キズナアイがアーティスト・KizunaAIとして3年ぶりに復活 国内外にVTuberを広めた元祖、音楽活動へのさらなる期待

2025年2月26日22時。KizunaAIによる楽曲「かもね」が世界中に配信された。2022年2月26日のライブ『Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”』を最後に活動休止していたバーチャルYouTuber・キズナアイが目覚めたのだ。
昨年、キズナアイの誕生日である6月30日に「Cognition」プロジェクトのティザーサイトと「s h e e e e p」という無期限配信がスタート。12月1日には、キズナアイらしき声が「もう起きるからね、もうちょっとだけ……。待っててね」とつぶやく動画「Can you wake up?」が公開されていた。そのたびに「キズナアイ」の名前がトレンド入りし、目覚めへの期待が高まるなか、休止からまる3年を経てついに再始動の時が訪れた。
新曲「かもね」を公開した1時間後、「ただいま」という動画で新たな姿を解禁。かつての真っ白い空間ではなく、本棚や机などがある温かみのある部屋を背景に、カジュアルなスタイリングのキズナアイがそこにいた。
雰囲気は変わっているものの、トレードマークのピンクのリボンが揺れるカチューシャ、何より「はいどうもー! キズナアイです!」と名乗る快活な声は変わらない。「より多くの世界中のみんなと繋がりたくて、アップデートするためにスリープしていました」と休止の経緯を語り、「みんなに、“待っててくれてありがとう!”の気持ちでいっぱいです。今回のスリープで、過去の自分のこととか、つながった人たちのこと、これからのことも冷静に考えて見つめ直すことで、改めて、それでもつながりたい! と強く思いました」と意気込みを語った。また、今後は「KizunaAI」として音楽活動をメインに展開していくと宣言。この動画は公開から1日で、すでに150万回以上再生されている。
いまやバーチャルアーティストやVTuberは数え切れないほど存在し、大規模なライブやイベントが各地で賑わいを見せている。2016年に世界初のバーチャルYouTuberとして活動を開始したキズナアイは、その先駆け的存在だ。
天真爛漫なキャラクターと飾らないトークで人気を博し、活動休止前のYouTubeチャンネルの登録者数は300万人以上。VTuberが増えていくなか「親分」と呼ばれ、国内外にファンベースを広げていった。
その名のとおり「つながりたい」という想いを核に持つキズナアイは、積極的に他のメディアにも進出。『サンデージャポン』や『ヒルナンデス』といったバラエティ番組では錚々たるタレントとトークを繰り広げ、ニュース番組にもたびたび取り上げられたほか、CMキャラクターも多数務めた。2018年には日本政府観光局ニューヨーク事務所の米国向け訪日旅行促進アンバサダーに抜擢され、日本のカルチャーの窓口として存在感を発揮するまでになる。ネットシーンを飛び出し、お茶の間にまでバーチャルタレントの認知を広げた功績は計り知れない。
そんなキズナアイの大きな軸となったのが音楽活動だ。2018年に「Kizuna AI」として1stシングル「Hello, Morning」をリリースし、その後発表した曲が立て続けにiTunes Store エレクトロニック・チャート1位を獲得。TeddyLoidが手掛けた「melty world」、中田ヤスタカが手掛けた「AIAIAI」など、豪華クリエイターとのコラボも話題を集めた。歌唱力はもちろん、そのほとんどの楽曲でキズナアイ自ら作詞を担当し、音楽は大切なメッセージツールとなっていった。






















