“令和の三橋美智也”=福田こうへい 山川豊、八代亜紀、欧陽菲菲……ラブソングカバーの最高到達点

山川豊の「アメリカ橋」は、1998年と99年の2回、『NHK紅白歌合戦』で歌われたヒット曲。畑中葉子とのデュエット曲「カナダからの手紙」をはじめ、アグネス・チャン、天地真理、小柳ルミ子など歌謡曲から、五木ひろしの「よこはま・たそがれ」など幅広い作曲活動で知られる、平尾昌晃が作曲を務めた歌謡ポップスの名曲。アコーディオンを取り入れたサウンドはそのままに、福田は実に軽やかに同曲を歌い上げた。サビでは伸びやかなハイトーンを聴かせ、そこはかとなく哀愁をも漂わせている。
本作の聴きどころのひとつが、八代亜紀の「愛の終着駅」だろう。“愛の終わり”をまるで映画のようにドラマチックに歌い上げ、『第19回 輝く!日本レコード大賞』最優秀歌唱賞など多くの賞に輝いた名曲。手紙を使って詩的な比喩表現を用いたシンプルな歌詞だが、八代のハスキーな声質とブルージーな歌い回しによって、女性の悲哀が感じられ、物語への想像が膨らんでいく曲だ。福田のカバーでも、物語の導入となるイントロのコーラスも再現されている。彼の豊かな表現力によってひとりアパートで泣き崩れる女性の姿が浮かんでくるのだ。
本作では女性歌手のカバーも多く、欧陽菲菲の日本デビュー曲「雨の御堂筋」は特段聴き応えがある。彼女の代名詞「ラヴ・イズ・オーヴァー」とは異なり、軽快なアップテンポのリズムが印象的な楽曲を福田は選び、愛する男を探し歩く女性の悲哀を高らかに歌い上げた。福田の高音は非常に心地好く、後半の歌い上げは迫力もあり、歌唱力の高さを存分に感じることができるだろう。
ほかにも渡哲也の「くちなしの花」、天童よしみの「道頓堀人情」、春日八郎の「長崎の女」など、いずれ劣らぬ名曲揃い。楽曲の持つ本来の魅力を損なうことなく、持ち前の歌唱力と表現力で“福田節”として昇華させた一作。もともと楽曲のファンだったという者でも、福田の解釈によるこれらカバーを聴くことで、楽曲の新たな魅力にも気づくことができるだろう。
民謡で培ったたしかな歌唱力とどこか甘さを携えた声、そして歌に対する深い愛情で、多くのリスナーの心を震わせ、癒やしている福田。ラブソングとしての精度はもちろん、これだけの名曲を揃え、歌い切ることができたのも、彼のキャリアと歌唱力があればこそ。一文字シリーズ最高峰と呼べる、名作が誕生した。
■リリース情報
アルバム『戀』
発売中
配信URL:https://king-records.lnk.to/fukuda-koi
価格:¥3,300(税込)
<収録内容>

01. 初恋(村下孝蔵)
02. 恋唄綴り(堀内孝雄)
03. アメリカ橋(山川 豊)
04. 愛の終着駅(八代亜紀)
05. 石狩哀歌(神野美伽)
06. 函館の女(北島三郎)
07. 熱海の夜(箱崎晋一郎)
08. 雨の御堂筋(欧陽菲菲)
09. くちなしの花(渡 哲也)
10. 道頓堀人情(天童よしみ)
11. 石狩川悲歌(三橋美智也)
12. 長崎の女(春日八郎)
特典:「こうへいのおすそわけカード」3枚封入(初回製造分のみ)
シングル『匠~たくみ~』
発売中
配信リンク:https://king-records.lnk.to/takumi
MV:https://www.youtube.com/watch?v=ebDkRuV_Pws
価格:¥1,500(税込)
<収録内容>
01. 匠~たくみ~
作詩:万城たかし/作曲:岡千秋/編曲:南郷達也
02. 母ちゃん待ってる終列車
作詩:万城たかし/作曲:岡千秋/編曲:南郷達也
03. 匠~たくみ~ オリジナルカラオケ
04. 匠~たくみ~ 一般用カラオケ半音下げ
05. 母ちゃん待ってる終列車 オリジナルカラオケ
06. 母ちゃん待ってる終列車 一般用カラオケ半音下げ
特典:「こうへいのおすそわけカード」3枚封入(初回製造分のみ)
オフィシャルサイト:https://fukudakohei.info/
ブログ:https://fukudakohei.info/category/blog
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