『タイプロ』で注目集めるtimeleszの楽曲 「Anthem」から「RUN」まで、課題曲に刻まれたストーリー

「RUN」

 ファイナル審査における課題曲の一つが「RUN」であることが発表された時、深い納得感を抱いたファンはきっと多かったと思う。2020年8月にシングル曲としてリリースされた「RUN」は、2018年11月から約1年9カ月にわたり活動を休止していた松島が復帰を発表した際に5人体制で初めてテレビで披露した曲であり、歌詞には不思議と当時のメンバーの思いがそのまま乗っているようにも感じられる。2024年に行われたtimeleszとして初の全国アリーナツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2024 episode0』で、この曲がライブのオープニングナンバーとして披露されたことも記憶に新しい。ファンにとってもメンバーにとっても非常に深い思い入れのある楽曲であり、『タイプロ』において、候補生が「RUN」と真正面から向き合うことは必然であったと言える。

 「RUN」はそのタイトルが示すように、熱い疾走感を感じさせるロックテイスト全開のナンバーであり、サビの勇壮なメロディに乗せて届けられる〈止まらないで 止まらないでよ 僕らはまだ始まったばかりさ〉という一節は、これまでそうだったように、きっとこれからも、3人を、新しく加入するメンバーの心を、強く奮い立たせる1曲であり続けていくはずだ。

Sexy Zone「RUN」Music Video(short ver.)

 今回は、いくつかの楽曲をピックアップして紹介したが、他にも象徴的な楽曲は多い。5次審査では「SWEET」「革命のDancin' night」「New phase」という新曲が制作され、また、ファイナル審査では候補生が2チームに分かれ、新曲「Rock this Party」をtimeleszの3人とともにパフォーマンスする場が用意された。これまでの楽曲、そして、これから生まれる楽曲、その一つひとつの連なりが、グループの歩み、ひいては歴史になっていく。『タイプロ』は、そうしたプロセスの意義深さ、尊さを、現在進行形のものとして強く感じさせてくれるプロジェクトであると思う。『タイプロ』を通して、初めてtimeleszの楽曲に触れて心を動かされた人は、ぜひ他の楽曲も辿ってみてほしい。

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