『ピーター・パン』朗読×音楽で浮かび上がらせる新たな物語 由薫&菜々香が語り合う、世界観の再解釈

由薫が驚いた菜々香の仕事エピソードは“無人島1週間生活”
――おふたりは今回が初めましてでしたよね。最初のほう、どのような会話をしていらっしゃったんですか?
由薫:音楽朗読劇をご一緒するにあたって、菜々香さんのこれまでに大変だったお仕事のエピソードを聞けば、より頑張ろうと思えるんじゃないかと「お仕事でいちばん大変だったことは何ですか?」という質問をしたんです。そうしたら予想外な答えが返ってきて(笑)。
菜々香:以前、お仕事で無人島に行ったことがあるんですけど、それを言ったら爆笑されました(笑)。初対面の職人さんたちと複数人で無人島に行って、1週間生活をして生き延びられるのか、という企画だったんです。寝るところも与えられず、携帯もなし。しかも、職人さんたちは漁師さんなど生きる術を持っている方々ばかりだったのに、私はなぜか歌手という何の役にも立たなさそうなポジションで参加して。みんなで協力をして草をむしったり、水を沸かしたり、火を起こしたりということをしている時が、人生でいちばんしんどかったです(笑)。
由薫:私が予想していた答えは、たとえば「殺人犯の役で心情を想像するのが大変だった」みたいなことだったんです。菜々香さんはクールでかっこいいお姉さんというイメージだったので、そういう想像をしていたんですけど、まず「無人島」というワードが出てきた時に「え?」と思って。しかも、5日の予定が2日間も伸びたらしくて、「神さまに嫌われているんじゃないかと思った」という話を聞いた時に、クールなお姉さんのイメージと違いすぎて笑っちゃいました(笑)。
菜々香:(笑)。
由薫:大阪出身だからお話もすごく上手なんです。それに、無人島でサバイバルを経験した人なんて、なかなかいないじゃないですか。
菜々香:あはははは!
――よゐこの濱口優さんか、あばれる君か、菜々香さんか(笑)。
由薫(笑)。それ以来、菜々香さんへの緊張感はなくなりました。ほかにもいろんな面白い話があるんだろうなと思っています。
――本番が終わるまでに聞き出しましょう(笑)!
菜々香:用意しておきます(笑)。


