香取慎吾はなぜ特別なのか 拡大するNAKAMAの輪、神業的エンターテインメントを実現させる人間力の凄み
![香取慎吾が特別な理由](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-99.jpg)
香取慎吾が2月15日より、3カ月連続でWOWOWに特集される。映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』、『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』など懐かしい映画作品たちの放送・配信に並んで、大きな見どころとなっているのが昨年12月3日、4日に国立代々木競技場第一体育館で開催した自身初のアリーナフェス『“Circus Funk” Festival』の放送だ。3月には『インタビュー&ドキュメンタリー “Circus Funk”』と題して、舞台裏にもカメラが入った様子もオンエアされる予定だという。
作って歌って踊って繋いで……まさに「生きる音楽番組」
![香取慎吾『“Circus Funk” Festival』](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-10.jpg)
こんなライブを作れるのは香取慎吾しかいない。『“Circus Funk” Festival』を観たときに、まずそう思った。香取がSMAP時代からコンサートの演出を手掛けていたことは広く知られる話だが、彼のプロデュースセンスは楽曲制作においても光りを放つ。今回の『“Circus Funk” Festival』のベースとなっているのは、3rdアルバム『Circus Funk』。収録されている楽曲たちは香取が「この人と音楽がしたい」とピンと来た人に次々と声を掛けて作られていったものだ。
![香取慎吾×SOIL&"PIMP"SESSIONS 社長](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-08.jpg)
まず驚かされたのが、そのフィーチャリングアーティストの幅広さ。香取が「明菜さん」と慕ってきた大ベテランの中森明菜から、同世代のSOIL&"PIMP"SESSIONS、そして国境を超えて韓国のDJ兼プロデューサーであるNight Tempoに、香取とは20歳以上の年齢差のあるヒューマンビートボクサー・SHOW-GO、そして2021年から活動を開始したばかりのバンド・Chevon……など、一体どうやってチェックしたのかと思わずにはいられない守備範囲の広さ。
![香取慎吾×Night Tempo](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-06.jpg)
聞けば、サブスクで流れてきた曲だったり、仲間内で話題になっていた曲をきっかけに気になり始めたというアーティストが多いという。そこから多忙なスケジュールの合間をぬって、SNSでメッセージのやり取りをしたり、オンラインでミーティングをしたり、直接会いに行って「いっしょにやろう」と巻き込んでいったという。香取自身もMCで「過去の自分に感謝している」と話していたように、彼がコツコツと積み上げてきたものがあればこそ、これだけ多彩なアーティストたちとのコラボが実現したといえるだろう。
![SHOW-GO×香取慎吾](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-04.jpg)
そうして繋がった多くのアーティストとの縁をフェス形式で披露しようという発想も、香取ならでは。どうやらアルバム制作をしている段階で、ライブの光景を思い浮かべていたようで、途中、心が折れかけたというSHOW-GOに「絶対に1曲目に必要なんだ、君が!」と強く伝えて、ともに走り抜いたというエピソードも。ライブの始まりにスモークが立ち上るなか、2人のシルエットが浮かび上がったとき「これが思い描いていたオープニングか!」と身震いがした。
また、0.5秒単位で盛り上がりが変わるという曲と曲の間について、バンドごとに音響を調整するにはどうしたらいいかと頭を悩ませているという話もあったが、実際にライブを観るとそんな戸惑いがあったとは思えないほどスムーズに場面が転換をしていた。これも、香取の繋ぐトーク力があればこそだろう。水を飲んだりスタンドマイクを運んだりと準備を進めながらも、観客とのコミュニケーションは途切れない。むしろ「ひゅ〜!」なんて歓声が上がることもあったほどだ。
![乃紫×香取慎吾](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-05.jpg)
![香取慎吾×在日ファンクの画像](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-09.jpg)
個人的には乃紫の作った“推し活”の歌「一億人の恋人」という直球の楽曲に対して、“ファンが大切”というテーマをもとに在日ファンクが作った変化球の「カツカレー」をイジる流れに笑いを我慢できなかった。異なる才能をどちらも「最高!」という香取の器の広さ。そしてその期待に応えることができたというアーティストの誇らしげな顔も見ていて気持ちがいい。
![](/wp-content/uploads/2025/01/20250127-katori-02.jpg)
さらに「お腹が空いてきたね。何が食べたい?」と振り、誰がいつどのタイミングで「カツカレー」というオチを言うのか。バラエティで育った香取がアーティストたちに無茶振りしていくのも、ふだん音楽活動をするアーティストたちの見えない一面を楽しむことができた。
そしてふと思うのだ。一体、このライブで何役をこなしているのか、と。コラボするアーティストを自ら見つけ出し、ともに楽曲作りを楽しみ、ステージについてもイチから考え、自らパフォーマンスをして盛り上げていく。こんな神業、やっぱり香取慎吾にしかできない。