプリ、あんスタ、SideM、アイナナ、ぴゅあくる刀剣男士……目の前で歌い踊る“3Dライブ”の醍醐味

 2025年3月13日〜16日まで幕張メッセにて開催中の『うたの☆プリンスさまっ♪ ALL STAR STAGE -Dramatic Magical Story-』。本公演は、『うたの☆プリンスさまっ♪』(以下、『うたプリ』)からST☆RISH、QUARTET NIGHT、HE★VENSの3ユニット揃い踏みでの合同ライブだ。2022年から毎年公演が開催され、好評を博している。しかもこのライブ、“3D”によるライブなのだ。目の前で豊かな表情で生き生きと踊り歌う彼らが、プリンセスたちを、プリンスたちを魅了し、そのハートを感動と熱でいっぱいにしている。

うたの☆プリンスさまっ♪ ALL STAR STAGE -Dramatic Magical Story- // Trailer ≪ST☆RISH ver.≫

 そもそも3Dライブが一般に広く知れ渡った最初のきっかけは、“初音ミク”だったと記憶している。2009年8月22日にさいたまスーパーアリーナで開催されたライブ『Animelo Summer Live 2009 - RE:BRIDGE -』に登場したのだ。音声合成技術·VOCALOID(以下、ボカロ)の誕生は2004年のこと。MEIKO、KAITOに続いて2007年に誕生した初音ミクによってボカロの歴史が大きく動いたが、その初音ミクが『Animelo Summer Live 2009 - RE:BRIDGE -』のステージでモニター上に登場し、バンドとともにライブを展開したことから、“バーチャルシンガーのライブ”というエンターテインメントが生まれた。スクリーンに映し出された透過スクリーンでのライブによって、二次元であっても三次元の存在と同じように視線を走らせ、表情を変え、ダンスをしてパフォーマンスをすることが可能になる。この技術によってライブのカルチャー、そしてアニメーションにおけるライブの表現が大きな転換期を迎え、キャラクターがそのままライブをする文化、さらにはVTuberが誕生するきっかけとなったと言えるだろう。

『初音ミク「マジカルミライ 2024」』ダイジェスト

 花譜や星街すいせいが日本武道館公演を開催するなど、VTuberによるライブも大会場で開催されるようになった昨今だが、同じく二次元アイドルによる3Dライブが大規模な会場で開催されることも広がりを見せている。先に紹介した『うたプリ』はもちろん、それ以前の2017年から3Dバーチャルライブ『DREAM LIVE』をスタートさせた『あんさんぶるスターズ!!』など、ライブ技術の進化に伴って3Dライブを見られるようになっていく。

あんさんぶるスターズ!DREAM LIVE -1st Tour “Morning Star!”- Blu-ray & DVD ダイジェスト

 実際にキャラクターを演じる声優がステージに上がるのではなく、キャラクター自身が繰り広げるステージは、二次元アイドルのファンに新たな熱を灯したと言える。スマートフォンの中で動き、歌っていた彼らが、アニメーションとしてテレビの向こうで手を振っていた彼らが、目の前で声を弾ませてステップを踏み、コロコロと表情を変えていく様に胸が熱くなる。時には視線が合うことやファンサを受け取ることだってある。思いっきりペンライトを振り、歓声が出ないはずがない。興奮を止められるはずもない。

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