『タイプロ』に流れる『SHOCK』の流儀 佐藤勝利の指導力と寺西拓人・原嘉孝が持つ緊張感

 timeleszの新メンバー募集オーディション『timelesz project -AUDITION-』(Netflix/以下、『タイプロ』)がいよいよ大詰めを迎えている。2月5日には最終審査が行われ、その後に新生timeleszが決定。結果は2月15日配信回で明かされるという。

 オーディション番組を見ていると、魅力がない人などいないのだという気持ちにさせられる。最終審査に残った浜川路己、寺西拓人、原嘉孝、橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝、本多大夢、浅井乃我の8名はもちろんのこと、これまで涙を呑んで去っていった候補生たちにもそれぞれ光るものがあった。特に終盤にかけて一人ひとりにスポットライトが当たる時間が増えてくると、ますます「みんな受かってほしい」と願わずにはいられなくなる。

 それは、私たち視聴者以上に候補生たちをじっくりと見守ってきたtimeleszのメンバー、そして長い時間をともにしてきた候補生自身にも芽生えていることだろう。カメラには映らない部分で感じられる人の良さや、その人がまとう空気感、いるだけで周囲に与える刺激といったステージ上で輝くものだけでなく、人間同士の相性なども審査に入ってくるとなると、『タイプロ』は、新しくグループを組むような一般的なオーディションとはまた異なる難しさがある。

 なかでも佐藤勝利、菊池風磨、松島聡が、それぞれteam SATO、team KIKUCHI、team MATSUSHIMAに分かれてメンバーをプロデュースした5次審査では、より複雑な思いが錯綜した。候補生たちの間で「全員で進もう」という声が聞こえてきただけでなく、timeleszの3人も候補生の魅力を引き出せるか否かは自分の責任だとして、心血を注いでいたのが印象的だった。

[074] 仲間探しオーディションの裏側に密着!『Behind The AUDITION』episode 14『責任 -Part 4-』team KIKUCHI篇 ①

 その向き合い方にも個性が出ていた。菊池は兄貴分として候補生たちに背中を見せる。それはかつて菊池自身が、中島健人やSixTONESメンバーをはじめとする同世代の粒ぞろいのジュニアたちとしのぎを削ってきた景色と重なるようにも見えた。ライバルでありながら、最高の友達。しかし、そんな仲間と思い切りパフォーマンスできる時間は永遠には続かない。だから悔いのないように、全力でやれ。そんな菊池の鼓舞に候補生たちの間にも、青春ドラマのような熱い友情が生まれているのが伝わってきた。

[062]仲間探しオーディションの裏側に密着!『Behind The AUDITION』episode 13『責任 -Part 3-』team MATSUSHIMA篇 ①

 一方、松島は候補生たちに惜しみなく愛情をかけて寄り添っていく。そのスタンスは、松島がSexy Zoneとしてデビュー後もマリウス葉と武者修行のような形でジュニアたちと活動していたことや、突発性パニック障害の発症による休養を思い出させた。どんなに環境が厳しくとも、仲間からの愛を感じることができれば、ファンを笑顔にするアイドルになれる。愛らしい仕草は表面的な動きではなく、愛を信じ、心から楽しんでいるからこそ魅力的なのだと、松島が実感してきたことを伝授しているようにも見えた。

[053]仲間探しオーディションの裏側に密着!『Behind The AUDITION』episode 12『責任 -Part 2-』team SATO篇 ①

 team KIKUCHIは“友情”、チームMATSUSHIMAは“愛情”と、菊池と松島がこれまでの活動の中で大事にしてきたものが垣間見えたそれぞれのプロデューステーマ。そうした視点で注目するとteam SATOは徹底して“SHOW”だった。楽曲も振り付けもミュージカルのステージを彷彿とさせる構成。そこに佐藤が「はじめてエンタメに生で触れた」という舞台『Endless SHOCK』が大きく影響していることは言うまでもない。

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