――お互いに本番に向けて事前に伝えておきたいことはありますか?
菜々香:私は、本番前にすごく食べると思います。
由薫:あ、今日も思いました。
菜々香:食べないと声が出ないんですよ。でも、迷惑はかけません(笑)!
由薫:私は逆に食べちゃうと集中力が切れちゃうんですよね。だから、今日おにぎりを食べているのを見て意外だなって思いました。私は、頭のなかで考えていることが顔に出ることが多い気がします。機嫌がいい/悪いということではなく、考え事をしていたり、妄想をしていたりすると、顔に出てしまうみたいなんです。ボーッとして目をガン開いて空中を見ていたら「怖くて声をかけられなかった」と言われたこともあるので、誤解を招きやすいタイプなんだろうなって。でも、なんか変だなって思っても基本的には何もないです(笑)。
菜々香:あ、じゃあ稽古2日目の時は本を読んでたのかな? 様子がちょっと違っていたから。
由薫:あの時は移動までのあいだに曲を書いていたからだと思います。
菜々香:なるほど。ちょっと由薫ちゃんのことがわかった気がする(笑)。
“声”で伝えることの難しさと感情の伝え方
――由薫さんは学生の頃、映画研究会で映画の撮影を手伝っていた経験がありますよね。演技をする側になって気づいたことはありましたか?
由薫:どれだけ自然な演技でも、それは演技なんだなとあらためて思いました。日常と同じように喋ればいいと思っていたんですけど、それでは感情が伝わらない。俳優さんはすごく考えて演技をしているから、ナチュラルなのに観ている側に伝わるんだと感じましたね。それくらい高度なことをしているんだな、と。裏では努力や計算、練習があってナチュラルなセリフを出しているんだと気がついて、いろいろな作品にリスペクトをより込めて接することができそうです。
――声の作り込みという視点で見ると、歌にも汎用できそうですよね。
由薫:そうなんです。初めましての方の前で歌うのと、今回の音楽朗読劇って、似ていると思うんですよね。何を言っているかが伝わることで、歌を聴く視点が変わるというか。だから聞き取りやすさにはメリットしかないんです。もうちょっと言葉の聞こえ方を気にしながら歌ってみたいなと思っています。
――菜々香さんは普段舞台でご活躍されています。声だけで演じる感覚は特殊だと思いますが、声だけだからこそのよさは感じていますか?
菜々香:声だけとなると、お客さんの想像力がより掻き立てられるのかなと思っています。目の前には演者がいるけれど、頭のなかで自分なりの映像を浮かべられるのが朗読劇の魅力なのかな、って。私たち演者も声だけとなると想像力をより働かせなければいけないので、役のキャラクターにフォーカスできるのかなと感じています。
――では最後に、今後やってみたい役や挑戦したいことを教えてください。
菜々香:私はサイコパスの役をやってみたいんです。素の自分はのんびりしているタイプなので、難しいかもしれませんが、挑戦したいですね。
由薫:見てみたいです!
菜々香:普段はのんびりしているのに、でも急に黒い部分が出てきたりして、「こんな感情になるんだ!」と自分でも思う時があるんです(笑)。それをお芝居でやってみたいな、って。でも、私は役に引っ張られてしまうタイプなので、すごく体力を使いそう。役と自分を上手く切り替える方法を模索中なので、自分と真逆の役も演じてみたいです。
由薫:私は、音楽だけをやっていると何も書けないんですよ。日常を生きたり、何かに挑戦したり、全然違う世界を知ることで歌詞やメロディが生まれるんです。なので、この『ピーター・パンとウェンディ』を経ることでも、きっと曲が生まれると思います。今後もこういった機会があったら挑戦したいです。音楽にとらわれるのではなく、いろんなチャレンジをすることがいちばんの音楽への還元だなって。目の前にやってきたチャンスにしっかり向き合っていきたいです。

■公演情報
『Song Storytelling in BAROOM「ピーター・パンとウェンディ」』
<会場>
会場:BAROOM(https://baroom.tokyo/)
東京都港区南青山6-10-12 1F
<出演者>ピーター・パン×ウェンディ
Aチーム:田中真琴 × 紫吹淳
Bチーム:由薫 × 菜々香
Cチーム:谷口あかり × 銀粉蝶
<スケジュール>
2月3日(月)
18:15 開場/19:00 開演(A)
2月4日(火)
13:15 開場/14:00 開演(B)
18:15 開場/19:00 開演(C)
2月5日(水)
13:15 開場/14:00 開演(A)
18:15 開場/19:00 開演(B)
2月6日(木)
13:15 開場/14:00 開演(C)
18:15 開場/19:00 開演(A)
2月7日(金)
13:15 開場/14:00 開演(B)
18:15 開場/19:00 開演(C)
2月8日(土)
13:15 開場/14:00 開演(A)
18:15 開場/19:00 開演(B)
2月9日(日)
13:15 開場/14:00 開演(C)
<チケット>
全席指定:8,500円
販売URL:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2445815
<スタッフ>
演出:小見山 佳典
脚本:樋口 ミユ
音楽:澁江 夏奈
歌唱指導協力:五東 由衣
伴奏:松山 祥子
ヘアメイク:松元 未絵・宮﨑 智子
主催:株式会社フェイス
制作協力:株式会社アミューズ
協賛:森川健康堂株式会社
公演オフィシャルサイト:https://baroom.tokyo/peterandwendy/
X(旧Twitter):https://x.com/SSinBAROOM
由薫 オフィシャルサイト:https://yu-ka.jp/
X(旧Twitter):https://twitter.com/yukayu_ka79
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菜々香 アーティストページ:http://www.orangeblue-company.com/management/nanaka.php
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